そうだ、EDHやろう(Lv0)

それは、8月も末の事でした。

「やかましい 向こう(note)に書く」

という事で、カジュアルもカジュアル。ありあわせの冷蔵庫にあるような物から統率者デッキを組む記事を書いてみようと思うのでした。

用意するもの
①60枚デッキレシピ 1つ
②《統率の塔》   1枚
③《太陽の指輪》  1枚
④暇な時間(カード探してスリーブに入れるだけでもすごいぞ)

Ⅰ.60枚デッキを用意しよう

これはスタンダードのもので構いませんが、ビートダウンではなくコンセプト的な物を使った方がおいしく仕上がる事が多いです。
赤単トープランではなくティムールエレメンタル。青白コントロールではなくルールスオーラなどと言った、各カードのコンボを中心として戦う感じのやつですね。

EDHのレベル0ではこれを素材として98枚まで増やしていきます。

Ⅱ.枚数を1.5倍にしよう

今回はこちらのデッキをEDH風味に仕立てて行きます。
先に挙げたティムールエレメンタルと呼ばれるスタンダードデッキです。

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まずはメインボードのカードを何も考えずに1.5倍にします(4→6 3→4 2→3 1→2)

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ヤバイですね。
《空を放浪するもの、ヨーリオン》で80枚デッキとか見てると案外なんとかなってしまうのかも知れませんが、EDHは各カード1枚制限なので、ここから具材をEDH仕様に入れ替えていきます

Ⅲ.枚数をそのまま中身を替えよう

今回はまずレシピの3行目《峰の恐怖》4枚を例にして入れ替え手法を説明します。

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MTGwikiはご存知ですか?
http://mtgwiki.com/wiki/%E3%83%A1%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B8
ご存じの方も多いwikiですが、レベル0段階で入れ替え作業をする際には特に便利です。早速今回《峰の恐怖》のページを開いてみますとこのような記述があります

雷破の執政/Thunderbreak Regent+戦嵐のうねり/Warstorm Surgeといった概観を持つ神話レアのドラゴン。

勘の良い方は何故ページを開いたかお分かりでしょう。そう

「なるほど、峰の恐怖って既存のカードと似てるんだ……」
「 →じゃあこれらと入れ替えても動きは同じって事じゃん!」

そんな雑でいいの? と思うかも知れませんが 案外大丈夫です。

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しかしここで2枚入れ替えてもまだ2峰あります。もうおしまいなのでしょうか……
しかしこういう時はさらにwikiさんを頼るのです。《戦乱のうねり》のページにもこの記述がありました

あなたのコントロール下で戦場に出たクリーチャー限定の伏魔殿/Pandemonium

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できました。これがEDHにおける中身そのまま峰の恐怖4枚です。ちょっと見た目は違うけどおおよそ《峰の恐怖》と呼んで差し支えないでしょう。

《伏魔殿/Pandemonium》ページには主な亜種も掲載されておりますね。
これらも全員《峰の恐怖》として扱ってもよいと古代洞窟の壁画に描かれていますし、予算や手持ちから相談して君だけの峰の恐怖を創り出しましょう。

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歴史の真実もそう言っています


《自然の怒りのタイタン、ウーロ》も、記事内リンクを順番に踏んでいき
→《成長のらせん/Growth Spiral》+《探検/Explore》+《耕作/Cultivate》と親戚の子供に置き換えます。
なんだったら値段が高すぎるウーロ自身も《不屈の自然/Rampant Growth》とかにすげ替えてもよいのかも知れません。

《茨の騎兵》 ……おや記事内に類似カードがありませんね
こういう時は http://whisper.wisdom-guild.net/ を活用しましょう
テキスト欄の一部で検索して、出てきたカードはおそらく《茨の騎兵》の生き別れた兄弟です
→《エルフの再生者/Elvish Rejuvenator》+《真面目な身代わり/Solemn Simulacrum》+《ウルヴェンワルドのハイドラ/Ulvenwald Hydra》なんかは到達が弟さんにそっくりですね。

これらの作業を他のカードでも繰り返していきますが、この際に注意してほしいのは、いくら彩りが乏しくても食材に色を増やせない事です。
今回は黒・白の色マナ・シンボルが入ったカードは入れられません。

以下は実際に行った作業ですが、長いので結果だけ見たい人はスクロールしちゃってください

4:乱動の座、オムナス
 →検索したらオムナスって3種いるから全部入れよう。あとなんか青赤緑でエレメンタルだから《願いの頂点、イルーナ》で計4枚になったぞ
2:運命の神、クローティス
 →よくわからないけど赤緑の神って《歓楽の神、ゼナゴス》もいたよね。きっと同じようなものでしょう。
2:終末の祟りの先陣
 →州民を滅ぼすもの
3:樹上の草食獣
 →1マナでマナ加速すればいいのかな。《ラノワールのエルフ》、《エルフの神秘家》で決まり
3:枝葉族のドルイド
 →……エレメンタルかな! 《野茂み歩き》と…枝葉族仲間で《枝葉族の報復者》でも入れときましょう
6:発現する浅瀬 枚数が…枚数が多い……! 土地を持ってこれるシリーズ!
 →とぐろ巻きの巫女、エルフの幻想家/Elvish Visionary、巨森の予見者、ニッサ/Nissa, Vastwood Seer、領獣/Parcelbeast、彼方見/Farfinder だ!
4:発生の根本原理
 →起源の波/Genesis Wave。wikiリンクから更に起源のハイドラ/Genesis Hydra、太陽鳥の祈祷/Sunbird's Invocation マナ踏み倒しシリーズ
3:神秘の論争
 →マナ漏出/Mana Leak、対抗呪文/Counterspell
3:霊気の疾風
 →夏の帳、丸焼き で色対策3種セットにしよう。EDHは多人数戦だから誰かに当たるさ!
2:炎の一掃
 →焦熱の連続砲撃/Fiery Cannonade
2:目覚めた猛火、チャンドラ
 →……恐らくチャンドラなら何でも同じでしょう。エレメンタルを出せて値段の安い炎の侍祭を

