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忘れるなんて一番苦手 記憶するより

櫻坂46/ジャマイカビール

とは良く言ったもので、実際忘れたいことほど脳内にこびりつく。けれどもなぜか、忘れたくない覚えていたいことほど溶けていく。
今晩久しぶりに少し前の記憶を掘り起こして、その大切さをあらためて実感した。

8月24日。
夏の暑さがまだ残る、それはそれは生暖かい日だった。
深夜2人で、彼の住むわたしの知らない、これからわたしの住む(住んでいた)土地を散歩した。
40分ほど歩いたところで、ポツポツと雨が降り出し、次第にそれは大雨に変わっていった。"エモ"になりたくなかったから、雨の中を走ったりはしないで、ただ手を繋いで歩いていた。
たどり着いた最寄りのコンビニに入り、冷房が効きすぎていることに文句を言い、雑誌コーナーを横切ったあたりで、「どうしよう。笑。わたしってどうしたらいいですか?笑」といつもみたいに冗談めかして言ったら、真面目な顔で
「ぼくの傍にいればいいよ」

って呟いたきみのこと、ずっと忘れたくない。
忘れたくなくて抱きしめておきたい記憶ほど、消え去ってしまうんだよな。残酷なほどにね。
きみには覚えておきたいわたしとの記憶ってあるかな、いつか聞かせてね、忘れてなければ。
とにかく今は、永遠より長いこんな一瞬がいつまでも続いたらいいなと思う。
あの頃、たしかにわたしたちは存在したんだ。

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