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日本のガソリン価格は先進国で最も安い

ガソリン価格の高騰が連日報じられている。確かに過去最高かもしれないけれど、それで騒いでいるのは井の中の蛙だ。世界的に見れば日本のガソリン価格はむしろ圧倒的に安い。ヨーロッパでは軒並みリッター300円前後だ。

「先進国」の集まりであるOEDC38ヶ国のうち、日本よりガソリンが安い国は、産油国であるアメリカ、コロンビアとオーストラリアしかない。つまり日本はOECD38ヶ国中4番目にガソリンが安く、非産油国では最も安い国なのだ。リッター180円で高いだの家計に大打撃と言っているのは、いかに日本が物価安に慣らされて、貧しい国になってしまったかという証拠だ。

よくガソリンは「税金の塊」などと批判されるけれど、その比率はおよそ40%だ。一方、欧州では約60%が税金だから、日本のガソリン税比率はむしろ低い(だから日本のガソリンは安い)。その主な用途は道路の整備と維持だ。それは、クルマに乗る人から徴収するというのが受益者負担という意味で正しい。税率を下げたら、その財源はどこからか持ってこなくてはならない。

現在、政府は税率を一旦下げたら再び上げることは困難になるから補助金を出してガソリン価格を安くしているけれど、それは何を意味しているかと言うと、クルマに乗る人ではなく、全国民からお金を取ってガソリンを安くしているだけ

ガソリン補助金には6.2兆円計上されている(すでに大部分は使われているが)。国民一人当たり約5万円、世帯当たり約11万円だ。このことがマスコミでは全く語られず、とにかく政府の介入でガソリン価格を安くすべきだと言い、ほとんどの国民はそうすれば「助かる」と思っているけれど、完全な欺瞞だ。

結局国民が税金という形で負担しているので、見かけ上ガソリン価格が安くなっても、問題から目を逸らし、先延ばしにしているだけだ。コストアップは受益者負担にしないときりがない。日本人はリッター250円時代を覚悟すべきだ。


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