Ⅳ.完成への道

……ここまでくればデッキは90%ほど完成しています。
そりゃ100枚デッキのうち90/100枚選んでいるのですから当然なのですが

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土地に関しても同じ作業を繰り返していきます。
クリーチャーやスペルと違って類似品リンクでは探しづらいので、wikiでサイクルを見て、色が合っているものをどんどん入れていきましょう。神殿なら神秘・奔放・天啓って感じですね

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このあたりも参考にしながらどんどん入れ替え、手持ちが足りなければ基本土地で大丈夫です。

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あなたが少し昔からMTGをプレイしており、幸運にもこれらの土地を持っているならチャンスです。積極的に入れていきましょう。

あ、そうでした。土地を選ぶ段階で最初に用意した2枚のカードも忘れず投入します。

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実質のところ、EDHデッキとは100枚ではなく98枚+この2枚なのだ

両者とも、ほぼノーリスクでデッキの動きを安定させてくれる良品。構築済みに何度も再録されているため、お近くのショップでスペース利用料のついでに購入しておくのをオススメします。
実際の作業ではトライオームと入れ替えカウントしました。

ショックランドに関してはコモンのタップイン+タップイン1ライフ土地+直近で再録のあったチェックランドシリーズへ。
《寓話の小道》は類似品がどうしようもないため、いつかどこかで役に立ってくれそうな《スコフォスの迷宮》《廃墟の地》《眷者の居留地》などのなにかしら能力を持つ土地へ雑に入れかえていきましたが、最終的にどうやっても埋まらなそうなので基本土地の山と島を1枚ずつ増やして完了としました。

Ⅴ.完成態の講師

ここまでの調理を経てデッキはこのようになっています。

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さて、まだ枚数が足りません。なんて大きいんでしょう、100枚。
そこでこの8種のサイドボードもメインボードに移してかさ増しします(※神秘の論争、霊気の疾風はもうメインにあるので6枚ですね)
霊気の疾風の項でも少し触れましたが、EDHは多人数戦サイドボードがありません。そのため、ニッチで用途の狭いカードも誰かに当たる可能性が充分にあります。
これで96枚になりました。

残り4枚、そろそろこのデッキの統率者を決める頃合いです。レベル5-7あたりのお洒落な構築レシピでは最初に決めていると思いますが、この記事はレベル0構築なので残り数枚という段階まで投入しなくても味わいには全く問題ありません
青・赤・緑の3色を含む伝説のクリーチャー 幸いにも既にデッキ内に《願いの頂点、イルーナ》《乱動の座、オムナス》がおりましたので、これのいずれかを統率者にしてしまいましょう。
困った時はここで万能調味料《不屈の巡礼者、ゴロス》を投入していたのですけど、彼は万能すぎて禁止されてしまいましたね……

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おむなす!今回は君だ!

残りは4枚で、ここは完全に自由な枠となります。好きな味を入れよう! ……と、突然にそう言われても難しいかも知れません。
この場合は上で決めた統率者と相性の良いカードを追加すると良いでしょう。オムナスは「土地を出した際にエレメンタルに+1/+1カウンターを置く能力」があり、エレメンタル・カードがよいでしょうか……

今回はMTGwikiで検索して出てきた記事リンクから《雷族の呼び覚まし》《チャンドラの火炎猫》《這い絡む火跡》《ヤヴィマヤの化身、ムルタニ》の4枚を採用とし、100枚が埋まりました。
最後にリストを眺めていたところ「探検」するカードが1枚もないことに気づいたので《野茂み歩き》を《生ける竜巻》にして完成です。

https://dig.cards/decks/magicthegathering/176279

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Ⅵ.繰り返し尽くしたもの

いかがでしたか?
EDHを雰囲気だけゼロから構築をする場合はこんな感じになります。この手順で組まれたデッキのパワー・レベルとしては構築済みデッキと大差ないかやや弱いくらいになるので、お友達と遊ぶにはちょうどよいでしょう。

レシピのおさらいになりますが、このnoteは3節にまとめられ

Ⅰ.60枚デッキを1.5倍に
Ⅱ.各カードを親戚の顔が似た子と入れ替える
Ⅲ.残り10枚を好きに増やし、そこで統率者を加える

ここより増えている各章は、そこで何が起きたかを少し細かく説明したにすぎません。いわゆる速攻の横とかに書いてある()の中身です

たいへん駆け足でしたが、noteを読んで「あっ、こんな適当でもいいんだ……」と感じていただけたなら。EDH構築へ踏み出す第一歩が少しでも気軽になったならば幸いです。

パワーレベル調整とかはもっと沼の先の方です。
願わくば果てなき軍拡競争ではなく、統率者戦という地平をあなたが楽しんでくれますように――


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「ひとつ組めた――では足りぬ。」

じゃあ私は9個目のデッキである《渦巻く空、開璃》考えてくるからどっかで遭ったら遊んでください

応援してもらえるとおやつが買えます