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カジノを破産させた攻略法「モンテカルロ」:ガチ理系の俺の興奮と熱狂と欲望

高学歴の俺がクールな賭けの戦術でカジノを叩き潰してみせる。ガチ理系の俺は高い高揚感に包まれた。先日、あるネットの記事を見つけた。そこではモンテカルロ法というギャンブルの掛け金の落とし方を解説していた。このテクニックは、かつてカジノを破滅に追い込んだことがあるらしい。そして記事ではコンピューターを使って資金が少しずつ上昇していく様子をシミュレーションしていた。

自称ギャンブラーが書いた記事ならここまで興奮はしないだろう。しかしその著者の職業はプログラマーで、検証可能なようにソースコードを公開していたのだ。ソースコードに間違いは認められない。これはおもしろい。ギャンブルをやってみたい。自分は行動を開始した。まるで性に興味を覚え始めた少年が初恋の同級生に近づくように。

少年になったガチ理系

少年の心に戻った自分がまず理解することはモンテカルロ法のルールだ。この方法は2倍配当(奇数偶数、ルーレットの赤黒、つまり1/2の確率で勝つ)のゲームで有効とされているようだ。そして以下のようなルールで掛け金を投下する。

1.[ 1 , 2 , 3 ] と数字を横に書いてスタートする。
2-a.常にベット額はいちばん左と右の数字を足した額とする。つまり最初のベットは4円(単位は何でもいい)
2-b. 勝った場合は両端の数字を削除 [ 1, 2, 3 ] --> [ 4 ]
2-c. 負けた場合はベット額を右端に追記する [ 1, 2, 3 ] --> [ 1, 2, 3, 4 ]
3. 2-a, 2-b, 2-cを繰り返し、リストの数が1個または0個になったら終了

難しくないルールだけど、どうしてこれでうまくいくんだろう?

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プログラマーたちの検証結果を見ると、「勝つケースが多く見られた」とされる報告が多い。しかし資金が落ち込むときはその振れ幅が大きいようだ。YouTubeの動画もいくつか見てみた。本当にモナコ公国まで飛んでモンテカルロ法を試して見た人もいた。彼らは口々に言う。「資金が無限にあるなら勝てるけど、大抵の人はそんなに大金持ちではないから慎重に」。そんなもんなのかなぁ?

この数列はすごい!!

小さい資金量で考えてみよう。カジノに15円しか持っていかず、ルールに則ってプレイしてみたとしよう。こうすると資金はすぐに尽きるので、とりあえず全パターンを見通すことができるはずだ。根性を出して樹形図を書いてみた↓

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bet=1の行に到達する確率は1/2, bet=2が1/4, bet=3が1/8と減少していく。ということは、
* 勝利で終われる確率は 1x1/2 + 1x1/8 + 2x1/16=0.75
* 資金が尽きて終わる確率は 1-0.75=0.25

となる。なるほど面白い。モンテカルロ法が提案した数列に倣えば勝利で終われる確率は圧倒的に高いのだ。そして手持ちの資金が少し元の資金を超えた時点で撤収するよう設計されている。一方で負けで終了するにはほぼ全額を失うというリスクを背負う。

つまりモンテカルロ法は数字の魔法で、もともと50:50で勝ち負けが決定するゲームのリスク・リターンを歪める効果を持つのだ。

(以降、Pythonを使ってモンテカルロ法の有効性を検証しています。有料設定していますが払い戻しが効くので興味のある方は御覧ください)

悪魔の一面を見せた初恋の子

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