推しがいない推しグループがデビューした話



"推しがいない推しグループがデビューした。"

なぜ"推しがいない"のか、それは3ヶ月前のこと。


2023.12.30

推しが突然消えた。

いつも持ち前の明るさと可愛さとかっこよさで
私たちの太陽であった、推しが一般人になってしまった。

よくわからなかった。

その事務所内では、まだデビューをしていない、いわゆる練習生が、舞台やコンサートの千穐楽付/年度末で、お知らせもなくプロフィールが突如削除され、退所することは幾度となくあった。

その度に、また星が一つ消えた、そんな気持ちになっていた。
けれどそう思うと同時に、自分の推しはグループも組んでいるし、辞めるはずない、そう思っていた。

そんな確信なんてどこにもないのに。

だから、突然の推しの退所を受け、約15年のオタク人生の中で味わったことがない気持ちを、いやというほど味わった。
なんだろうこの気持ちは。
悲しいとか悔しいとかじゃなくて、なんで、なんで、なんで?って。信じられなかった。
今私は悪夢を見ているだけで、目が覚めたらまたいつもの輝く推しが見れるんじゃないか、って。
一度夜が明けたら、このニュースは嘘だったよ、って報道されるんじゃないかなって。


まぁでもそんなこと考えるだけ無駄だった。


そんな中、気づいたことが1つあった。


推しを、アイドルとしての彼を、自分が思っていた以上に好きであったことを。 


いつも太陽のように明るくみんなを照してくれる貴方。
頑張りすぎて骨折してしまった貴方。
人一倍、いや人百倍努力を重ね、国公立大の入学切符を掴み取った貴方。
一方で、ポジションがなくなり10近く離れた研修生とステージを頑張った貴方。
念願だったグループを組んだ貴方。
そして念願だったグループを組んだ貴方。
グループとして日々成長を重ねる中で、ベース担当になり日々レベルアップした様子を見せてくれる貴方。
ダンスも歌も演技も苦手意識があった部分も乗り越え、毎回最高を更新してくる貴方。
夢であったキャスターの仕事を掴み取った貴方。
メンバー全員でのバラエティレギュラーという夢を叶えた貴方。
anan表紙を飾った貴方。

貴方が日々成長していく姿を見れることが幸せだったし、貴方が私の原動力だったんだ、って今になってちゃんと気がついた。 

もうとっくの手遅れなのに。

どうして当たり前に気づけ無かったんだろう、私は。

キラキラアイドルとして輝く貴方が好きだったんだ___


2024.03.16  


そんなこんなで日々を過ごしている中気づけば2ヶ月半が過ぎようとしていたある日、

貴方がいない5人のメンバーはデビューすることを発表した。

グループ結成5年の歳月を経て、念願のデビュー。

心から嬉しい......とはなれなかった。

嬉しいんだよ、嬉しいんだけど、でも....って

アイドルオタクとしては"デビュー"という言葉ほど嬉しいものはないし、推しグループだし、喜ばない手はないはずなんだけど、今回だけは違った....

おめでとうって言いたいのに素直に言えない。 

これからの活動にあなたはいないんだ...って思うと....

発表を聞いた時には貴方もいたんだって思うと....


もう過去を悔やんでも仕方がない。
これが現実だ。
現実は全てがうまく行くわけじゃないし、残酷だ。

私は貴方に何があったか一オタクとして知りたい部分もあるけれど、知らなくて充分と思う部分もある。

やっぱ貴方がグループには必要だよ、と何回も思ってる。

貴方が大好きだったからさ。

本当ならだいすき"だった"という過去形ではなく、だいすき"だよ"という現在形で伝えたい。

けれども貴方が身を引いた以上、一般人になったのであって、見ず知らずの私に愛を伝えられるのも気持ち悪いかもしれない。

だから、これ以上は一般人となった彼のことに想いを馳せることは、ただの変質者になりうる可能性があるので、やめておこう。  


けど、最後に、同じ人間として、
彼が今日もこの空の下で、ご飯を食べて、
暖かい場所で休めていますように。
生きていますように。

Aぇ! groupデビュー本当におめでとうございます。
Aぇ! groupがだいすきだよ。



追記)
今はまだ、彼がいないグループを見ることができなくて、過去映像見るのも何だかできなくて、
わかってる
1オタクとして、グループの成長に少しでも貢献するには、今のありのままのグループを見て、応援することが必要だ、ということを。

だから、今自分が推しているアイドル/グループ/アーティスト、自分にとってかけがえのない人々たちには、その人たちが身近な人であろうが、有名人で手が届かない人であろうが、毎日生きていてくれてることに感謝して、その日にできることをしていこうと思う。

たとえそれが美談だと言われようとも。

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