相棒へのアプローチ - ウルザトロン
(2020/6/6:ヨーリオンver2の節まで)
MTG3.0到来。
今やデッキは80枚であり、そうでなければパーマネントは2マナ以下か起動型能力を持っているか、あるいは奇数か偶数で固まっている。
残念ながら筆者のデッキ(ウルザトロン)はいずれにも当てはまらない ……本当に?
いや、もしかしたら形を変えることにより、この3.0時代に迎合することは可能かもしれない。あの《宝船の巡航》だって《王冠泥棒、オーコ》だってとりあえず入れてみた事はあるのだから。
色々な3.0(相棒)
呪文追い、ルーツリー/Lutri, the Spellchaser(青赤)/ハイランダー構築
巨智、ケルーガ/Keruga, the Macrosage(緑青) /3マナ以上
夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den(白黒)/パーマネント2マナ以下
ウルザトロンは4枚×5種の低コストキャントリップ、カードでウルザ土地を集め、4枚の《解放された者、カーン》を叩きつけるデッキです。猫やカバやカワウソが追うようなデッキにはなり得ない。
集めるもの、ウモーリ/Umori, the Collector(黒緑)/パーマネント統一
深海の破滅、ジャイルーダ/Gyruda, Doom of Depths(青黒)/偶数
獲物貫き、オボシュ/Obosh, the Preypiercer(黒赤)/奇数
同じ理由で彼らも苦しい。
《森の占術》《古きものの活性》のいずれかを諦めなければならず、あるいは、4枚の《解放された者、カーン》を叩きつける事ができなくなるため、これも現実的ではないでしょう。
孤児護り、カヒーラ/Kaheera, the Orphanguard(緑白)/猫かエレメンタルやナイトメアや恐竜やビースト
《スラーグ牙》《殺戮の暴君》に全てを託せるなら可能かもしれません。
私はバリスタを構えたいので遠慮しておきます
黎明起こし、ザーダ/Zirda, the Dawnwaker(赤白)/起動型能力を持つ
実のところ、一般的ウルザトロンで起動型能力を持たないパーマネントは《ワームとぐろエンジン》と《絶え間ない飢餓、ウラモグ》の2種しかありません。
問題は、マナでない起動型能力を持つカードのうち、起動に2マナ以上かかるカードが《歩行バリスタ》と《忘却石》のみという事です。そして、ウルザトロンはザーダを喚ぶための土地を3枚タップすると7マナが出て《解放された者、カーン》を叩きつける事ができます。
湧き出る源、ジェガンサ/Jegantha, the Wellspring(赤緑)/ダブルシンボルを含まない
空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad(白青)/デッキが80枚以上
前置きが長くなりましたが、採用できそうなのはこちらの2匹のみとなりました。
続きます
現モダンの標準的ウルザトロン
MTG3.0の前にデッキレシピをおさらいしておきましょう。
基本あってこそのアレンジです。
クリーチャー(8)
2 歩行バリスタorスラーグ牙or難題の予見者
4 ワームとぐろエンジン
2 絶え間ない飢餓、ウラモグ
プレインズウォーカー (6)
4 解放された者、カーン
2 精霊龍、ウギン
スペル (9)
4 古きものの活性
4 森の占術
1 全ては塵
アーティファクト (18)
4 彩色の宝球
4 彩色の星
4 探検の地図
3 大祖始の遺産
3 忘却石
土地 (19)
4 ウルザの塔 4 ウルザの魔力炉 4 ウルザの鉱山
1 爆発域 1 ウギンの聖域 5 森
サイドボード (15)
《夏の帳》とか…最近はルールスバーンが多いから《嵐の乗り切り》とかね
太字になっているカードは全てデッキの根幹となるパーツです。減ることはありませんし、減らさなければならないメタゲームでは恐らくトロンを使うべきではありません(※ワームとぐろエンジンと忘却石は2、森は3まで固定)
基本的には土地3+その他9枚の計12枚が自由枠となります
《湧き出る源、ジェガンサ/Jegantha, the Wellspring》
時代に迎合と言うか、この相棒は現在の標準的ウルザトロンでそのまま使えます。(※歩行バリスタが入れられない事には注意して下さい)
小型生物だらけのウィニーに添えられる事も多いこの相棒、そういったデッキでは5マナ5/5のサイズのみを武器にできますが、このデッキと向き合った対戦相手は土地を3枚タップすると7マナが出て《解放された者、カーン》を叩きつけてくる前提で構えています。8枚目の手札としては十分かもしれませんが、もう一声頑張りたいところです。
つまり5→最大10マナへのジャンプ能力。こちらを利用しなければなりませんが、このデッキは膨大な不特定マナ・コストを持つ固定パーツだらけです。なにか相棒の相棒を探さないといけません
どうしましょうか…このマナを使う当てさえあれば良いわけですね。5色のマナを使えて、かつウルザの息子並みにインパクトのあるカード。そんな都合のいい相手……
いた。
①クリーチャー自由枠にスイと収まる5マナボディ
②ジェガンサのマナを余すことなく使い切る起動型能力
③デッキの方向性と噛み合う土地サーチ能力
完璧です。彼を採用しない手はないでしょう。
さしあたって以下のようなレシピを考えてみました
相棒
1 《湧き出る源、ジェガンサ/Jegantha, the Wellspring》
クリーチャー(9)
2《不屈の巡礼者、ゴロス》
2 スラーグ牙
3 ワームとぐろエンジン
2 絶え間ない飢餓、ウラモグ
プレインズウォーカー (6)
4 解放された者、カーン
2 精霊龍、ウギン
スペル (9)
4 古きものの活性
4 森の占術
1 全ては塵
アーティファクト (17)
4 彩色の宝球
4 彩色の星
4 探検の地図
2 大祖始の遺産
3 忘却石
土地 (19)
4 ウルザの塔 4 ウルザの魔力炉 4 ウルザの鉱山
1 爆発域 1 《大瀑布/Cascading Cataracts》 5 森
ゴロスでサーチしてくる土地バレット先として《大瀑布/Cascading Cataracts》、ジェガンサの色マナを使う先としてゴロスとスラーグ牙を採用しています。
より一歩進めるなら、デッキ構築の段階から赤緑/黒緑/白緑など2色構成のトロン(稲妻とキックと流刑どれが欲しい?)を組むことも久しぶりに正当化されるのではないでしょうか。グルールムーンにはお気をつけて!
