詰将棋とわたし(2)

2回目です。
図面のすぐ下に作意手順があります。初見なのでチャレンジしたいという方はお気を付けください。

詰将棋パラダイス 2001年12月号 短編コンクール
作意手順:33角成、イ同玉、31飛、ロ24玉、23角成、同玉、A14金、同玉、34飛成、24合、15銀まで11手詰
変化手順:イで35玉は37飛以下早詰
     ロで32合は同飛成、同玉、43金、21玉、32銀で早詰
紛れ:Aで14銀は12玉で不詰

★下記で手順を並べることができます。
http://yakkun1987.web.fc2.com/tume/nyusen/002.htm

詰将棋パラダイス誌に初入選した作品。この作品がうまれたのはやはり鹿児島県に住んでいるとき。天文館道場で誰かをつかまえては詰将棋を出題して感想を聞いていました。

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手順を確認します。初手、背後から攻める33角成は意外な手ではないかと思います。35玉は37飛であっさり捕まるのですが、この捕まえ方を知らなければ33角成は思考外の1手となるかもしれません。底が浅い(作意ではなさそうとすぐにわかる)ですが、14飛という誘い手があるのも良いですね。

33角成31飛と打ちかえると32合は変化ロにて早いため24玉の一手。24玉の局面では34角が飛の縦利きを遮断しているのでこの角も23角成とあっさり捨ててしまいます。そして7手目は14金。14銀と打ちたくなりますがそれは12玉と引かれて詰まないのです。以下は地味な収束手順ですが34飛成15銀までの詰みとなります。

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配置について見てみます。初形は初手14飛という紛れもあり、配置も自然なので今の目で見ても悪くないと感じます。また、11香配置の理由を確認してみると、変化ロと紛れAに役立っていることがわかります。
・変化ロ:11香がないと詰まない
・紛れA:11香がないと紛れAが成立してしまう(つまり余詰
複数の役割を担っており、効率のよい配置です。

市島さんの解説を引用します。

☆本作者も初入選。初手思い切った角捨てから一転3手目渋く一つ離して飛打。ツボをわきまえている。
☆まだ中2とのことでこれからが大いに期待できそう。

この解説を読んで大喜びしたのはいうまでもありません。
本作が採用されたのは短編コンクール。手元に該当号がないのですが、この作品の順位は真ん中から少し上くらいだったと記憶しています。評価は3点満点に対して2.32点でした。

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ウェブサイトを立ち上げたのはこの頃だと思われるのですが、その話は次回以降に触れたいと思います。

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