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疲れると見える物【PIN百物語】

今回は前回に引き続いての所謂怖い話です。
僕が体験した、(体感した)お話になります。

僕は専門学生の時、新聞配達のアルバイトをしていました。

そしてまた別に飲食店でもアルバイトをしており、タイムスケジュール的には、

新聞配達

学校

新聞配達

バイト

新聞配達

学校

新聞配達

睡眠

これを繰り返す生活をしていました。
そして週一の休みにはカラオケに行くか友達と遊びに行くかをしていて、所謂
「休む」
という事を忘れていたのです。

そんなある日でした。
ほぼ三徹に近い状態で朝刊を配っていた時の事です。

僕はバイクで配達しており、バイクを止めて新聞を脇に抱えて団地に入りました。

そして入り口の小階段を三段駆け足で飛ばして右に曲がろうとしました。

その瞬間突き飛ばされたのです。

それも真後ろの集合ポストに強く打ち付けられる程の強さです。
「いってーなこのやろう!!!」
そう言いながら立ち上がりました。

しかし時刻は朝の3時半頃。
周りには人なんて誰もいません。

その瞬間急いでその建物を配り始めました。

そして配り終えてバイクに飛び乗って正面を見た時です。
ふと正面を見ると何かが居ました。

何が居たのかはわかりませんでしたが少なくとも人型であった事は確かです。

それが目に入った瞬間僕の中での時が一瞬止まりました。

僕は意識が遠くなる感覚を伴いながらバイクを発進させました。

これが僕が疲れすぎていて見た幻覚なのか本当に居たのかはわかりません。
しかし僕の突き飛ばされた時の腰痛は本物でした。

以上になります。
楽しめていただけたら何よりです。


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