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エナさんが初めて中標津で凱旋ライブをした日

「凱旋」

~争いに勝って帰ること。成功を遂げて帰ること~

東京に出てきて苦労を重ねたアーティストが、地元に帰って凱旋ライブをする。
それは東京で頑張っている「今」を見せるという意味もあります。

何故このタイミングで4年近く前のライブのことを書こうと思ったのか。

「書こうと思った」というよりも「書き残しておきたい、おくべき」だと思ったんです。

たまたま当時のメモが残っていたので流れもむちゃくちゃな駄文ですがなるべくその時に感じたままを残します。
今、あらためて書き直しちゃうとそれは「現時点での記憶をまとめたもの」になっちゃいますからね。

エナさんの音楽はこの先もっとたくさんの人たちと出会い、聴かれ、愛されていくでしょう。
今までエナさんが歩んできた足跡を残しておくのも末端ファンである私に出来る数少ない応援の一つです。

それでは。

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20年ぶりのフライトは20年ぶりの旅でもあります。

つい数か月前に偶然が重なり出会ったシンガーソングライター・エナさんが生まれ故郷の町中標津で凱旋ライブを行うのです。

11月5日(土)から11月7日(月)の3日連続ライブで、土曜日は結婚式のゲストとして、日曜日はゆかりのあるレストラン「ジンギスカンそら」にて地元での初の凱旋お披露目ライブ、月曜日は母校である中標津高校で一年生を相手にライブと講演が行われます。

一般人が参加できるのは日曜日のお披露目ライブのみ。

元々参加するつもりは全くなく、東京から参加される方のツイートやエナさんのブログを見ても自分には関係のない話のはずでした。

https://ameblo.jp/boo6262/entry-12205545860.html

https://twitter.com/enamo_o61316/status/782445770368688128

凱旋ライブ発表の数日後、何気なく航空運賃を調べてみると割引きが効いて思っていたより安かったのです。
その時点ではまだ1ヶ月以上あったので旅割28という割引きが使えました。

発着時間を調べると日曜日の昼に出発、14時ごろ到着。
帰りは翌日の月曜日の14:30発で16:30羽田着、と仕事の都合を含めて何とかなりそうです。

理屈ではスケジュールを組めるのですが実際はどうだろうか、とチケット予約の件を含めてエナさんにメールで相談してみました。
すると驚きと感激の言葉と共に、チケットは残り少ないながらまだ大丈夫、ホテルやレンタカーのオススメなどが詳細に返信されてきました。
私個人のためとは思えないほど細かく丁寧に書いてあったので、恐らくバンドメンバーや先に遠征を決められていた方に送ったモノのコピペであろう内容です。

短い滞在の予定だったのでレンタカーを借りずにタクシー利用を考えていましたが空港、ホテル、会場の往き来の距離を考えるとレンタカーの方が便利で割安だというアドバイスでした。

普段旅行に行くこともないしたまにはいいかな、と飛行機のチケットを購入しました。
続けてホテル、レンタカーの予約も。

日々忙しく過ごしていると1か月は瞬く間に過ぎていきました。

事前に帰郷していたエナさんに続いてライブ前日の土曜日にはサポートメンバーが中標津入り、その時は雪が降っていました
天候が不安定で飛行機が飛ばない可能性も少しあったようです。

日曜日の天気は晴れ。

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羽田に向かい、飛行機に乗り込むと2時間経たないうちに中標津空港に到着、早いです。
羽田空港に向かうまでの都内の気温は約16-18度、中標津空港に降りた時の気温は約3度。
かなりの気温差で相当の覚悟をしていたのですが寒くはあるものの空気が綺麗でとても気持ちが良い。
何より辺りを見渡しても高い建造物などが無いので開放感が素晴らしい。

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空港の構内にレンタカーの窓口があり予約の旨を伝えます。
空港からレンタカーの営業所までは歩いても5分ぐらいなのですが送迎バスがあるとのことで案内されて営業所で手続きを済ませます。
フロント部が潰れた車を「鹿とぶつかってああなったんです、お気をつけください。」と軽く脅されました。笑

ホテルのチェックインまで少し時間があるので空港から車で15分ほど、市街地とは反対方向の北へ向かいました。
道中は日陰に前日の雪が残っていて少しスピードを落とします。
周りに何もない景色が続くのでスピード感が少しおかしくて、40キロぐらいで走ってるつもりがメーターを見たら倍ほど出てました。笑

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中標津に来たら絶対に行こうと思っていた「開陽台」に到着して駐車場から雪が残る階段を登ります。
途中にある「幸せの鐘」を若者二人がガランガラン鳴らしまくっていて風情もありがたみもありませんでした。笑
売店はすでに休止時期で営業していませんでしたが階上の展望台(と言っても高さ的には3階くらい)には登れました。

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眺めは絶景です。

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エナさんがツイッターやブログにいつも載せている写真の風景がそこにありました。 
少し違うのはそれが雪景色だったこと。
エナさんはご自身を「雪女」と仰っていましたがそれが功を奏してとても綺麗な景色を見られました。

雪女エナさんバンザイ!

