舞台『ONLY SILVER FISH』~もし一度だけ"振り返る"としたら…?
1月6日から17日まで新宿・紀伊國屋ホールで上演されていた舞台『ONLY SILVER FISH』を鑑賞、私の誕生日でもある15日の公演を鑑賞しました。
2007年に、西田大輔さんの脚本で上演されたこの「ONLY SILVER FISH」。
10年以上の時を経て、今回の舞台と、3月には映画上映も決定しました。
物語の舞台となる古い洋館。
その屋敷内に置かれた大きな水槽。
その中にはONLY SILVER FISHと呼ばれる1匹の魚がいて、その魚の本当の名前を知ることができれば、一度だけ過去を振り返ることができるという伝説がある。
そんな洋館をパーティー会場にし、集う11人の男女と謎の人物。
彼らに届く不可解な招待状、次々と起こる事件。
特に作品の内容等の予習はせず、完全に初見で鑑賞したのですが、ところどころ笑いも織り交ぜながらも物語が進むにつれてその世界に引き込まれていく感覚でした。
個人的には、リリィが「心の天秤」の話をしていたシーンが見ていて、聴いていて心にずっしりとくるものがありました。
人が相手に対する想いって、必ずしも等しいわけではないですし、むしろ等しくない時のほうが多いのだと思います。それは頭ではわかっていることだけど、知りたくなるし等しくあって欲しいと願ってしまうもの。
本当は、等しくても等しくなかったとしてもそれぞれの感覚によって異なるものですし、お互いがちゃんと心地よく思い合っていればそれで良いはずなんですよね。
このリリィを演じていたのが双松桃子さん。
ジェフの試合ではアキュアマーメイドのメンバーとして一緒にジェフの選手の戦いを後押ししてくれていることもあって、そのご縁での今回の舞台鑑賞でした。
フクアリの時とはまた違った様子が見られ、素敵な演技を見させていただきました。
さて、この作品のテーマでもある「一度だけ、振り返ることのできる過去」。
私だったら、いつになるだろうか。
ただ、「振り返る」ことはできても「戻る」ことはできないのかもしれませんし、仮に戻ることができたとしても、振り返った後の現在までをやり直したとしても、より良いものを作れるのか、結局同じことを繰り返すのではないかなとも思ったり。
結局は、実際には振り返れないからこそこれまで積み重ねてきた過去が自分の今を作っていて、そして今からの自分が未来を作っていくのだから、今からでも日々を丁寧に積み重ね、理想の未来に少しでも近づけていこう。
そんなことを改めて考えた、この「ONLY SILVER FISH」鑑賞でした。
3月の映画では、出演者は同じものの配役がガラッと変わるとのこと。
映画もスケジュールを調整して、見に行きたいと思います。
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