Oct.7

Effects of Prior-Knowledge on Brain Activation and Connectivity During Associative Memory Encoding


Zhong-Xu Liu, Cheryl Grady, Morris Moscovitch
Cerebral Cortex, Volume 27, Issue 3, March 2017, Pages 1991–2009, https://doi.org/10.1093/cercor/bhw047

新たな関連付けというのは、知識体系を形成する上で基幹的なプロセスである。脳のレベルでは、事前知識が新たな関係性の獲得にどのような影響をおぼよすのかはまだ完全に調べられていない。複数事象の記憶生成過程についての近年の認知神経科学の知識に基づくと、主にvmPFC、anterior temporal pole、Hippocampusにおいて、事前知識が更なる評価、意味記憶またはエピソード記憶の生成過程を誘発し、新たな記憶形成を促進していると仮説だてることができる。これを示すために、我々は20人のヒト被験者をもちいて、新規の家の画像と、有名人もしくは一般人の顔を関連させるタスク中にfMRIで脳活動の計測を行った。行動実験の成果からは、事前知識が関連記憶に有益な影響を与えていることが分かった。また、脳のレベルでは、vmPFCとHPCおよびparahippocampal place area(PPA)、fusiform face area(FFA)が有名人の顔が提示されたときに強い活動をみせた。また、vmPFC, aTPL, HPC, and PPA は被験者がその有名人に強い感情や記憶を想起したとき、また顔と家の関係性を後で思い出したときに強い活動を見せた。脳回路解析ではHPCとvmPFCの繋がりが有名人であるときに、一般人であるときより大きな役割を担っていることが分かった。以上より、これらの結果は、追加の知覚的、評価的、または関連した形成過程を採用することによって、事前知識が新たな関連付けの形成を促進していることを示唆している。

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