見出し画像

あの日の事 #6

さくちゃんが転んでしまったあの日の事。(該当担ならびにあの日のあの出来事についてトラウマがある方は読むのご注意ください)

2019年に開催された舞台「DREAM BOYS」。その公開初日公演。2018年に引き続きHiHi Jetsは出演が決まっていたのでとても楽しみに帝国劇場へ向かう予定だった。

そう、楽しみに初日を迎える予定だった。敢えて濁すが、例の件が初日の前夜に起きてしまい、正直HiHi Jetsが予定通り出てくるのか気が気じゃなかった。

大丈夫かな。出てくるかな。笑ってるかな。笑ってなくてもいいから出てきてほしいな。出来たらかっこいい姿を見たいな。今年はどんな感じになっているのかな。ああでもいなかったらどうしよう。

色んな感情がぐるぐるぐるぐる。
そんな思いを抱えて開演し、幕が上がった。

そこにはちゃんと5人がいた。
けれどいつもと違う。なにが、とは言葉にするのは難しいが、とにかく雰囲気が違うのだ。違和感。気持ち悪さ。なんだろう。これはなんだろう。

舞台も中盤に差し掛かって、HiHi Jetsが電飾の衣装に包まれた中で行ったバトンパフォーマンス。その後のローラーパフォーマンス。

ここでひとつ。
個人的に、さくちゃんは常に飄々と淡々としている印象があった。ステージにその日のモチベーションやその日のコンディションが左右される事がなく、常に安定している印象が強かった。どんな時でもさくちゃんはまるで深い海を悠々泳ぐ深海魚かのように、スゥーっとパフォーマンスをする印象があった。それはどこか血の気を感じない、冷徹さをも感じるもので、表情も伴ってお人形のように見える事もあった。でもそれこそがプロ根性でもあり、さくちゃんの個性たらしめるパフォーマンスなんだと思った。

そんなさくちゃんが、パフォーマンスの途中、ステージ上で転んだ。それは見せ場とも言っていい場面だった。

咄嗟の判断で猪狩くんもしゃがんだ。まるで転んださくちゃんを庇うかのように低姿勢でローラーを滑った。

その後しばらくわたし自身動揺してしまって覚えていないけれど、お友達からはさくちゃんはどこか放心状態のように見えたと聞いた。

そうだった。
さくちゃんだって等身大の年頃の男の子だった。
あまりに飄々としているからわたしは見て見ぬふりをしていた。

わたしが見た中で、後にも先にもこんなに目立ったアクシデントがあったのはこれっきり。猪狩くんなんてバンクでお尻から滑ったりパネルに脚を挟んだりびっくりするようなアクシデントが実はあったりするけれど、さくちゃんは本当にそれがない。それがどこか当たり前になっていたけれど、それは決して当たり前なんかじゃなかったんだ。さくちゃんの努力、集中力、プロ根性。それらが集結されてステージでパフォーマンスを披露していたんだ。

そうか。今日であれから一年なんだ。
色々あったなぁ。本当に、色々。
でも、また5人のHiHi Jetsが見られてよかった。

今のHiHi Jetsがわたしは大好きだ。
そう、これはあくまでわたしの記憶の殴り書き。
わたしももう一歩、また一歩。
HiHi Jetsと一緒に前に進もうと思う。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?