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ジャケットデザインについて、デザイナー進藤一茂さんの「ウラ話的視点」とともに。

新作"終わりとはじまり" の、ジャケットデザインについて。

2013年のアルバム「ねむるねこ」からお世話になっているシンドウくんは、

いつも、

わたしの、うまくことばにできないようなデザインへの希望を、

根気良く丁寧に汲み取ってくれて、

それを美しいかたちにしてくれます。

本当にいつもありがとう。


今回も、表1候補で送ってくれたいくつかのイラストの中で、

ひと目惚れしたものを選ばせてもらいました。


曲順も決まって、配信サイトに登録まで済ませたあと、

しばらく経って、

曲順は本当にこれでいいのだろうか?

このジャケットから想像する世界と、かけ離れた曲順になっていないだろうか?

と、

この絵が素敵すぎて、

すごくすごく考えはじめてしまった。


その結果、

すでに登録していた曲順のものをいったん取り下げて、

改めて考え抜いて、また同じ登録費用をかけて、再登録することにしたのでした。

(マスタリングもやり直してもらったり、大変ご迷惑をおかけしました!)


ある意味、この絵に引っ張られて、

もっともっと良い作品になるんじゃないか、という気持ちになったのです。

シンドウくんに曲順変更の相談をしたら、

良いと思う!と言ってくれたので、

それも後押しになりました。


今のサブスクとかの流れでは、もしかしたら、曲順とか、曲間とか、そんなにあまり重要ではないのかもしれない。

でも、わたしにとっては、とてもとても繊細で、大切なことなのです。(つくる人はみんなそうですよね)

それは、手に取ることのできる、CDというかたちについても。


ジャケットの質感や、

歌詞カードの紙質や、文字のフォントの種類にまで、あれこれ細かく希望を伝えたりするし、

シンドウくんには面倒な思いもさせちゃったりしてるかもだけど、、

でも、おかげさまで、またひとつ、

じぶんのお気に入りの作品ができました。

どうもありがとう。

そして。

そのシンドウくんからの、今回の作品についてのメッセージが届いたので、

お届けします。


デザイン担当:進藤一茂さんからの"ウラ話的"視点

**

ジャケットのデザインをする場合、大抵、着手するときにはまだ中身(音)は完成していません。

ラフミックスと言って、完成手前の録音を送ってもらって、それを聴きながらイメージを膨らませます。

「大体これで決まりです」と送ってもらった音源を聴いて、最初に感じたのは「うわー、バンドサウンド!!」でした。

イノトモちゃんと僕は、子供が同級生で誕生日も近く、出会いのきっかけは子育てでした。共通の友人も多くて、仕事以外の付き合いもあります。

なので、昨今のイノトモちゃんに通底するムードみたいなことは、なんとなく感じているつもりでした。

それは、僕の投稿で書いた、オトナのもにょもにょと、喜びと希望、みたいなことです。

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そのムードは言ってみれば「独り」な感じ。みんなでワイワイするのではなく、そうだなあ、広い空にひとり浮いて森を見下ろしているとか、そんなイメージです。

今回のアルバムも、前作「丘の向こう」の世界をさらに深化させたものだろうと直感していました。

それなのに、届いた音の第一印象は、明るくて楽しくて、外向きのイメージでした。

僕はかなり驚いたので、直感していた「独り」のイメージではなく、音からくみ取った外向きのイメージでデザインをしました。イノトモちゃんがそのような意図でアルバムを作ったのだろうと思ったのです。

ところがこの案は(やっぱり)ボツになりました。

こんなことを言うと営業妨害になってしまうかもしれませんが(笑)、イノトモちゃんはめちゃめちゃ気合いが入ったアーティストです。自分の直感の中にすべての答えが入っています。小手先の作戦とか表面的なさわりの良さをまったく受け付けてくれません。

僕が自分の直感を曲げて作ったデザインに、なにか嫌なものを感じたのだと思います。

なので第2案では、もともと感じていた直感に従ったデザインを出してみました。その中から最終的に、皆さんにご覧いただいているデザインが採用されました。

そしたら今度は、イノトモちゃんの方から「曲順を変えようと思う」という相談がありました。

アルバムの曲順って、ものすごく大事です。とくに1曲目は、アルバムのカラーを決めてしまいます。

イノトモちゃんがもともと持っていたムードとアルバムのカラーが合ってないと感じていた僕には、新しい曲順がすごくしっくりきました。ぜったいにこちらの方が良いと思った。

イノトモちゃんはジャケットを生かした曲順と言ってくれてますが、僕からすると、イノトモちゃんがより研ぎ澄ませただけだと思います。

ジャケットのデザインはCDにとってすごく重要なもので、それだけでも嬉しい仕事ですが、それに加えて、アルバムの中身にまで少し関わることができたこの作品は、とても大切なものになりました。

おわり

**

↑シンドウくん、とても貴重なコメントを、どうもありがとう!!

素敵なイラストを提供してくれたさえちゃんも、いつもどうもありがとう。


わたしのディスコグラフィーのページで、

シンドウくんとのこれまでの作品を見ることができます^^
https://inotomo.net/discography/


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