詰将棋とわたし(6)

6回目です。
図面のすぐ下に作意手順があります。初見なのでチャレンジしたいという方はお気を付けください。

画像1

★下記で手順を並べることができます。
http://yakkun1987.web.fc2.com/tume/nyusen/006.htm

詰将棋パラダイス 2003年6月号 やさしい大学院
作意手順:
28飛、16玉、17歩、同玉、18歩、16玉、26飛、15玉、36飛、イ14玉、16飛、25玉、15飛、36玉、35飛、27玉、25飛、18玉、28飛、17玉、18歩、16玉、26飛、15玉
「46飛、25玉、26飛、14玉、16飛、25玉、15飛、36玉、35飛、27玉、25飛、18玉、28飛、17玉、18歩、16玉、26飛、15玉」
以下同様の手順で56~86の歩を入手する
96飛、14玉、16飛、25玉、15飛、36玉、
35飛、27玉、25飛、16玉、26飛、15玉、17香まで127手詰
変化手順:イで25玉は35飛以下2手短く詰む。

本作は連取りの趣向作。連取りとは、空き王手で次々に駒を取っていく趣向です。

8手目15玉まで

1図:8手目15玉の局面
8手目15玉の局面。ここで36飛と、空き王手で歩を取ります。26中合ができれば詰まないのですが、あいにく打てる駒がありません(△26歩は二歩です)。残る応手は25玉か14玉ですが、作意は14玉です。理由は、25玉には35飛という手があり、作意手順より2手短く詰むためです。

取った歩を使って序盤と同じ手順で玉を追っていくと、やがて1図と同じような局面が出現します。
1図からの手順
36飛、14玉、16飛、25玉、15飛、36玉、35飛、27玉、25飛、18玉、28飛、17玉、18歩、16玉、26飛、15玉

24手目15玉まで

2図:24手目15玉の局面
1図との違いは36歩の有無だけ。36歩が無くなったので、次は46飛と取ることができます。46飛に対する応手の候補は25玉と14玉ですが、作意は25玉です。
(歩を取る空き王手に対する応手は、25玉35飛という王手ができるかどうかで決まります。35飛が可能なのは36の歩を取ったときだけです)

2図からの手順
「46飛、25玉、26飛、14玉、16飛、25玉、15飛、36玉、35飛、27玉、25飛、18玉、28飛、17玉、18歩、16玉、26飛、15玉」
「56飛、25玉、26飛、14玉、16飛、25玉、15飛、36玉、35飛、27玉、25飛、18玉、28飛、17玉、18歩、16玉、26飛、15玉」
・・・
以下「」の手順を繰り返すことで、最終的には96の香車を入手でき、以下簡単な詰みとなります。

詰め上がり

3図:127手目17香(詰め上がり)

近藤さんの解説を引用します。局面によって応手が変化することについて、わかりやすくまとめられています。

☆記すほどの変化もない、易しい連取りなのだが、変別解が多かった。 逃げ方は局面で変化することがあり、解答する場合には必ず再点検しましょう。 飛で開き王手された際、始めと終わりが14玉で他は25玉が正解。
(中略)
☆序奏もなく、収束もないので、あっけなく、機械的な感じがする。やはり、本作は習作であり、 作者の実力が出たとは言い難い。作者の未発表の素材にはいい物がある。次回に期待しよう。

***
近藤さんのコメントにもあるように本作は習作です。
残念ながら本作以降、長手数の繰り返し趣向作は創れていません。習作から一歩踏み出してオリジナルの趣向を思い描き、それを実現させるというのはわたしにとっては至難の業です。

では、この作者はこの後どのような方向に進んで行くのでしょうか?

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