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AL「結束バンド」ディスク紹介

結束バンドのファーストアルバム「結束バンド」の全曲紹介です。

「え?今更かよ?」って?

そうです。今更です。

何を隠そうこの私、AL「結束バンド」
をこの1年間聴きまくっておりました。

その結果、2023年Spotifyで最も再生したアルバムでしたから。。。

Spotifyの連携アプリ参照

そして、結束バンドって昨今の「邦ロック(≒ロキノン系譜)」を包括する重要な存在だと思うんです。(持論)

アルバム「結束バンド」に対する解像度が高まり重要性を知った今、その魅力を皆に伝えなければ!という使命感に駆り立てられ、執筆に至りました。

各楽曲については時折、アニメ本編とも関連付けながら語っていこうと思います。

アニメ未聴の方にも体験してほしいアルバムですので、ちょっとしたディスクガイドだと思って
ぜひご覧ください。



M1.青春コンプレックス

アニメ本編そして、アルバムのオープニングを飾る楽曲。OPにふさわしい疾走感あるナンバーで「アニソンでありながらしっかりオルタナティブロックをやっているぞ。」という結束バンドの名刺代わりになるようなナンバーではないでしょうか。実はこの曲ベースラインが秀逸で、特にバンド経験者にとっては裏のグルーヴ感が堪らなく気持ち良いはずです。主人公の後藤ひとりを象徴するような歌詞と力強いメロディーに気をとられがちですが、是非リズム隊の動きにも注目してほしいです。

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」OP映像 
※結束バンドはサイケバンドではありません。

M2.ひとりぼっち東京

1曲目がアッパーなナンバーだったのに対し、空気は一転。どちらかといえばインディーロック的なアプローチの楽曲です。それでも歌詞は高校生らしい日常感あふれるものとなっており、あくまで等身大。東京について歌うアーティストは本当に多いですが「邦ロック」を包括するのであれば避けては通れない道です。

うむ。

M3.Distortion!!

ギター・ボーカル:喜多郁代のキャラソン。KANA-BOONの谷口氏が楽曲提供しているということもあり、もろに10年代のポップロックそのもの。この曲の凄いところはアニソンとしての質を担保しながらしっかり音楽的に遊んでいるところ。自然すぎて最初は気づかなかったけど、Bメロ‐サビあたりで転調してるんですよね。こういう転調ってあまり知らないし、邦ロックならではだと思います。

M4.ひみつ基地

ユニゾンスクエアガーデンやないか!もろに斎藤さん歌ってそうやん!
というのが最初の印象。今もその印象は概ね変わってないのだけれど、この曲がアルバム曲な(本編でも使用されていない)のが怖い。
このクオリティー水準こそが「結束バンド」が絶対的な名盤とされる所以でしょう。
これがアルバム曲なんですかぁ!?

「夜更かし お寝坊 ダメ絶対♡」

M5.ギターと孤独と蒼い惑星

Aメロの前のめりなバスドラがとても初期衝動的。敢えてこういうミックスにしてると思うんだけど、これがアニメのライブシーンで映える。
展開がとてもジャパニーズパンク・ラウドのそれ。そんな界隈もしっかりカバーしちゃう結束バンドです。アニメにおいては、メンバーのコンディションが悪く、前半はもたついた演奏をするんですがそのズレ具合がまたリアルなのでよく聴いてみて欲しいです。

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」 第5話「飛べない魚」より

M6.ラブソングが歌えない

これがアルバム曲なんですかぁ!?(2回目)
結構攻めなドラムと低音ボーカルがいいですね。
なんでこれがアニソン(?)として成立しているんだろう。そして、終始ハードなギターが鳴っている。リフはWOMCADOLEっぽいな〜なんて思いました。ギタリスト的には、コピーしたくない曲TOP3には入ります。

M7.あのバンド

名曲。みんな大好き。
やはり思い出すのはあのライブシーンですよね。
ぼっちちゃん覚醒。
からのズーーーーンジャジャッッジャ!
すごくライブハウスする映えする曲だと思います。各パートの押し引きや、展開がパンパン変わっていくキレが魅力なんだと思います。cinema staffのアプローチに近いかなぁと思いました。

