酒のチラシの裏:F←RUSH

 あつかんと申します。

 突然ですが、ただただ自分の曲を語るだけのnoteを書きたくなったので、覚えている限り残してみようと思います。
 タイトル通りチラシの裏にでも書くようなことですし、備忘録のようなものです。読む価値があるかはわかりません。

 今回はニコニコで #既存楽曲復活祭 というお祭りがあるとのことなので、参加楽曲として選んだF←RUSHについて。今回は、とは申しますが飽きたら二回目はないと思います。

niconico動画はこちら→https://www.nicovideo.jp/watch/sm39805699


楽曲について

 2021年12月27日の鏡音誕で公開しました。
 何度か話していますが、この曲はGarage Bandで昔作ったインストを広げに広げてボーカル楽曲にしたものです。

 データが残っていたので書き出しました。残っていたファイルの作成日が令和2年4月になっていたのですが、おそらく複製です。他にはないので元ファイルは削除したようです。
 私の記憶が正しければ、これを作った頃はワールドうごメモギャラリーがまだ存在していた、もしくはサービス終了直後でした。少なくとも平成です。履歴を遡ったところF←RUSHを作っているとき「元のメロディは五年前に作った」と言っているので、確実に平成ですね。
 以下、これを原曲と呼ぶことにします。

 F←RUSHは、

  1. 原曲からざっくりデモとボーカルのメロディ(+ハモリ)を作る

  2. 歌詞

  3. オケ

という流れで作りました。
 また、この曲はオケをGarage Band、ボーカルをPiaproStudioで分けて作ったうえで、ボーカルトラックを書き出しミックスをGarage Bandで行っています。恐らくこの曲に着手したときStudioOneの使い方がよくわからなかったとか、そんな理由だったかと思います(この曲を出す直前にStudioOneで作った別の曲を投稿しているので、ただ単に使い慣れていないソフトを使うのが面倒だっただけの可能性もあります)。

歌詞

 原曲のテーマは「歩み、進歩、前進」でした。
 なのでこの曲を使うなら、このフレーズを使うなら、そのテーマからブレたくはないなと思いました。
 あとは努めてネガティブにならないようにしました。私は考え方がかなりマイナス寄りなのですが、リンちゃんにはそうであってほしくないので、今も後ろ向きな歌を歌わせないようにしています。

 一番最初に思いついたのが頭のフレーズ 「昔はよかった」ってダサいことずっと言ってんなよ ですね。
 当時も今も大して変わってないですが今以上に何も考えていないクソガキが、昔はよかったとかただバブル時代に甘えてただけじゃないのかダサいやつらめ、と喧嘩を売ろうとしていました。
 今は少しくらい意味がわかるようになりました。時代に甘えてたというよりは昔は考えること少なくて自由に生きられたなとか、昔の自分の方がよくできたなとか、羨望や後悔の言葉なのかなと思います。

 それはともかく最初の言葉から歌詞を構築していたのですが、気づいたらとにかく今を頑張って生きろと背中を押す歌になりました。
 正直なところ私自身耳が痛いです。繰り返すようですが超マイナス思考なもので。それでもサビの ただがむしゃらに進むんだ! 僕にできることを僕らしくさ は、なるべく忘れないようにしています。

 あとは確かそう、Cメロの歌詞は「歩み」のテーマから足について書きたかっただけだったと思います。アスファルト痛いよね。

 英語のざっくり意訳は以下の通り。

  • Where there is a will, there is a way.:意志あるところに道は開ける。

  • Rush to the path.:道を急げ。

  • Who's gonna pave the way for you?:お前の道は誰が作る?

 英語はからっきしなのでDeepl翻訳さんにはいつもお世話になっています。

 私は語彙力に大変乏しいのでお洒落な歌詞とか韻は無理です。とにかく真直ぐストレートを投げるしか能がありません。
 なので、当時言いたかったことは歌詞に全部書いてあるので、今更これ以上のことは出てきません。

オケ

 BPM110、楽器構成はドラム、ギター1、ギター2、シンセ、ピアノ、ベースとなっています。ロック風にしたかったので、ロックといえばという楽器を使いました。

 言い訳をしたいのですが、この曲を作った当時は音楽理論を全く知りませんでした。マジで。
 知っていることはコードが鳴っている間はそのコードの構成音が使えるということだけ。ただ、そのコードってやつは何の音がどうなのか、それ聞いたときにドミナントとかも言っていたけどそれがなんなのか、メジャーとマイナーって何が違うのか、全部わかりませんでした。音楽理論をまともに意識するようになったのはアメノチからです。

ドラム

 なるべく右手と左手が無理なく動かせるようにと思いながら打ち込んだ覚えはあります。
 その割には1/32でリムショット2回鳴らした後に1/16のスネア叩かせるド畜生です。太鼓の達人のドン・カッと同じだとでも思っていたのでしょうか。無知は罪ですね。
 GarageBandは音量調整が面倒で、シンバルのクレッシェンドが大変だったことをよく覚えています。

