忿懣

疲れた。全身が痛い。顎関節症が悪化したのか口が指一本分しか開かなくなってしまった。カップラーメン一杯食べるのに一時間かかるせいで食事が面倒になり栄養バランスという概念が存在しない囚人以下の飯を喰らっている。首も肩も張ってガチガチ、何故か背中は攣りやすくなったし身体を起こすことすらキツい程の怠さ。立っているだけで褒められたいけれどそんなのは人類が当たり前にやっていることなので誰も褒めちゃくれない。
今日日犬猫ですら立つし、二足歩行の動物が立ち上がったところで私はクララではないから褒めるに値しないのだろうか。多分そうだと思う。

月末の怒涛の忙しさが過ぎ去り多少仕事が楽になった。二週間ぶりにやることに追われず仕事が終わったけど今週の休日出勤が決定したので相殺。早上がり出来たけど全然嬉しくない。

人体、不思議すぎる。食事を摂らない生活をしていると食べなくてもよくなるんだよな。一口サイズのおにぎり二個で一日動けてしまうのが凄い。もしかして私、めちゃくちゃ燃費良いのか?
今度から自己紹介でプリウスって名乗りたい。
嘘です。

食事を摂らない弊害なのか、ただの疲れなのか判別が出来ないけれどあまりにも顔色が悪い。青白いを通り越して土気色になってしまった。
今の私ならウォーキングデッドに出てもバレない気がする。
不眠症も相まって化粧をめちゃくちゃに頑張っても誤魔化せない立派なクソデカいクマが目の下を我が物顔で陣取っている。帰ってくれ。

職場の人に
「凄くやつれた感じがするね、休みの日は気分転換に好きなこととかした方がいいよ」
と言われた。

あ、そうですか。としか思えなくなった。その場凌ぎの御礼は言ったけど。
好きなことって何だ。やりたいことって何だ。
日々生活をするだけで満身創痍なのに生活以外のことをするなんて出来る訳がない。人間としての最低限のタスクである食事、風呂、排泄、歯磨、睡眠すらも真面に熟せないのに。休日で次の日外に出ないと決めていたら食事風呂睡眠なんかは捨て置いてしまう。もうおしまいだ。


辛い。どうしてこんな人間になってしまったのだろうか。自分の好きだった物を睥睨してアホくさいと鼻で笑うような人間になりたくはなかった。
人の話を聞いて自分に益があるかどうかを考えるような人間にも、人付き合いのデメリットの多さを唱えて周囲の人間を遠ざけるような真似をする人間にもなりたくなかったのに。

何を以てして何かを好きと決められるんだろう。好きだと思う感情の裏には決定的な理由があるのだろうか。若しそうならば、私には本当に好きなものも本当に好きなことも本当に好きな人も、どれ一つ何処にも存在しないような気がしてくる。

好きを抱え続けることはエネルギーが要る。
なけなしのエネルギーを自分以外に使えるほど出来た人間ではないからな〜と思う。
特に恋愛なんてものはその最たる例な気がする。多くの事象を経験しそれを共有する。それだけでも気が滅入るほどの労力。そこまでしてもいつかは喧嘩をし、意見が合わず、どちらからともなく離れてしまうのだ。どうせ。
私のようなデカめの赤子は意見の擦り合わせも話し合いも諭すのも諭されるのも全部大嫌いなので関係が破綻する、という道しか存在しない。
そんな不毛なことやったって疲れるだけだし。
どれだけの時間を過ごそうとも、自分以外は他人だという抗いようのない事実だけがこちらを見てニヤつき、舌舐めずりをする。最悪だ。

人と生きていくなど最初から無茶無謀なことなのかもしれない、と思い始めた。誰がこのような人間と懇意にしたいのだろうか。私ですら御免被りたい。私のような人間は変なところでこだわりが強くプライドも高い、自尊心と自己愛が肥大化して口が達者になっただけの、大海を知らない哀れな蛙に決まっている。知らんけど。

どこに向けていいのかわからない、きっとどこにも向けるべきではない怒りのような感情だけが腹の底でぐらぐらと沸き続けている。特に理由もなく抗ってはいるけれど、このまま感情に呑まれてしまった方が幾らかマシな気さえする。


あ〜あ。勘弁してくれ本当に。
蓋し、馬鹿と屑は死ななければ治らないのだろう。




おやすみなさい。泥の様に眠ります。


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