菅田将暉は世界の終焉を知っているか

寝転びながら片足を上げていると1匹の虫がどこからか飛んできて足の親指に止まった 周りをよく見てみるとカメムシのような気味のわるい虫がいくらか飛んでいて、たまたま手の届く距離にあったスプレーを噴射する しかし一向にくたばることのない虫たちは私の気持ちを無視して飛び続けた 足の指に止まった虫はというと緩やかに歩をすすめ私の指を渡っている 足を思い切り振り下ろして虫を払おうとするが身体が思った様に動かなくて虫だけがゆっくりと動いている、その様子が時間が止まっているような感じで、怖くなった イライラしてきて飛んでる虫じゃないものにまでスプレーをかけて、あの、ゴキブリを冷たくして止めるスプレーだったから。周りのものがどんどん凍りはじめて、天井の照明が音を立てて崩れる、怖くなって叫んだけど誰もいなくて、そうか私1人だね、と思うと横で誰かが、1人だったことを忘れないでとささやいた
目が覚めると虫なんてどこにもいなくて、布団からはみ出した左足の靴下だけが脱げていた

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