詰将棋とわたし(21)

21回目です
図面のすぐ下に作意手順があります。初見なのでチャレンジしたいという方はお気を付けください。

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★下記で手順を並べることができます。
http://yakkun1987.web.fc2.com/tume/nyusen/021.htm

詰将棋パラダイス 2005年5月号 中学校
作意手順:76金、同銀、67金、同馬、58桂、55玉、54金、同玉、66桂まで9手詰

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図1:詰め上がり図

初形からは予想だにしない(?)両王手の詰め上がりが狙い。
この詰め上がりの作品といえば、小林敏樹氏の看寿賞受賞作があまりにも有名です。

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図2:小林敏樹氏作、詰パラ1995年6月号

図2の作意手順:56金、同玉、74角、66玉、55角、同玉、59香、66玉、58桂、55玉、54金、同玉、66桂まで13手詰

全ての手に!マークを付けたくなるような傑作です。この看寿賞受賞作と本作を比較すると、
・香打ちを入れない代わりにコンパクトな構図にまとめた
・45に馬を配置することで収束の意外性を狙った
という点が狙いになろうかと思います。しかしながら、看寿賞受賞作が素晴らしすぎて、本作に価値があるかどうかは疑問というのが、今の目で見た率直な感想です。

当時の中島さんの解説を引用します。

強烈な筋であるがゆえに、「ああ、あの筋か」と 既視感を持って評されてしまうのが、後続作家の辛いところである。(中略)洗練された作品の陥りがちな変化紛れの弱さが感じられ、 高得点までは得られなかったが、質の高い佳作と評しておく。

本作の評価は2.49点でした。

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