220731「どういう人生を、送りたいですか」

「どういう人生を送りたいか」という問いに悩んだことはないだろうか。

私が10代の頃は、回答に困って「35歳になったらヨーロッパに住みたい」と答えていたものだ。
理想の人生、なりたい姿を描いたとしても、なるようにしかならないというのに、どうして大人が子供に夢を語らせられるというのだろう。

音楽や表現の道に進みたかった私が進学した大学で学んでいたことは、社会学だった。
広告マンになりたいと思って大学生活を過ごした私は、就職活動で全滅し、新卒で入社した会社では携帯販売をしていた。
やりたいことや、なりたいものに向かおうと襟を正したとて、簡単に道を進む環境を整備できるわけではない。
道を阻む障害は、例えば周囲の大人であるとか、その対象の難易度の高さとか、自分自身の甘さ、ゆるさや物事への理解度の低さだとか、様々あれど、乗り越えられなかったことをのちのち思い出したときに、過去の自分を呪ってしまいたくなる。
努力しなかった、努力ができなかった。
「今回はうまくいかなかったんだから、次に努力する機会に当たったら精いっぱい頑張りなさい」という助言に耳を傾けられなかった。
何度も失敗して、何度も後悔しないと、私にはわからなかった。
賢い子供のはずだったのに、自分のことを考える過程で賢くなれなかったのだ。
私の場合、大人になってから、大きく反省する機会と時間があって、今度は時間と考えるための余裕をかけて、今の大きな目標に向かっている。
少しは賢くなれただろうか。

私は、人に感謝して、人にうまく頼りながら、それでも自分で道を切り拓く人生を送りたい。

ちなみに、ヨーロッパには今でも「できれば住みたい」くらいに考えている。

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