セブン&アイによるそごう・西武の売却は、実質的に「アメリカのファンドに915億円払って引き取ってもらった」という情けない話し

セブン&アイホールディングスは、米国ファンドのフォートレスに8,500万円(8,500億円じゃないですよ)というタダ同然の価格でそごう・西武を売却した。

そごう・西武を買ったフォートレスは、約2,000億円の有利子負債を返さなければならない。しかしフォートレスはそごう・西武の一部をヨドバシカメラに3,000億円で売却するから、その負債を返しても1,000億円が手元に残る。そんなことならセブンが直接ヨドバシに売ればいいようなものだけど、セブンもヨドバシも悪者にしたくないために、顔の見えない米国のファンドを介在させ、「たった一日で1,000億円儲けさせた」という情けない話しだ。

さらに、セブンが取りそこねたのはこの1,000億円だけではない。そごう・西武の負債が2,000億円と言ったけれど、実は元々2,938億円あって、そのうち1,659億円はセブンが貸し付けており、そのうちこの売却のために916億円を債権放棄させられた(差額の743億円は返済として戻ってくるが)。つまり、セブンは8,500万円で売ったのではなくて、実質915億円支払ってそごう・西武を引き取ってもらったことになる。それも含めてセブンは1,457億円の損失を計上する。

どう考えてもあまりにもお粗末な話しだ。これ、アメリカだったらセブンの株主は間違いなく経営陣に株主代表訴訟を起こすだろう。でもセブンはマスコミの巨大広告主だから、ここまではっきり書くことはできない。


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