そうだ、EDHやろう(Lv3~4の手引き)

そんなわけで続きです。
レベル帯としては少し発展してLv3あたりまでのお話をしましょうか。

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Ⅰ.つよいぞ、統率者

イコリア-巨獣の棲処でプレイをされていた方には相棒というシステムが記憶に新しいところだと思います。
必ず初手にある8枚目の手札…… 強力でしたね。デッキ構築に制限がかかってすら、誰もがこの手札を使いました。
5マナ5/5で能力のない(能力を使わない)相棒ですら使われた事から、このシステムが根本的に強すぎたのは明らかでしょう。

うん…? 構築に制限(99枚ハイランダー・デッキ)がかかって、初手にある8枚目の手札……?

そうです。統率者の性質はかの強すぎたシステム、相棒とほぼ同じなのです。

4T目に必ず唱えられる「ウィノータ・工作員」デッキを想像してみましょう

しかも相棒と違って何度でも帰ってくるため、理解して組めば容易にゲームを破壊しうる…… 「楽しむためのフォーマット」を意識するならこの事実
絶対に忘れないでおきましょう。

てつ

……断っておきますが、私はLv7以上における「強い統率者+3~4ターンキル」を否定するわけではありません。

しかしあまりに違うレベル帯同士での対戦を行った場合「Lv3《シヴィトリ・スカーザム》がタップイン土地とギルドランドを置いている間にLv10《トリトンの英雄、トラシオス》が3Tで無限コンボをして終わりました」ということが起こりかねません。と言うか起きます。

両者の言い分はこうです。

Lv3「えっ…土地置いてるだけで終わったんですけど…??(遊びにならないんですが……?)」
Lv10「えっ…干渉すらされないなら当然終わるんですけど…??(箱庭を組み立てるんじゃなくて対戦に来たんですよね……?)」

ワンミスが死を招くヒリつくような早撃ちの応酬も『おれの美人なドラゴンを見てくれ』も、等しく存在しうるのが統率者戦。
誰が悪いではなくそれが許されるフォーマットで、だからこそ遊び方の齟齬が出ないように、双方が楽しい時間を共有できるように、卓の認識を揃えることは大切だと思います。

では、これらを踏まえた上で100枚のキャンパスに楽しい絵を。
今回はそんな構築のお話をしたいと思います。

Ⅱ.守ろう、デッキテーマ

どんなデッキにも”コンセプト”はありますが、フレーバーでEDHを構築する際に必要な心がけは、もう少し軸をずらした視点……いわゆる”テーマ”になります。

例えば『パルン、ニヴ=ミゼット』

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まず《好奇心/Curiosity》? 《知恵の蛇の眼/Ophidian Eye》?

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パルンはこう言われた「まずコインを投げろ」と。

ラヴニカのちょっとやりすぎ実験大好き団。《好奇心/Curiosity》による無限ドロー無限ダメージはなくとも、デッキの随所からニヴ=ミゼット”らしさ”を感じられるメンバーです。

ただまぁ、その… あんまりフレーバー・カードばかり入れていると、デッキの雰囲気作りには成功しても、デッキ自体が回らなくなってちとマズイことになるかもしれん。

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そこで今日は統率者デッキのレシピを割合で覚えて帰りましょう。なぜなら割合さえ間違えなければ最低限食べられる物が完成するからです。

Ⅲ.基本の割合

1枚:統率者
50枚:マナ
 土地37+13その他のマナ(《太陽の指輪》など)
30枚:テーマ・カード
13枚:除去・妨害・「カードを引く」カード
6枚:自由

諸説諸々ありますが、当店が紹介する基本レシピはこれです。
順番に見ていきましょう

1枚:統率者
 ……言うまでもないところですね。
 でも結構数え忘れて101枚とか99枚になったりするので最初に勘定に入れましょう。統率者を決めあぐねているなら「統率者」って書いた仮の紙とかでもいいです。

50枚:マナ
 多すぎと感じる人もおられると思います。が、統率者戦では「マナがなくてなにもできない!」はあっても「マナだけあって何もできない!!」はまずありえません。そこに統率者がいるので
 マナを選ぶ時には

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マナ以外の能力を持つ土地

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手札やライフになれるその他のマナ

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だいたいマナだけど他のこともできるかも。

みたいなカードは積極的に混ぜ込んでいくと、統率者を唱える以外の行動も可能になるでしょう。
 目安としては土地37+その他13枚くらい。《不屈の自然/Rampant Growth》や《移動経路/Migration Path》のような土地を探してくるカードはその他枠。

30枚:テーマ・カード
 
あなたのお店の看板です。ドラゴンでも、犬でも、猫でも、センザンコウでも、食べられる海産物でも、カタカナでも(いや、いらっしゃるんですよ本当に。カタカナ)構いません。
 マナ・コストもそこまで気にする必要はないでしょう。そのために50枚のマナを取っているのですから。

 30枚というのは1つの目安です。マナを整えるカードを50枚入れたので、デッキの残りは50枚。テーマを示すカードが30枚あるなら唱える率としては30/50(60%)にもなり、対戦相手としては相当に「テーマらしさ」を感じてくれるでしょう。25枚でも体感で半分はテーマ・カードになるので。


13枚:除去・妨害・「対策」カード
 この枠はデッキをデッキとして機能させるためのカードたちです。
 マジック・ザ・ギャザリングでプロレスのように相手の放つ技をすべて正面から受け止めた場合、高確率で死に至ります
 また、そうでなくともあなたが1/1苗木の愛らしさを見せびらかしたい時にこんなカードを出されたら大変な事になりますよね。

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妨害が目的ではありませんが、1枚の《安らかなる眠り/Rest in Peace》でデッキ全てが安らかに眠ってしまわないために、障害となるカードを除去したり、打ち消したりする「対策」カードが必要になってくるわけで。
 とりあえずこのくらいの枚数から初めて、お友達と囲む卓の様子を見ながら白けない程度に増減させると良いでしょう。政治的な部分ですよ。

あなたが心優しいか「そんなに相手の妨害ばかりして楽しいかよ!この卑怯者!」なんてPWならば、妨害はそこそこにしてカードを2枚以上引けるカードをこの枠に入れておきましょう。

6枚:自由

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フリースペース。
本当になんでも構いませんが、人数が多いほど影響範囲が派手になる普段使わないカードが楽しいですよ

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単にデッキを強めたいならば……おっと、そいつはあっという間に軍拡競争が起きてレベル4とか5に行ってしまうデンジャーな行為です。程々に!

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Ⅳ.物語の終わり

というわけで駆け足基本レシピは終わりです。ページ内で記した中では特に
 ・確固としたマナの枚数
 ・30枚のテーマ
この2点を守っておけば、デッキの味わい自体が崩れてしまう事態は防げるはずで、あとは…こちらを再び。カジュアルと呼ばれるレベル3~4では絶対に忘れないでください。

てつ

 卓の全員が「このぬるま湯……ヌルいな!」と感じてきた時、自然と次のレベルで楽しむようになります。

今日のところはこれだけ覚えて、いつの日かこのnoteが「……ヌルいな!」と感じるまでは、ここでのんびり遊んでいかれると良いでしょう。


ではまた。どこかの次元で

応援してもらえるとおやつが買えます