大きい犬

麦茶が美味しい。麦茶って、薄いの美味しい。飲食店でお冷と出されるものが薄い麦茶だったときの嬉しさたるや。濃い麦茶が出てくることはなくて、あの薄い麦茶が出てくるの。あの薄さに幸福を感じるの。水筒にはいつもお茶を入れて飲むのだけど、紅茶のティーバッグを持ってきたり麦茶を持ってきたりしていて、今日は久しぶりに麦茶にした。肌寒かったこともあって氷をいれずに水出しで作ったのだけど、ぬるくても麦茶は美味しかった。キンキンに冷えたのをゴクゴク音を立てて飲みたいときもあるけれど、ぬるい麦茶を飲む幸福を覚えてしまった。

大きい犬が好きだ。大きくてモフモフの犬を見るのが好きだ。小さくてキャンキャンしてるのも好きだけど、大きいのが一等好きだ。見る専門家なので、散歩中の子たちを目で追うだけなのだが。動物は基本的に苦手だ。触るのはちょっと怖い。だから遠くから見るだけ。たまに、飼い主が見てないときに手をふるの。この前小さく手をふったら飼い主の男の子に見られていて、律儀にお辞儀をしてくれた。ちょっぴり恥ずかしかったよ。
日常の理不尽にいらいらしがちなわたしにとって大きな犬はオアシスで、心のもやもやが起きるたびに召喚してしまう。駅の通行区分を守らず逆行する人なんかが嫌いで常々もやもやをつのらせていたところですが、最近はAR技術の発達かと思わせるほどに、「おっ、大きい犬が突撃してくるぞ」と召喚させることで心を保っているのであった。今、電車から降りてきた大きい犬に衝突されて「ふざけんな非常識が」と口走ったことは許してほしい。召喚失敗です。

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