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ホテルに行く前に会場である「ジンギスカンそら」の場所を確認するために向かいます。
とてもわかりやすい場所にあったので全く苦労することなく到着、音響屋さんが機材を搬入しているところでした。

ビジネスホテル「B'z INN」に向かいチェックイン、とても綺麗な室内で思っていたより広いです。
一晩の寝床としては充分だし、1週間ぐらいの滞在でも問題ないと思います。
ライブの開場時間まではまだ余裕があるので部屋でのんびり休憩。

時間が近づいてくると何となく落ち着かなくて支度をして少し早めに「そら」に向かいます。
すでに数台の車が停まっていてその端に並べるように停めます。

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車から出て入り口を見に行くとライブの案内などはありません。
すると関係者らしき方がいらして「今日は営業してないんです。」と仰る。
「ライブを観に来ました、開場まで待ちます」と車に戻ります。

隣の車からはエナさんの代表曲「ソーダライト」が大きな音で漏れてきます。

「ああ、エナさんの地元に来たんだな。」

開場時間になったので受付で名前を告げ支払いを済ませると入ってすぐ目の前にキーボードがこちらに向かって設置してあります。
カウンター席の前に並ぶようにバンドの機材が所狭しと並べてあります。
客は靴を脱いで上がる掘りごたつ式のテーブルに座ります。

普通のレストランなのでちょっと変わった配置で言葉では伝わりにくいと思います。

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(写真の花束があるカウンターの前にサポートメンバーが横並びに座り、真ん中でエナさんが歌います。)

このライブは地元の方たちのためのライブなのでよそ者の私は一番奥の席に座ります。
エナさんたちが並ぶカウンター前のスペースは人が一人通れるぐらいの幅しかないので、一番近い客席は文字通り手を伸ばせば届くような距離、目の前です。

地元の人たちも続々と集まり隣に家族連れが座られました。
聞くつもりはなかったのですが「エナが、、、エナの、、、」と会話されているので親族の方なのでしょう。

席も埋まり開演時間を少し押してライブが始まりました。
バンドメンバーが入場して持ち場に着くとザワザワしていた店内に静けさが訪れます。

どこからか赤ちゃんの声が聴こえる中、SEが始まりエナさんが登場すると大きな拍手が起きます。 
都内のライブでは赤ちゃんが居ることはあり得ないので故郷ならではですね。

イントロが始まり「サヨナラの音」でライブがはじまりました。
(この曲は帰郷したエナさんが東京へ戻る際に中標津空港で家族と別れる時のことを歌った曲です。)
想いが詰まった曲で感極まり歌声が途切れ、「すいません、、、」それでも持ち直し、歌い終えました。

「嬉しい顔が並んでいて感極まってしまいました。ちょっと鼻をかんできていいですか?」と楽屋へ、皆んなの笑い声もあたたかいです。 
バンドメンバーによる軽やかなイントロ演奏がはじまり、エナさんも戻って来ました。

「お待たせしました、あらためてエナです!ありがと~!」

あらためての2曲目は「片目に涙」。
大好きな曲がここに来ました、キーボードのはらかなこさんの個性的な演奏にみんなで手拍子してめっちゃ楽しいです。

続いてはらさんのスキップしたくなるズンチャズンチャなリズムが楽しい「真夜中のファミレス」。

最初のMCではご友人のお子様とお話したりする地元ならではの雰囲気です。
上京する前にここジンギスカンそらのオーナーさんが経営するセブンイレブンでお金を貯めたことから、今日のこのライブまでの流れを語ります。

「一人でいても、誰かといても、寂しさを感じることがあります。
そんな寂しさを歌にした曲を、とても綺麗な満月の日にできた『アイイロ』という曲を歌います。」

エナさんのバラードの代表曲です。
「アイイロ」は「藍色」であり「愛色」なのだと思います。
「藍」の深い青と「愛」の深さを歌ったのではないかと想像してます。
プライベートでも親交の深いまつもと尚こさんのコーラスが素晴らしい曲です。

上京して専門学校に行き、そして働きながら迷いもあり自分の道を模索した日々。
音楽と出会い、帰郷してジンギスカンそらのオーナーと再会、この日に繋がるストーリーをMCで。

セットリストを変更しサポートメンバーが一瞬戸惑う中「ソーダライト」を今日ここにいるみんなに感謝をこめて。
3曲入りCD「サヨナラ、またね」しかリリースしていないエナさんの代表曲です。
ここまでで一番の盛り上がりです。

イントロの大和田亮さんのギターも軽やかな「ゆらゆら」。 
いつもは小さい花を最前列のお客さんに手渡す曲です。
今日も花を持っているようには見えたのですが後ろの席からは見えませんでした。

