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「宝くじを買ってみたい」をやってみる
宝くじは、希望だけじゃなく、猶予を与えてくれる。
前の職場で働いていた時、辞めたい波が定期的に訪れた。
正確にはずっと働きたくない気持ちはある中で、
今すぐ辞めなければならん!!!という大きい衝動に駆られるタイミングが何回かあった。
その時に、いやでも、辞めてどうするんだ?
辞めたら他になにができる?
という自問自答を何回も何回も繰り返して、
私には選択肢がないと諦めていた。
ある日から、帰り道に昔からある宝くじ屋が、なんだか光って見えた。
気になりつつも、いやいや当たらんしな…と自分を宥めながら家に着く、を繰り返していた。
そしてようやく、次に波が来た時に買おう、と決心したのだった。
あの中がぼやっとしか見えない販売所で自分のために取り出されたくじを手に入れると久しぶりにわくわくした。
今日から、宝くじを買って結果が出るまでは、
3億円手に入れる可能性がある人として過ごせる。
ミスしても、でも3億円当たって辞めるかもしれないからな、と自分を許せる。
これ以上ない綺麗な現実逃避だ。
結果的に、4回ほど買った宝くじは当たらないのだけど。
宝くじが当たったら、という仮の世界で辞めたいなら、今からでも辞めたほうがいいという気持ちになってその後その会社を辞めた。
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