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あの日の事 #1

ごめんねさくちゃん。キントレPrince公演でさくちゃんにムッとした顔をしてしまったあの日の事。

六本木EXシアターで行われていたサマステキントレPrince公演に入ったある日の事。たまたまわたしがいた場所の直線上に当時バックでついていたさくちゃんがいた事があった。

そもそもの話、わたしは歌い踊りながら表情がくるくる変わる子が好きだ。時に感情的な表情でパフォーマンスをする子に惹かれる傾向があった。当時のさくちゃんはその対極線にいるような印象があった。ニコリともせず、ひたすらに淡々とバック仕事をこなす。それがとても色気があって、どこか儚い印象があって、年相応に見えない!と周りでも評判が高かった。

わたしはそんなさくちゃんが正直苦手だった。どこか怖い印象があったからだ。この子は何を考えているんだろう?読めない。全く読めない。冷酷さすら感じる眼差し。力強い眼差しが怖かった。

さくちゃんが直線上にいる時、その視線が落ちたのはまさにわたしがいた場所付近だった。どこを見ているのかも分からないが、それでも目があったような感覚も少なからずあった。

なんとなく。本当になんとなくだけど。
少しだけムッとして。
思わずさくちゃんをそんな顔で見てしまった。
今思えば何をしているのだと本当に反省してもしきれない。

しかしさくちゃんは表情を全く変えずに、いつものように飄々と踊り出した。見てなかったんだ。見えてなかったんだ。わたしは少しホッとした反面、この子にはやっぱり何も届かないのかな?とも不安になった。

そんな罪悪感を抱えている中で、さくちゃんがHiHi Jetsへ加入する事が決まった。

新生HiHi Jetsとしてのクリエ公演。さくちゃんはあの時とは別人かのようにメインに立つ人として一生懸命だったように見えた。バックでのパフォーマンスと、メインでのパフォーマンスは全くの別物のようで、そのもがくようにも見える姿を見て愛おしくなったのをよく覚えている。ああ、わたしはこういうさくちゃんが見たかったんだなと思った。そしてそんなさくちゃんを心底応援したいなと思った。今ではさくちゃんの飄々としたパフォーマンスが大好きだし、そのパフォーマンスこそがHiHi Jetsのアクセントとなっているように感じている。わたしの振り付けの先生はさくちゃんだ。

さくちゃんごめんね。
見えていなかったと思うけれど、あの時は悪気もなく、そして大人気もなくムッとした顔をしまってごめんなさい。
許してくれるかな…。
これからのさくちゃんをたくさんの笑顔で見守らせてください。
大好きです。

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