グァバ


足速い人にときめくことはなく

足速い人を見ながら「○○すごいね。」って言ってくる長袖ジャージ姿で体育座りをしている可愛い男の子に……

ときめく。

かなり良くないか〜?????????


すみません、ゆっきゅんのYETAが出てしまいました。
以下、夢小説です。


この子と体育祭を抜け出して図書館に行きたい。
無人の図書館は鍵がかかってるから、職員室で「すみません昨日忘れ物しちゃって」って言って鍵ゲット。職員室にも三人くらいしかいなくて体育祭中に図書館?と不思議な顔されるんだけど、私もその子も素行が良すぎてすんなり鍵を渡される。素行が良すぎて、助かった〜!!!!!!!!!
鍵をゲトできればもうこっちのもんで、図書館で自由に本読もう。3時間くらいはいけるね。昼寝とかもするよね。閉会式はさすがに居なきゃ、やばいか笑つって、15時くらいにそれぞれのクラスに戻りたいね。高3の最後の体育祭、図書館でそれぞれ好きな本を読んで過ごした思い出。

この子となんで友達になったんだっけ?確か、高2のとき選択授業で隣の席になって……ペンケースにつけてるストラップが同じだったんですよね。ご当地キューピー。それも二人とも最初は全く気づかなかったの。中間試験が終わったあと、席替えでまた隣の席になって、お互いうわ気まずすぎる〜という気持ちでチラッと相手の顔を伺ったら目が合っちゃって、気まず苦笑い会釈をして目線を落としたら目線の先に自分が持ってるストラップがあって。
「あ……同じだ。」「同じだ。」ご当地キューピーのストラップをペンケースにつけてる奴が自分以外にもいるのかよ。特に喋ったことなかったけど、なんか、喋った方がいいかも。という出会いでした。

まあご当地キューピーのストラップをペンケースにつけてる奴同士だから当然気が合っちゃって、嫌いな先生が同じで、嫌いな授業が同じで、嫌いな行事が同じだった。好きな文筆家が同じで、好きな歌手が同じで、好きな映画が同じだった。

「高1の体育祭のとき、どうしてた?」「どうしてたって?」「いや、あたしは種目出たくなかったから表から自分の名前消して日陰でぼーっとしてたから」「あー」「唯一出る種目が棒引きだったんだけどさ。走るのよりはマシかなと思って選んだんだけどやっぱ意味分かんないなと思って」「棒を引くのが?」「うん」「そりゃ、意味はないよね」「ないよ」「あったらおかしい」「うん」「僕はそもそも行ってない」「休んだの?」「休んだっていうか、体育祭嫌だなと思ってたら熱出たの」「最悪じゃん」「うん。最悪なもののせいで最悪なことになった」「でもリレーとか出るよりはマシか」「そりゃそうだよ」

じゃあ今年は二人でサボろうよって、どちらから言い出すわけでもなく決まっちゃった。二人とも友達はいるの。いるけど、一緒にサボってくれる人はいない。一緒にサボってくれるのはアンタだけ。去年は一人で逃げてたけど、今年は二人で逃げられる。図書館に行くか、教室に行くか、もう学校を抜け出しちゃうか、選び放題!

「さすがに学校出たらやばいかな?」「うーん、やばいんじゃない?でも…」「行く?」「やばいけど、行きたいかも笑」「電話とかかかってきたら……保健室で休んでましたって言えばいいか」「そうだね」「さすがにジャージでうろつくのやばいからさ、開会式終わったらトイレで着替えて待ち合わせしよ」「うん。でも制服もやばくない?」「いや、堂々としてれば意外と大丈夫だよ」「そっか、堂々と」「いけるいける」

体育祭で一緒に外出したり図書館で昼寝したりした奴と強固な絆が生まれないわけないから、お互いのこと大好きになっちゃって、でも恋愛とかはよく分からないし周りには付き合ってると思われてるけどずっと友達なの。そのまま卒業して大学に行ったら連絡も取らなくなっちゃうけど、あの子に会いたいなと思ったときに向こうから連絡がくる。やっぱ私たちが出会ったのって必然だったんだなって。恥ずかしいから言わないけど。






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