見取り図の間取り図ミステリー(2021/09/30)
見取り図の全国ネット初冠特番。調べた所によると、チーフプロデューサー＆プロデューサーの方は今年６月からダウンタウンDXを担当されている。何も知らないど素人の勝手な憶測だが、まさにこれからどんどん企画を考えたり新番組を立ち上げたりする、見取り図と近い世代の方達ではないだろうか。
今秋、Paraviから地上波デビューを果たしたテレビ東京「考えすぎちゃん」の初回放送において、佐久間プロデューサーが「（見取り図と一緒に上がっていきたい若手ディレクターが）お笑い系だとみんな見取り図の企画書を書いてる」と発言していた。ちなみに昨年はニューヨーク、今年が見取り図らしい。ありがたいですね。ぜひ今後とも見取り図をご贔屓に。カンテレと読売で見取り図を取り合って頂きたい。
それはさておき、番組のロゴが非常にかわいい。一回限りの特番で終わらすには勿体ないくらい凝っててかわいい。床下収納があることは分かった。
間取り図を見るのが好きな人は何気に多いと思う。引っ越す予定はなくとも、チラシや賃貸サイトに掲載されている間取り図を眺めているだけで楽しいと感じる人も少なくないと思う。私がそういう人間ってだけの話だが。とはいえ、いま話題の「変な家」も、間取り図から謎を読み解くミステリーで、それはもう売れに売れている。いいよ間取り図。来てるよ間取り図。実際に謎物件まで足を運び、撮影できるってのはテレビの強みではなかろうか。
そんな訳で、今回の特番は「間取り図」をテーマに扱っている時点で個人的に勝ち確だったのだが、一つだけ懸念があった。それはVTR中心の番組になることだ。これは単純に私が苦手というだけで、出演者がスタジオでVTRを眺めてリアクションを取る番組がつまらないと言っている訳ではない。私に集中力がない所為で、VTRに途中で飽きてしまうのだ。
今回は興味のあるテーマだし、放送時間も一時間だし、なんといっても見取り図の全国ネット初MCの特番だから、集中力が途切れることはないだろうと踏んでいたが、これがもう、VTRとスタジオトークの割合がめちゃくちゃ良かった。凄くいいバランスだった。
そう思えたのは、VTRのテンポや演出がとても見やすい作りになっていたからかも知れない。勿体ぶらず、仰々しい演出もなく、引きのある映像、謎の答えをテンポよくポンポン見せてくれるのがとにかくストレスフリーだったのだ。
不思議な間取り図を紹介する時のBGMがYOASOBIの「怪物」なのもセンスがいい。ミステリアスな雰囲気出てるもん。
3問目が出演者と住人が直接やりとりできる中継スタイルでの出題だったのもポイント高い。視聴者を飽きさせない構成になっている（気がする）。
また、VTR→大喜利タイム→VTR→大喜利タイム→中継ときて、見取り図が変わった間取り図を紹介するというほぼ新作漫才を挟んでくる構成は贅沢すぎるて。あの手この手で視聴者を楽しませてくれる心意気、めっちゃくちゃ好き。
リリーさんが一人で間取り図を紹介し、リリーさん以外の出演者がツッコミを入れるスタイルじゃないのが特に好き。なんかよく分からないまま気付けば見取り図の漫才を見せられていた児嶋さん達、という構図が可笑しかった。
ちなみにミサイルが突き刺さってる物件を紹介した時の盛山さんの「○○の物件ですか？」は、まさに見取り図の漫才だった。あえて文字は伏せさせて頂くけども。あと終盤の「刑務所やないか」の畳みかけ。1本のネタとして普通に面白くて、何回も見返してしまった。箸休め的なワンコーナーで見取り図の新作漫才（本当にしっかり漫才だった）を見せてくれる番組、素晴らしすぎへんか。
竹内アナウンサーの進行、ゲストのアンジャッシュ児島さんと山之内すずさんの大喜利力、掛け合いなども非常に心地良かったので、もし次回があれば同じメンツがいいな。
そして何より、誰がMCをやっても成立する番組ではなく、見取り図がMCであることにちゃんと意味がある番組だった。
ワイプの盛山さんは本当に楽しそうにリアクションするし、ツッコミ全てに盛山さんのワードセンスが光っている。ツッコミを入れる時の着眼点と言葉選びと言い方がマジでいい。盛山さんの人柄そのものを好きにならずにはいられない面白さに加えて、可愛らしさまであるから強い。
ワイプのリリーさんは本当に興味津々でVTRを見てるのが伝わってくる。そしてラヴィットでも思うけど、リリーさんしか思いつかんやろｗって角度の大喜利やボケを予備動作なしでぶっ込めるから、芸人としてめっちゃ強いし、めっちゃ貴重やし、めっちゃ頼もしい。
あと漫才。やっぱ漫才。ちゃんと見取り図の漫才として面白かったことが素晴らしかった。
レギュラーだと、取材に行ける変わった間取り図の物件がネタ切れしてしまうかも知れないから、定期的に特番して欲しい。
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