「競馬してみたい」をやってみる
ものでもお金でも、手に入れるうれしさよりも失う悲しさのほうがデカいタイプなので賭け事には縁が無いと思っていた。
ただ、縁がないからこそ、なにが人をあんなに熱狂させるのか、気になっていた。
友達が仕事の下見で競馬場に行かなくちゃいけない(どんな仕事なのかは置いといて)と聞きつけて、それは想像よりも早く叶えることができた。
まず、競馬場、めっちゃ遠い…!
こんな遠くまでみっちり人が集まるなんて、やはりどんな魔力があるのかと俄然興味が湧いた。
見渡すと、競馬場にいるひとはみな、なんだか覇気がある。
よくわからんけど、朝の満員電車と対極の雰囲気というか、メラメラしている。
馬が走る前にくるくると外周する時間があり、そこで今日はどの馬が調子がいいとか悪いとか見定めるらしい。
馬を見るのが久しぶりだったので、純粋に「馬だ…!」という感動があった。
その中でも白いつやつやの毛並みの馬と目が合った気がしたので、友達に教えてもらいながら、弱腰らしく単勝と二連複というやつで賭けてみた。
よくビギナーズラックなんて聞くけども、初めての競馬は700円増えるという微妙な勝ち方をした。
(その後2レースくらいをちょっとずつ賭けて、結局は電車賃入れたらちょっとマイナスくらいの負けになった)
でも、自分がピンときたものが当たった時の「ほらみたことか!」という感覚、違った時の「今回はたまたまなんだ…」という感覚。
サイコロみたいな運だけじゃなくて、自分の目利きが試されるような気がするから、あんなに人が燃えるのかもしれない。
そして何よりも、全力疾走する馬をこっちも負けじと全力で応援する気持ちよさみたいなものが、あのメラメラのガソリンなんだな。
千円くらいしか使ってないけど、それ以上のドキドキとハラハラをもらえた気がする。
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