赦せていない

先輩がテレビに出たから、録画して観た。

本当は親がいない時に観たかった(観ればよかった)けれど、やむを得ず母親がリビングにいる時に観た。

自分が1年に1回テレビを観るか観ないかくらいなので、物珍しく思った母親が、「何?!知り合いが出るとか?!」と声をかけてきた。

「そうだよ」と言ったら、「え!!!観る観る!」と言って隣に座ってきた。

そうしてテレビを再生したら、親が何やら色々と評価しだした。

ぶつぶつぶつぶつ。

知り合いって言ってるじゃん。なんでそんなことできるのか。頼んでもいないじゃんか。

この怒りと悲しみと、それをぶつけることが出来ない自分の情けなさとでぐちゃぐちゃになりながら、それでも足先から勇気を振り絞って、冗談っぽく「シッッッッッ笑」と牽制した。

依然母親はやめない。なんなの、壊れたテープなの?

なけなしの勇気第二弾。「私の(大切な)先輩なんだから、そういうこと言わないでよ〜笑」
(「大切な」ってちゃんとつければ良かった。自分なんかがそう言ってしまうのがなんか烏滸がましく感じて咄嗟に出なかった。)
でもかえってきたのは

「いや、私の方が人生の先輩ですから!」

もう何も言えなかった。

情けない。情けない。情けない。情けない。なんで言い返せないんだろう。

まだ赦せていない。一生赦さない。

母親も。

弱い自分も。