ギター1

 ギターソロを弾いたりメロディラインを沿ったりする目立つギターです。
 GarageBandはピッチが弄れないのでノーツで無理やりそれっぽく聞かせようと頑張っていますね。
 この音源だけで3つトラックあります。鍵盤をポチポチしてピアノロールにノーツを置くトラックが1つと、ビブラートをかけたノーツを入力する弦を揺らせるトラックが1つ、弦を揺らしたうえでリバーヴを強くかけたトラックが1つ。Cubaseなら少なくとも一つ目と二つ目は同じトラックでできます。

ギター2

 コードがわからないなりにコードギターをやりたかったのだと思いますが、わからないのでかなりガチャガチャしています。今なら流石にパワーコードにしますね。
 2番のAメロだけ少しメロディっぽいことをしています。

シンセ

 今聞くと音の重なりが貧相ですし、その割に1番Aメロは表に出過ぎているように感じます。コーラス使うとかもっと広く音域を使うとかしたい。
 アウトロでは原曲のピアノ部分を鳴らしました。間奏のギターソロではハモリ部分の音はありませんからね。
 Cメロのリバーヴ強い部分は別トラックでミックスしているのでシンセも2つトラックありますね。

ピアノ

 Cメロでボーカルと一緒に。原曲にあった楽器なのにハブにするのもな、とかそんな感じで追加したのだと思います。

ベース

 この頃からベースを暴れさせるのは好きなようです。
 最近、ベースはもう少し落ち着いてもいいのではないかと思い始めています。せめてもう少しコードを意識した方がいい、ベースなんだから。

曲題

 今回は「Glassssh」というタイトルの原曲がありました。意味はわかりません。
 音の響きがそれに引っ張られたのか、この曲は「フラッシュ」でほとんど即決でした。タイトルを考えるのが苦手な私には珍しいことです。

  • frush:カメラのフラッシュ。短い光→今

  • rush:突進、突貫

  • F:鉛筆の硬さでFirm(しっかりした)、二十進数で15(鏡音14thなら来年15→15へ突進)

 と、いろいろ意味を持たせてはいますが、自分がこの音に納得するための言い訳で正直後付けだったような気がします。

 使う単語がすぐに決まったことはいいものの、その後タイトルの形にはしっかり迷いました。
 F/RUSHで一度決まりかけたところ後からF←RUSHという案が浮かび矢印を使い、突進方向を明確にすべきかどうか。
 意味としては後者がいいのですが、正直私、全角アルファベットの形があまり好きではないんですよね。中途半端に改行されることもある。だからといって矢印は全角しかないし、F←RUSHとひとつだけ全角なのは気持ち悪いと思っていました。

 そこで友人に相談したところ、「Fってフューチャーってあるやん?」と言われ、矢印を使う方が良いという考えが一層強くなり、全角アルファベットであることを許容しました。

 余談ですが、タイトルを考えているときふといのちのかがやきくんが脳を過る瞬間があったそうです(友人とのメッセージ履歴に残っていました)。歌詞がとにかく前向きで、命が輝いているなあと思ったとか。

ボーカル

 調教データはもう残っていないと思っていたのですが、探したらありました。

Studio One4内PiaproStudio

基本パラメータ
リードボーカル:RIN_V4X_Power_EVEC
Gender Factor64、Brightness64、Clearness0、Cross Synthesis0
コーラス:RIN_V4X_Sweet  他リードボーカルと同じ

 御覧の通り、トラック追加して音源選択したときのまままったくいじってないです(ほとんどのパラメータの初期値が64なので)。
 リードボーカルトラックが2つあるのは最後の音の尻が次の音に引っ張られて下がるのを嫌がったからだったはずです。

 楽曲のBPMは先述の通り110なのですが、ボーカルは倍の220で作っています。ボカロエディタのノーツの最小値は1/64まででも、音源の速さを倍にすることでより細かく音を弄ることができます。♩=220の1/64は♩=110の1/124と同じ長さになるというわけです。少々強引ですが。
 ただ、これはオケとボーカルを分けて作ったからできたことです。今は当時と違って最近はオケもボーカルもすべてCubaseで済ませています。別ファイルで作れば可能ですが、正直面倒なので二度としないと思います。

 ノーツ毎のパラメータはゴリゴリに弄りまくっています。こちらの画像です。

「昔はよかった」ってダサいことずっと言ってんなよ どれだけ望んだって昨日は戻ってこない

 今でもそうですが、私は基本すべてのノーツを触ります。
 私はVOCALOID5エディタも持っていますが、PiaproStudioを好んで使っています。ビブラートのかかり方を変えるVibrato DepthとVibrato Rateがあるからです。私はノーツの頭部分に強いビブラートをかけることが多いので、ビブラートの位置・強さを好き勝手に弄れるこれらがないとやっていけません(個人的にはピッチもPiaproStudioのほうが触りやすいと思っています)。あとV5エディタって自動的にブレスが入るじゃないですか、あれがどうにも使いづらくて。