「いつも東京で応援してくれてる皆さまが4人、ここにいらっしゃいます。」
大きな拍手のあとにエナさんが「勇者」と呼ぶ東京からの遠征組4名が紹介されます。
4名のうち3名は北海道にゆかりのある方、1名は大阪出身(私)、ということまで。
よくまあそこまで覚えておられる、と思います。

私の番がきて紹介されたあと、隣の女性が「遠いところをありがとうございます、叔母です。」と小声で話しかけてこられました、ビックリ。

セブンイレブンで仕事をして帰る道で夜空に煌めく星たちに励まされた曲。
セブンイレブンで働いていたからこそできた曲「星が鳴る道」。
辛いことや悲しいことがあっても小さくてもいいから幸せを一つでも見つけてほしい、という元気曲、励まして勇気をくれる曲です。

「最後の曲になります。」

「え~~~っ!」

中標津でも同じ流れなんですね、お約束のやり取りです。笑

近くの釧路が「世界三大夕焼け」ということで車で2時間の中標津も夕焼けが素晴らしい。
自然が美しい中標津で生まれ育ったことの幸せを切々と話します。

そんなMCから「オレンジ色の夕焼け」。
お店の中が夕焼けでオレンジ色になりました。
個人的にエナさんのバラードの中で一番好きな曲です。
シンプルな演奏でエナさんの歌声がお店の中いっぱいに広がります。

歌い終わり大拍手の中お客さんから花束を受け取り一旦楽屋へ戻ります。
拍手も止まないまま引きつづきアンコールが始まってすぐにエナさんが再登場です!

サポートメンバーを一人ひとり紹介しながら呼び込みます。

「いろんな思いをもってここに来たんですけど逆に皆さんに助けていただいた気がします。」

故郷のことを歌った「リンドウの街」。
中標津の町の花である「エゾリンドウ」、故郷を出る時の思い、離れてわかった故郷のありがたさ。
聴いてくれる人の悲しみに寄り添えたら、そんな思いで作った曲です。

最初に歌った「サヨナラの音」の途中で泣いてしまったので歌いなおしたい、と言うと大きな拍手が。

中標津で育ち、上京し、迷い、音楽と出会い、ここに帰ってくるまで。
音楽人としての自分を丁寧に話した今日のMC。

最後は笑顔でしっかりと歌い上げて鳴りやまない拍手に見送られてライブは幕を下ろしました。

ライブが終わって帰り支度をして帰る人たち。
エナさんに言葉をかける人たちが列を成します。

中標津在住のエナさんのファン仲間である「搾郎さん」と初めてお会いし雑談をしながら列に並びます。
並んでいる間にサポートメンバーの皆さまにサインをいただき、エナさんにもサインしていただいて、勇者だけに用意されたお土産を手に会場を後にしました。

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興奮で眠れないベッドの中で、覚えている範囲でメモを書き残します。

翌日はチェックアウトした後に野付半島に向かいました。
エナさんのブログで見た「海にかかった一人分の幅の橋」を見たかったのですが結局わかりませんでした。

そのまま中標津市街に戻って、エナさんお勧めの「根室花まる」で昼ごはん、どのネタも新鮮で美味しかったです。

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滞在時間24時間でそこそこタイトなスケジュール、費用もそれなりにかかったのですが行ってよかった。

本当に行ってよかった。

次に中標津に来るのはエナさんによる「星空ライブ」だと嬉しいな。

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数えてみたらエナさんが中標津凱旋ライブの告知をした日までに、私がエナさんのライブに参加したのは5回、物販で話をしたのは2回だけでした。
よくもまあ、そんなファンになりたてのアーティストの北海道での凱旋ライブに行ったなあ、と今更ながら。笑

それまではせいぜい関東近郊、神奈川、千葉、埼玉、それも東京寄りの場所にしかライブを観に行くことなんてなかったのに。
いま思い返したらめっちゃ不思議です。

この中標津凱旋ライブに参加できたこと。

この素晴らしいアーティストであるエナさんと出会えたこと。

そしてこれからもその歩みを見届けられることへのワクワクする気持ちに感謝をこめて。

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「北海道中標津町ライブ 私の地元@ジンギスカンそら」
エナ(ex.riry*mona)

2016年11月6日(日)18:00開演 18:30開演
知床ジンギスカンそら
前売2500円(1ドリンク込み)

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[ サポートチーム ]
Key.はらかなこ
Gt.大和田亮
Perc.小久保里沙
Cho.まつもと尚こ

[ セットリスト ]
1.サヨナラの音
2.片目に涙
3.真夜中のファミレス
4.アイイロ
5.ソーダライト
6.ゆらゆら
7.星が鳴る道
8.オレンジ色の夕焼け
<アンコール>
9.リンドウの街
10.サヨナラの音(歌い直し)

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