STOP!そいつほんとにいい男ですか

突然ですが、わたしは大森靖子というアーティストがすきです

あまり簡単な言葉で説明したくはないのですが、これから書く話のために簡単に説明すると、大森靖子の音楽は女の子が抱える鬱屈とした感情を歌って女の子の人生をギリギリ肯定するもののように思って、よく聴いています

わたしにとって女の子に産まれたことはかなり最悪で、女の子としての人生など自力では到底肯定しようがないのですが、大森靖子の音楽でギリギリ肯定できるというか、大森靖子の音楽に肯定されることで「わたしの人生って肯定していいのか?やっぱり肯定できないか?どっちだ?」と判断が揺らぎ、わからないのでひとまず死に急がずに済んでいるといった状況です
その程度にはわたしは大森靖子の音楽に救われています

そしてそれとは別に、大森靖子のファンの女の子がネット上で「付き合うなら靖子ちゃんの良さわかってくれる男がいい!」と言ってるのを度々見かけます
確かに彼女の音楽に救われているならばそれを貶すような男とはもちろん付き合いたくないだろうし、共感してくれる男がいたら優しいように感じるのかもしれない、言っていることはわかる

しかしわたしはそこにSTOP!と言いたい

その男、現世で女の子としての人生歩んだことないよね?

一度、女の子としての人生歩んでないやつが大森靖子を聴く意味を考えて見てほしい

炎上したくないので前置きとして当たり前のことを言うが、大前提として大森靖子の音楽は全世界にリリースされており、誰でも聴くことができるし誰でも聴いていい
そしてもちろんわたしも、男性が大森靖子を聴くことに反対しているわけではない
彼女の音楽は優れているし色んな人が色んな聴き方をしたらいいと思う

ただ、大森靖子を聴く男がいい男なのか、そいつと付き合いたいかというのに、一旦待ったをかけさせてほしい

わたしたちが大森靖子の音楽に救われたのはどんな日だっただろうか

理想の女の子になれなかった日、かわいい自分でいられなかった日、自分のかわいいを守るために誰かを傷つけてしまった日、自分の恋が醜くなった日、性欲を持つことを否定された日、知らない男に話しかけられた日、淫売婦と罵られた日、ホルモンバランスに振り回された日

こういうたくさんの日を大森靖子の音楽に救って貰った女の子にとって、大森靖子を聴く男っていい男かな?

そいつ、生理痛重くて起き上がれない朝に布団の中で泣きながら大森靖子聴いたことないんだよ?

メイクするとき自分の顔鏡で見るのつらくて泣いちゃったこともない男が聴く大森靖子と、女の子背負って10数年とか数十年とか生きてきたわたしたちが聴く靖子ちゃんの音楽は、さすがに一緒じゃないでしょ

大森靖子の書く詞の中にはもちろん女の子じゃなくても共感できるフレーズがたくさんあるけど、でも女の子じゃなきゃさすがに共感できないだろって詞もたくさんあって
大森靖子を聴く男たちにとってそれは全部エンタメになるんだよ

わたしたちが血や涙を流した日々も、それを鏡のように写してくれた彼女の音楽も、大森靖子を聴く男からしたら映画やショーと同じ、エンターテイメントなんだよ

繰り返すようだけど、音楽は誰が聴いてもいいしどんな聴き方をしてもいいから、もちろん大森靖子をエンターテイメントとして楽しむのもひとつの正解だとおもう

でも大森靖子をエンタメとして楽しんでる男とほんとに付き合いたい?
そいつほんとにいい男ですか?

少なくともわたしは大森靖子の音楽をライトに楽しんでるような男とは殴り合いの喧嘩に発展する自信があるし、もっとわたしにとっては男臭すぎてようわからんような音楽を一生懸命聴いてるくらいの方がうれしいですね、以上

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