 この曲で最小ノーツを1/124にした一番の利点はこういうところですかね。

言ってんなよ

 「な」はB3→A3と下がります。最近のボカロを触っている方ならわかると思うんですが、ベタ打ちの状態だとノーツの後半から音が変わり始めるので、スムーズに次の音に移動するんですよ(画像内だと「n」→「na」の流れ)。また、同じ母音が続くときはロングトーンとされるのか、とても滑らかに歌います。
 ただ私は、ここではB3で鳴った「な」の音はきちんと維持し、そこから続くA3の「あ」の音ははっきりと発音してほしいと思いました。

 ですので画像の通り「な」の音を維持するためのノーツと、ノーツの音を分割する「ん」のノーツを作ったわけです。「N¥」という母音は「ん」と発音しながらも次の子音と繋がらないのでとても使いやすい。
 そして1/124はとても細かいので、この音が目立ちすぎずに済みます。

※前者に関しては、もしかするとPitchSnapModeを使えば解決する問題かもしれません。ただ当時は存在を知りませんでした。知っている今でもうまい使い方がわからないので、音をきっちり伸ばしたいときは短いノーツを挟んでいます。

 他にもマ行の発音の直前に「n」を入れて一度しっかり口を閉じさせる、ガ行の子音は「g」だと強いが「N」だけだと弱すぎるので「g a」のひとつ前に1/124の「N」を挿入する、等いろいろしています。
 これらは今でも使うことはありますが、この曲ほど多用していないですね。

 あと、英語ボイスバンクはPowerと比べて圧がないので日本語ボイスバンクで無理やり英語を歌わせたりもしました。
 すべてをピックアップすると本当に終わらないので説明は割愛します。1番のvsqxデータを置いておきますので、興味があれば覗いてみてください。二年前の私の技術ですし調教が上手いということではないので何の参考にもならないとは思っていますが、ここはチラシの裏なので関係ありません。

イラスト・動画

 イラストは友人の「( ˙-˙ )キョムッ」に依頼して描いてもらいました(HNは本人申告)。10年来の友人なんですがいい絵を描く人でして、個人的にキョムッの人の絵めちゃくちゃ好きなんですよ。

イラスト全体

 この意志の強い顔とノスタルジックな背景、長く伸びた陰の向こうから手を振るデフォルト衣装のリンちゃんが素敵です。
 表情は何度かリテイクを出しました。一番最初の案は懸命さが前に出過ぎて苦しそうだったので、不敵な笑み・ニヒルな顔等を経由してこの顔に落ち着きました。

 構図・全体レイアウトは相談しつつ決めました。最初はそもそも真ん中リンちゃん正面ドン!だったところを、進行方向に走ってほしいとお願いしました。
 地面をボーカロイドのピアノロールにする案もありましたが、実際置いてみたときにしっくりこなくて却下となりました。
 看板を提案してくれたのはキョムッです。天才。

背景のみ
看板のKは鏡音線で、リンちゃんが走っているのは「鏡音線14番いま駅」
提案してもらったとき本当に天才だと思った

 曲のロゴデザインとリンちゃんの服のデザインは私がやりました。

ロゴ初案、あまりにも特撮
ロゴ決定案、今見ると線が細すぎる気がする
初案の形で決定案の色にしたらちょうどよかったのではなかろうか……
キョムッに実際に送ったデザイン画

「Tシャツはおまかせします。」と書いてはいますが、なんだかんだ白無地が一番しっくりくるんですよね。胸元にワンポイントつけるので納まりました。
 上着の五線譜は原曲のメロディ(F←RUSHで言うならアウトロシンセ部分)です。
 このデザイン、正直結構気に入ってます。

 で、これだけいろいろお願いしておいて動画はあの有様なんですね。ダサいこと見づらいこと。
 技術とセンスがなかったといえばそれまでなんですが。

イントロのGIFとCメロのモノクロは私が描きました
飛び立つところまでしか使ってないんですけど
余談

おわりに

 動画だけでなく音源に拙い部分も多く全部作り直したいというのが本音ですが、それはそうとこの曲はとても気に入っています。現状作った中では一番。
 リンちゃんは多少強引でも背中を押して、一緒に走ってれる存在だと感じています。その思いが強く出ている曲なので、リメイクするとして音は直すでしょうが歌詞は変えないでしょう。
 あと素直にロックが好きです。

 思っていたより覚えていることが多かったので大変長い文章になりました。決して読みやすいものではないにも関わらず、ここまで読んでいただきありがとうございました。
 やる気が起きたらまたほかの曲でも同じように長々と文章を綴るかもしれません。気が向いたら、また読んでください。

 それでは、今回はこの辺で失礼いたします。

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