夏の思い出 #2

8月2日から始まったサマパラ。コロナ陽性の為、公演開始2日前に優斗の不在が発表された今年の夏。療養期間を終えた優斗は8月10日の公演から復活した。

8月10日。OPで大きなムビステに乗っていた猪狩くんはこれまでに見たことのないような顔をしてそこに立っていた。OPでは優斗が目立つように遠慮気味に。でも確実に嬉しそうな顔を猪狩くんはしていた。たまらないような、どこか笑みを隠すような、五人でステージに立てる喜びを噛み締めているかのような。前半戦ではできなかった楽曲をやるたびに。猪狩くんは全力でパフォーマンスをしていた。

後半戦。きっと五人が本当にやりたかっただろうこの夏のコンサート。HiHi Jetsの曲だけのコンサート。あの手この手で魅せてくれたコンサート。しかしどうだろう。煽りひとつとっても「ああこれだ」としっくりピッタリくる感じ。気付いたら「HiHi Jetsは五人でひとつ」だという確固たるグループになっていたんだ。なんだかそんな事をぼんやり思ったりもした。

気付いたらこんなにたくさんのオリジナル曲に溢れていた。自分達の為だけに作られた曲を抱えて。それだけで、ううん、それだからこそ。こんなにも盛り上がるお客さんで溢れているんだ。

大丈夫。もう、きっと、大丈夫。わたしはこの時にもまたそんな事を思いながらペンライトを強く握り締めていた。

そんな、今年の夏の思い出。