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第5章 屋根をつけたい


パトリック農園を見学し、リフを日帰りで見学し、リフ島から最終便で帰ってきて、ヌメア市内のホテルですぐさま眠りにつく。
よっぽど疲れていたのか、記憶がなくなるくらいスッと深い眠りについた。

翌日の予定はニューカレドニア本島のもう一ヶ所のバニラ園に安藤さん夫妻に連れてってもらった。

エリックさんの身内の人がやっている農園

ヌメアから2時間くらいでしょうか。
こちらも、信号もない林の中をひたすら進む。

左の方がエマさんと言うエリックさんの身内の方。
右のだるまを持っている方はマリージョさんと言うエマさんの妹さん。

エリックさんの身内のエマさんという方が、今回紹介してくれた。
紹介も何も、エマさんの妹さんがご主人とやっている農園なので、歓迎ムードで出迎えてくれた。

私も日本からお土産で煙草とダルマとお菓子を持ってきた。

マリージョさんにダルマの目を書いてもらう。
なぜ目を描くのか。を安藤さんに通訳してもらった。


どんな願い事をしたのかは分からない。
次行くときにもう片方も目を描いていれば成就したのだろう。

エマさんにはご主人がいる。
ご主人は国立公園のチーフをしているとか。
9月にいった際に国立公園を案内してくれるそう。

マリージョさんのご主人。
公園を管理されてるだけあって庭はとても手入れされて綺麗だ。

バニラの栽培は商業的ではない。

彼らは、今まで見てきた農園と違うのは商業的にバニラを栽培しているわけではなかった。
そのためクリーンルームのようなところもなく、商品を袋詰めするようなところもない。

近所の人に出来上がったものを配っていたり、自分たちように使っていた。

さらに彼らはバニラだけではなくコーヒーやマンゴー、パッションフツーツなど、南国でよくみられる果実なども栽培していた。

しかし時期によっては実がなったりならなかったり。
日照が足りない、雨が足りないなど色々理由もあるらしい。
バニラも例外ではない。
現に他の農園では見られなかった白い斑点のある株もあった。

マリージョのバニラ畑

その広い土地、多くの株を植えられることから市から、何度か商業的に作ってみないか?との誘いもあったとか。

彼らは是非やりたいという返事だったそうだが、できない理由があった。

良いバニラを作るには設備投資が必要

畑の場所を変え、もっと日が当たる場所に。
雨や風を避けるため野晒しになっていた所に屋根を作ってバニラを守りたい。

しかしそれをやるにはお金が必要だ。
市からバニラを作って売ろうと言う話もあったが、設備投資に少し協力できないかという話を持ちかけてそれっきりだったという。

今まで自分たちのため、近所のために作ってたバニラを不特定多数の人に届けるにはそれなりのクオリティも求められる。

商品として届けるのであれば形・重さ、香りなど厳しい規格をクリアしなくてはならない。

分けてもらった去年のバニラ

帰り際、彼らの去年加工したバニラをアルミに包んで分けてもらった。
正直、形は悪い。
余物だから。と言うのもあるが、裂けてしまってるものもある。
これは乾燥させすぎるとそうなるようだ。

ただ、香りはめちゃくちゃいい。
裂けてしまってバニリンが露わになってるからかもしれないが、こんな少量でも甘く芳醇な香りが部屋全体に広がる。

これが私の絶望から希望に少し変えてくれた。

左が市販のマダガスカル産バニラ。
右がマリージョのバニラ。

市販のものと比べても香り、大きさともに上回ってる。
ちなみにどちらもプラニフォリア種。世界のバニラ市場で一番出回っている品種だ。

重さでそのバニリンと言う黒い粒々の含有量が大体わかる。

写真のものは市販のもの。一般的な重さだ。
マリージョのバニラも測ったのだが、写真を撮っていなかった・・・
信じてもらえるか分からないが、重さは12gほどあったと記憶する。

モノは良いのに勿体無い。
どうしたものか。

思いつきではあるがあることが頭に浮かぶ。

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