《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
こちらも基本的にはデッキ制限が緩いタイプの相棒です。4積みのカードの代用品を1枚見つければ問題ありません(今まで《至高の評決》4枚だったならば《空の粉砕》を1枚追加して計5枚にする)
ただしこれはあくまでフェアデッキの話。代用の効かない特定カードに頼るタイプのデッキにとっては非常に厳しく、大雑把に計算するなら「今まで4/60枚入れていたカードが3/60枚と同じ確率でしか引けない」事となります。
つまり《解放された者、カーン》を叩きつけられる確率が減ります。こちらは《大いなる創造者、カーン》を追加投入することで擬似的に対応できそうですが、肝心のウルザ土地は5枚目の代用品が刷られていないカードですから…
ではヨーリオントロンは不可能なのでしょうか?
60枚版の比率は以下の通りです
12:ウルザ土地
8:森の占術、探検の地図による確定サーチ
4:古きものの活性による不確定サーチ
8:星シリーズによるドローの水増し
計32枚が土地のためのスペースとなっています。
これをヨーリオン拡張するならば8枚の追加が必要です
4 ワームとぐろエンジン
2 絶え間ない飢餓、ウラモグ
4 解放された者、カーン
2 精霊龍、ウギン
1 全ては塵
3 忘却石
ゴール部分枠は15~6枚。ヨーリオン対応するなら4枚の追加
60枚版でキャントリップ20枚だった比率を維持するなら追加カードの内6~7枚程度は手札を減らさないカードであることが推奨されそうです。
ただし活性による不確定サーチと星によるドローはその効果を大きく減じます。また目標となる土地は12枚から増えないため、なるべくなら低コストand/or確定サーチで…加えて、ヨーリオンの能力自体を活用するためには「戦場に出た時」系の……うん?
\やぁ、久しぶりだな!/
相棒
1《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》
クリーチャー(15)
2《エルフの開墾者》
4《不屈の巡礼者、ゴロス》
1 歩行バリスタ
2 スラーグ牙
3 ワームとぐろエンジン
1《隔離するタイタン/Sundering Titan》
2 絶え間ない飢餓、ウラモグ
プレインズウォーカー (10)
4《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》
4 解放された者、カーン
2 精霊龍、ウギン
スペル (13)
4 古きものの活性
4 森の占術
4《ウルヴェンワルド横断/Traverse the Ulvenwald》
1 全ては塵
アーティファクト (17)
4 彩色の宝球
4 彩色の星
4 探検の地図
1 大祖始の遺産
3 忘却石
1《イシュ・サーの背骨/Spine of Ish Sah》
土地 (25)
4 ウルザの塔 4 ウルザの魔力炉 4 ウルザの鉱山
1 爆発域
1 ウギンの聖域
1 《大瀑布/Cascading Cataracts》
1 《冠水樹林帯/Waterlogged Grove》
1 繁殖池
4 森
4《吹きさらしの荒野/Windswept Heath》
禍々しいリストになりました。
比率的には間違っていませんし、ヨーリオンのブリンク能力を活用できるカードも追加しました。土地・アーティファクト・ソーサリー・クリーチャーで昂揚も不可能ではなく、カーンによるサイドバレットも利用できる…はず……
ここまで記事を書いて思いましたが、緑トロンは根本的に「戦場に出た時」カードが少ないんですね。最終的には揃うでしょうが、3ターン目に《解放された者、カーン》を叩きつける率はやはり下がったままです。
ヨーリオントロンはやはり不可能なのでしょうか?
いいえ、まだです。いつか相棒を諦めるだろう、だとしても今この時ではないしお前にでもない…
《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》ver.2
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と言ってる間に相棒がお亡くなりになりましたね。
マナが大量に出せるトロンでは手札への輸送コストを支払うのも可能でしょうが、計8マナ払うのであればもっと別な事が可能です。
概念のみを遺すに留め、我々はこの狂った相棒時代から去ることとしましょう……
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