OW ブロンズタンク脱出論

この記事はブロンズからゴールドくらいのタンクプレイヤーを対象としたものです。リグループなどの基礎的な知識を知っていることを前提します。
長期的な成長には有害である内容を含む可能性があります。


タンクのメタ

2023年1月13日時点でのOverbuff上でのメタ。おそらく母数の問題で多少の入れ替わりはあります
マウガ抜き

統計サイトのOverbuffによれば勝率はハルト、シグマ、ホッグなどが高く、使用率はハルト、D.va、オリーサが抜けています。

グラフ化して赤群、青群、緑群にグループ分け

赤群はニッチで勝率がそこそこのヒーロー、緑群はメジャーで勝っていないヒーロー、青群はメジャーで勝っているヒーローです。
これらのグループに加えて使用率、勝率ともにトップのラインハルトとほぼ真逆のウィンストンでグラフが構成されています。

青群とラインハルトはメタピックと言え、これらのヒーローは盾や自己回復をもつため非常に場持ちがよく、低レート帯でよくある冗漫な当たり合いに高い適性があります。
赤群は使用率が低く勝率も振るわないヒーロー群、緑群はメジャーにも関わらず勝率の低いヒーロー群でアンチピックが劇的に効くこと(ドゥーム、ボール)やラッシュ戦術が低レート帯では発生しづらいこと(ラマットラ、JQ)、スキルのダウンタイムの立ち回りに難があることでこのような勝率になっていると考えられます。

高い耐久力、持続的な火力を持つヒーローは使用率が高くなりやすく、特にラインハルト、シグマ、ホッグなど継続的な火力に対して高い耐性をもつヒーローは勝率も高くなります。
これは冗漫な当たり合いになりやすく、時間が過ぎるだけで発生するミスを拾うことが重要な低レート帯においてタンクのもつ役割がキャリーではなく試合の維持にあるためだと考えています。

試合の段階

OWの典型的な試合はいくつかのウェーブによって構成されます。それぞれのウェーブは時系列順ににらみ合いエンゲージ本当たり(残党狩り)の段階に分けられ、試合を維持するためには各ウェーブの要素をある程度の水準で行う必要があります。このうち、ブロンズ帯のタンクが改善すべき段階はにらみ合いエンゲージです。

にらみ合い

多くの場合は中遠距離で行われる軽い撃ちあいです。この段階で人数差が生まれることはあまり多くありませんが、相手のスキルを切らせるなどしてアドバンテージ差をつけることができます。遠距離系DPSが主体になることが多く、敵味方の構成に応じたプレイが求められます。
ポジションの確保はこの段階で行われます。

エンゲージ

スキルなどのリソースを使うことでにらみ合いを切り上げ、本格的な当たり合いに移る段階です。ウィンストンのジャンプやルシオのスピードブーストなどが該当します。シグマなど明確なエンゲージ用スキルをもたないヒーローはにらみ合いからグラデーション的にこの段階に進みます。

本当たり

本格的な戦闘が発生する段階です。多くの場合はどちらかのチームに大きな人数不利が生まれ、本当たりが終了します。アルティメットはこの段階で使われやすいです。

残党狩り

本当たり後に撤退する相手のヒーローを追撃する段階です。低レート帯で残党狩りが行われることはまれですが、以下の記事にあるように効果的な残党狩りは、1回のウェーブ勝利を1勝分以上としてカウントできるようになります。

プレイ指針

ピック

単にマッチの勝利を目的としており、特別な事情や得意ピックがないならばラインハルトシグマをピックしてください。
これらのヒーローは盾をもつため実質的な体力が高く、不利状況のリカバリーも比較的容易です。
また、中近距離で使える飛び道具や強力で使いやすいアルティメットなどもあり、全体的に高い水準でまとまっています。
ラインハルトやシグマが合わないと感じた場合は面白いと感じるタンクを(以下のプレイ方針に従って)プレイしてください。

にらみ合い

当たり合いの前や序盤には、まず相手構成の確認をしてください。
相手にキツいヒーローがいる場合は突出や孤立しないように注意し、味方と一緒にプレイすることを心がけましょう。

味方構成の方が遠距離戦が強い場合(=にらみ合いで有利)は自陣側のポジションを確保し続け、有利なにらみ合いの状況を継続します。有利な状況を継続するために適宜遮蔽物などを利用し、盾などのスキルを使い切ってしまわないようにしましょう。

味方構成が遠距離戦で分が悪い場合は遮蔽物やスキルなどを使い、可能な限り距離を詰めます。この際に味方サポートからの射線が切れないように注意してゆっくり前線を上げるようにしましょう。
タンクでレートを上げるためには視野を広くもつことが非常に重要で、ゆっくり前線をあげることは非常に良い練習になります。

エンゲージ

相手の体力が大きく削れていたり、相手の盾が割れたり、強力なスキルをいなせた場合(阻害瓶、バティストの無敵など)はエンゲージのチャンスです。しっかり詰めていきましょう。

味方の構成にかかわらず、有利状況では詰めることでキルが発生しやすくなるため積極的にプレイしましょう。
前述のようにサポートからの射線には十分注意してください。

本当たり、残党狩り

本当たりと残党狩りでは味方が撃っている相手または大きく削れている敵を優先的に攻撃しましょう。
本当たり、残党狩りは特にタンク主導とはならないのでチームに合わせるようにプレイし、被害を抑えるような立ち回りを心がけましょう。

気を付けるべきこと

もじもじする

にらみ合いにおいて不利状況にもかかわらず前に出ないことや下がってしまうことです。遮蔽物やスキルを使い、何とかエンゲージしましょう。
相手の火力が高い場合やCCがきつくエンゲージできそうにないときは他のルートを使いましょう。多くのマップではルートが3つくらい用意されています。
タンクが前に出ないとDPSも火力を出せません。前に出ないで「DPS DIFF」などと言うタンクもいますがお前のせいです。カスです。

にらみ合いで負けた後にエンゲージする

もじもじした挙句に1ピック取られ、やけくそでエンゲージする(人数不利に気づいていない?)ことはやめましょう。
1ピック後は圧倒的に不利で、エンゲージしても相手のアルティメットを溜めるだけです。可能であればいったん下がって当たり直しましょう。

サポートの射線が切れている

エンゲージや残党狩りのチャンスで前に行く際は必ずサポートの位置を確認しましょう。味方サポートはあまりついてこないのでその場合は有利ポジションを取って様子を見ましょう。サポートがまったくついてこない試合は負けですが、ゆっくり前に出ればほとんどの場合はついてきてくれます。

おわりに

以上がブロンズ帯脱出のためのプレイガイドです。
実践が簡単なものから難しいものまでありますが、すべてできる必要はなく、少しでもできていればレートは上がっていくと思います。楽しみながらランクを上げてもらえれば幸いです。

誤字や内容についてのコメント、批判などありましたらX(@_hamushi)までお願いします。実用的な記事にするため、レートの実情と異なる内容などの指摘をお待ちしています。

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