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時効録:新宿のホテルで女の首を絞めてました

時効録とは
「これ昔の話だし関係者みんな垢消してるから書いてもいいかな…」という出来事を備忘録に準えて””時効録””と呼称しました。
俺はノンフィクションの気持ちで書いていますが、年数が経過しているためうろ覚えな箇所もあるので皆さんは半分フィクションの認識で読んで頂ければと思います。
「時効録」について特に起源主張しませんので皆さんどうぞご自由にお使い頂き、バンバン過去の体験談を公開してください。


超要約

ないです。タイトルのまんま。


本編
2017年のいつか、俺は歌舞伎町のラブホテルで、馬乗りになりながら女の首を絞めていた。彼女は息苦しそうに、ただし、か細い声でこう言った。

「違う」


──2017年、俺は大学卒業後に無事既卒無職となり日々自宅と図書館を往復する大正時代のニートみたいな生活をしており、無駄に時間だけはあったので格安夜行バスで東京へもよく出没していた。大正時代のニートというか、無駄に活力はあったので、二・二六事件を起こした人たちみたいな感じだろうか。失礼かもしれない。ともかく普通に美術館や博物館へ行っていたのだが、某SNSで知り合った人たちともよく酒を飲んだり色々していた。

もうきっかけや経緯は本題ではないのですっ飛ばすが、某SNSで知り合った女性と新宿で酒を飲んでいた。20代で看護師をしているとのこと。一軒目でお酒もそこそこに、二軒目で互いに酩酊し大体お決まりのやりとりをしてホテルへ向かった。

ホテルでお互いシャワーを浴びて適当に談笑した時、彼女からこう切り出された。

彼女「お願いがあるけど、いい?」
おれ「いいよ!」
彼女「(行為中に)首絞めて欲しい」
おれ「いいよ!」
彼女「そのあとやさしくして欲しい」
おれ「わかった!」

いつものように脱線するが、俺は男女問わず対面で相手から提案されたことに対してはなるべく脳死で「いいよ!」「わかった!」と即答するようにしている。なぜなら「え…」とか「う~ん」とか渋った回答をしても良いことはほぼ何もないから。

話を元に戻す。今振り返れば完全にメンヘラ地雷原を突っ走っていたのだが、俺特有の謎の無敵感覚もあって普通のコミュニケーションの認識でつつがなく接していた。

彼女の首を絞めよう。俺には経験はないが。俺は彼女の首の真ん中あたりに手を置いて、緩やかに体重をかけた。そして冒頭に戻る。

彼女「違う」
おれ「え…?」
彼女「手はこっち(上へ誘導)」
おれ「そっか」

曰く、本来の首絞め〇〇〇は頸動脈を締め上げて突然朦朧状態になるのを楽しむ(?)もので、一回当たりのサイクルはだいたい10~15秒らしい。ただ巷では動脈と気道が中途半端につぶれ、鬱血と酸欠に1分間ほど苦しむタイプが市民権を得ているとのこと。彼女はこれに対してやや憤慨していた。俺としてはどっちでもいい。

本記事をお読みのみなさん、まず首の真ん中あたりに手を置いてセルフ首絞めをしてください。どうでしょうか?苦しいですが、ぶっちゃけると思っていたより…ではないでしょうか?それではお次は上の画像を参照し頸動脈を思いっきり締めてください。どうでしょう。

ウェー!!!ウッ!!!ハアハアハアハアハア…。

…はい。そこから、彼女の俺に対する首絞め指導が始まった。重要なのは首を抑える位置と、「面ではなく点」の意識らしい。想像より難易度が高い。こっちは腰も振っておりY軸の定点固定ができないからだ。人間の身体の運動でX軸とY軸を同時制御するのは意外に難しいのだなと思ったことを今でも覚えている。俺はX軸だけでも制御を放棄したかった。

おれ「あの…」
彼女「なに?」
おれ「挿れてる必要ある?」
彼女「あるよ」
おれ「そっか」

ダメらしい。引き続き俺は彼女の首…というか頸動脈を絞める。彼女は今にも死にそうな表情をしている。10秒ほど経ったら手を放し、彼女は必死に酸素を肺へ取り込む。それを俺は真顔で眺めて、彼女は俺を見て「もっかい」と言う。これを何回か繰り返した。

彼女「忘れてるでしょ」
おれ「???」
彼女「やさしくする」

曰く、行為中に思いっきり首を絞められた後にやさしい言葉をかけられながら抱きしめられると「しあわせ成分」(諸事情でボカしています)が脳内で分泌され最高に幸せらしい。

DVじゃねーか。


彼女の首を絞める→彼女が死にそうになる→手を放す→抱きしめる→優しい言葉を言う(最初は彼女の演技指導が入った)→突き放す→接○する→優しく撫でる→以下略、を何回繰り返しただろうか。傍から見たら異常だろう。

これ書いていて俺自身が「キッショ!!!」と悶絶している。しかし事実であり自分のことだから受け入れるしかない。タイムマシンがあれば殴りに行きたいが、そうするとホテルへ行けなくなるので悩ましいところだ。誰だよ「時効録です」とか言ったやつ。俺か。これ新種の自傷行為だろ。22歳の若気の至りってことで皆さん流して頂けませんか?27歳独身彼女無しからのお願いです。

後半、下半身の持続力も限界を迎えたので「もう無理っす」とギブアップした。しかし首絞め指導は続く。引き続き俺は馬乗りしながら彼女の首を絞めていた。彼女から次に指導されたのが「締め上げる」と「締め下げる」かの使い分けだ。なるほど。音楽でもフォルティシモとピアニッシモがあるように、首絞めにも似たようなのがあるらしい。これを書くと長くなるし調べたら首締め○○○の有料記事もあったので割愛する。

彼女「だいぶ上手くなったよ」
おれ「ありがとう」
彼女「わたし以外の首、絞めないでね?」

「好き好んで首を絞められたがる女なんていねーよ」と当時は思っていたが、現在はその認識を改めている。詳細については現在書くことができない。このnoteも半ば命の危険を””賭して””(として)書いている面もあるので。(ヤバイ女と沢山交流してるアピールじゃないです。念のため)

また脱線した。そんなこんなで、俺は彼女の首絞め講義を履修し朝を迎えた。彼女から「児玉君がしてほしいことある?」と聞かれたので、俺は「首と肩と腕を揉んでほしい」と答えた。首を絞めるのは肉体労働だった。ホテルで朝の報道番組を視聴しながら受けるマッサージは気持ちよかった。

この一件以来、遊んだ女性が色んな「個性」を告白してきても俺は一切動じなくなったし、ドン引きすることも無くなった。

最後まで読んで読んで頂きありがとうございました。

以上

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