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」 
第8話「ぼっち・ざ・ろっく」より 

M8.カラカラ

ベーシスト:山田リョウのキャラソン。
山田リョウというキャラクターには音楽的な素養があるという設定なので、かなり個性的で変化球な楽曲になっています。イントロから変拍子だし。各パート複雑に絡み合っているので聴く度に発見があります。いわゆるスルメ曲というやつ。

M9.小さな海

これがアルバム曲なんですかぁ!?(3回目)
ギターのアルペジオが響く静かなイントロからスタートし、フィナーレに向かってバンドアンサンブルでどんどん盛り上がっていくナンバーです。
めっちゃ拡大解釈したら「UKロックのそれ」
(いや急にUKかよ。)
僕が結束バンドのプロデューサーなら、この曲はライブの1曲目に配置しろと言うでしょうね。

M10.なにが悪い

ドラマー:伊地知虹夏のキャラソン。
このアルバムで最も多幸感溢れる楽曲です。
the peggiesの北澤さんが楽曲提供しており、まさに正統派ガールズバンドナンバーに仕上がっております。ロックアルバムにこういったエッセンスが加わるからこそ、アニソン性が担保されるのだと思います。アルバムにおける楽曲の配置も絶妙です。

M11.忘れてやらない

アニメでの学園祭ライブ1曲目を飾る疾走感溢れるナンバーです。イントロの[ドラム&リードギター]に[ベース&リズムギター]が加わっていく流れが個人的に好きです。こちらも「なにが悪い」につづきストレートなガールズロックで、純粋な音楽の楽しさが伝わってきます。

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」 
第12話「君に朝が降る」より 

M12.星座になれたら

学園祭ライブ2曲目。機材トラブルに見舞われるシーンですね。すげー!こんな曲もあるのか!と振れ幅にびっくりした初見。
ロックに接近したファンク的なアプローチの楽曲で、アルバムの中でも異色を放つ存在です。ゴリゴリのスラップベースやワウワウなギター。やっぱテンション上がりますね。高校生がソングライティングしている(設定)とはとても思えませんが、メロディーがしっかりポップでノリやすいので、小難しさはありません。このバランス感覚。

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」 
第12話「君に朝が降る」より 

M13.フラッシュバッカー

個人的にイチオシの曲です。アニソンとは思えない陰鬱な歌詞で、エフェクトのかかったドラム、歪みまくったギターが最高です。アニメでは後藤ひとりの「ネガティブ」や「陰キャ具合」がコミカルに昇華されていますが、この曲では後藤ひとりの「リアルな影」がしっかり表れている。
そして学祭ライブで描かれなかった「3曲目」がこの曲であれと願っている。

M14.転がる岩、君に朝が降る(ASIAN KUNG-FU GENERATION カバー)

アニメ最終回のエンディング曲。
実は「ぼっち・ざ・ろっく!」の設定はASIAN KUNG-FU GENERATIONの影響をかなり(かなり)受けており、この楽曲もアジカンのカバーなんですよね。ボーカルは主人公の後藤ひとりなんですが、自信なさげな声で

何をなくした?
それさえもわからないんだ
ローリング ローリング

歌詞一部抜粋

君の孤独も全て暴き出す朝だ

歌詞一部抜粋

と歌うわけですよ。もはや必然ですよね。

曲のリリースが2008年で、結束バンドverはキーを上げるだけでなく要所要所でアニソン的なアレンジが施されています。
大胆に変更している部分もあるのでぜひ聴き比べてみてください。

TVアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」 
第12話「君に朝が降る」より 


まとめ

今回はディスクレビューという形で結束バンドの魅力を語ってみました。
結束バンドの凄さをまとめると、

「00~10's ロキノン系譜の邦ロックをアルバム1枚で網羅」

「アニソンをオルタナロックと結びつけてヒットさせた」

ということ。
邦ロックに興味がないけど。とりあえず手はつけておきたい人は「結束バンド」を聴いてください。網羅できます。(多分)


参照:
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%90%E6%9D%9F%E3%83%90%E3%83%B3%E3%83%89_(%E3%82%A2%E3%83%AB%E3%83%90%E3%83%A0)


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