セローかハンターカブか

いつもお世話になっている星を読む方に「岡ぴよさんは凝り性だから」と言われて、「そんなことないけどなー」と思いつつも、やるときは人並み以上にやってしまうことは確かに自覚があり、これまではその対象が仕事に関する事象がほぼであったために気付かなかったのだろうというのが、渓流釣りにたいして「とことん準備」を始めた理由であろう。

装備や道具に関する準備はもちろんだが、未知の釣行に際しての移動手段で悩んでいるのがいかにも自分らしいと思う。「魚釣り」は正直後付けの理由であって、渓流に対する情熱はまたの機会に記したいがここでの問題は移動の足の選択である。

まだ専門用語をよく知らないので平たい書き方をするが、源流を目指す釣りとは未舗装の山道へ入り、川へ降りられるポイントを探しつつ小刻みに移動を繰り返すと想像する。車で行けるところまでは車で良いが、私が求めている渓流への浪漫は車が入れないことが前提である。しかし、徒歩での移動距離は限られてくるし、そうなれば未舗装でも走破可能なオートバイを準備しなければならなくなるのは必然なのだ。

さて、現在所有しているSRはヤマハの名車でつい先日、ファイナルエディションなる型が発売され、43年の歴史に幕を閉じることになった。さておき、問題なのはSRでは山に入れないということなのである。いくらSRの原型がXT500というオフロードバイクであったとしても、エンジンはともかく明らかなオンロード仕様で設計されたSRでは大幅なカスタムでもしない限り、とても渓流への浪漫へは届かない。

始めはSRを手放し、ホンダのCRF250ラリーに乗り換えようかとも思った。そのオートバイであれば、やや重そうではあるが山道はもちろん、通勤から長距離ツーリングまでこなせることはYouTubeで学習済みだ。そんな話しを妻にしたところ、「SRともう一台買えば良いじゃない?」などと、まるで慈悲深い神のような台詞を宣った。

次なる問題は車種の選別である。仮にSRを手元に置いたままもう一台となると、CRFでは大きすぎる。実際はかなり楽しいのだろうが、それではSRがかすんでしまうのではないかという懸念があるのだ。しかも私のSRに対する愛情は並々ならぬものがある故。その詳細はまた別の機会に。そこでの候補はヤマハのセロー、もしくはホンダのハンターカブである。

セローに関しては、SRと同じくヤマハの代名詞的な存在で、SRより少し早めにすでにファイナルエディションが発売され、店頭在庫のみという状況だ。排ガス規制やABS装着など現代の環境や安全面などクリアしなければならない課題が多すぎるためこちらは35年の歴史を閉じた。さて、最後のセローはCRF250と同じ排気量ではあるが、もっと軽量な印象で実際軽い。先日、馴染みのオートバイ屋で跨がらせてもらったのだが、足つき良好。これは楽しそうだという気持ちしかない。

ハンターカブに関しては、昨年、多数のファンが熱望していたリニューアル復活と言うことでその人気も尋常ではなく、現時点では受注すら不可能な状態らしい。いつかは入手可能という前提の話になるが、排気量は125とやや小ぶりではあるが、YouTube辞典によれば、登坂能力はなかなかのようで、山中ストップアンドゴーを繰り返すにはこれほどマッチした存在はないだろう。しかも「ハンター」の名の通り、山へ渓流魚をハントしに行く私にはこれ以上の選択肢はないのかも知れない。ただ、山道へたどり着くまでの距離や、果ては県境を跨いだ山中を目指したり、サクラマスやサツキマスを求めるような気持ちになった際には、やや物足りない排気量であることは明らかである。

最近の私の悩みとはそのようなことである。今日は馴染みのオートバイ屋に、顧客が発注したハンターカブが卸されるらしいので覗いてみたいと思う。このような思考を誰もがするのかと言えばそれは人それぞれであろう。この必要以上な未来への実際的な想像が、仕事の上では役に立ってきたと言えるはずなので、決して無意味ではないはずである。

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