照くんの概念のひとつは〝桐の箱〟です。重々しくはなく、あたたかみもあり、それでも四隅はしっかりと決められた、色素の薄い桐の小箱。
彼が大事に想うものは、その両掌に掬われて、箱の中へと丁寧に保存されていくかのようです。