ISO/IEC25010 品質モデル
長らくソフトウェア品質モデルとして親しまれてきた ISO/IEC9126 が ISO/IEC25010(ISO/IEC 25000 SQuaRE シリーズの一部) として補強、改訂されましたので、ここで紹介したいと思います。参考文献 *1 がかなりイケているのでそちらを直接参照されても良いかと思います。
利用時の品質
9126時点では主特性のみの定義であった「利用時の品質」に副特性が定義されました。主特性自体も「効率性」「有効性」「安全性」「満足性」から多少の変更が見られます。
ISO9126時点での利用時品質の定義
注目すべきはコンテキストカバレッジで、システムの利用が机の前に限らなくなってきた昨今の状況がよく反映されているように思います。
データ品質
データ品質は主特性というより、以下の様なカテゴリに分かれます。
固有のデータ品質特性
システムが介在しなくても存在、評価できるデータが本来持つ品質特性。例えば紙の書類の回覧でも同様の品質が求められる
システム依存のデータ品質特性
データをシステム上で運用する段になってはじめて問われはじめる特性
固有及びシステム依存のデータ品質特性
前述のふたつの側面を併せ持つ特性。例えば「日付データ」などは、年号/日付 の記述方式といったデータ自体の特性と、システムで扱われる際のフォーマットの側面からの特性の両方を併せ持つ
システム/ソフトウェア製品品質
こちらは9126でもおなじみ、品質モデルというとこれを想起される方も多いでしょう。注目すべきはセキュリティが主特性として昇格している点や、9126では全主特性の子に存在した標準適合性が削除されている点などです。
テスト計画やテスト基本設計を考えるときについそのまま当てはめようとしてしまいますが、保守性や移植性など、テストよりプロセス、プラクティスで保証されるべき性質のものがあったり、その製品に本当に「互換性」が求められるのか?など、何段も製品に寄った運用が必要になります。
*1:システム/ソフトウェア製品の品質要求定義と品質評価のためのメトリクスに関する調査報告書 2011 年 3 月 経済産業省 ソフトウェアメトリクス高度化プロジェクト プロダクト品質メトリクス WG
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