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滴る雫を拭った気になれない。
居場所がよくわからないまま七月になった。

蟠る。
誰にとっての都合を優先するべきなのだろう、そんなどうだっていいようなことがわたしの中でとぐろを巻いている。

わたしはいつだって傷つきたくないだけで、だけどそれと同時に誰かの悪者になんてなりたくなくて
もっと、嘘をつくことも誰かを蔑ろにすることも辞さない程の強さがわたしにあればいまより少しは楽だったろうに。
誰かに守られて生きていくのが私の幸せか?って
答えの出ないことなんてとうの昔にわかっているのに、それでもまだ追い求めてしまう。
私に幸せは似合わないよ。

13時、目を覚ました。
今いるこの部屋は東向きだから、カーテンさえ締め切って仕舞えば昼間でも真っ暗になる。
あーあこの部屋にいると一日の区切りがわからなくなる、とか思いながら重い身体を起こした。
まだ知らない人の気配がする。
当然だ、ここは同居人が元恋人と暮らしていた家だった。
ここに居ちゃだめなような気がするんだ。わたしは何も出来ないから。
わたし嫌な子だからさ、おうちにひとりのとき、押し入れに入ってるダンボールの中身とか知りたくなっちゃうの。
奥の方に押し込められた女物の服やピンクの巾着に入ったアダルトグッズの数々とか、そんなもん見たい訳無いじゃんね。
そういうの見ると、やっぱりここはわたしの居場所じゃないなと思う

別に そんなのわたしに関係ないか
まだ知らない人の気配がする
この部屋で目を覚ますのは、まだ、慣れない

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