Sun Kissed

好きな男の人のことを思い出した。

太陽みたいな笑顔の裏に悲しい過去があったその人に、わたしは自己投影をしてしまった。思えばわたしが好きになる男の人たちはみんなどこかしらわたしに似ている。彼は太陽のようにまぶしくて明るくて強くてまっすぐな人だった。大きなひまわりみたいな、よく熟したオレンジみたいな、明るくて美しい人。

わたしが15歳の時にこの世を去ってしまって、そのせいでその作品自体を追うのがつらくなってしまって、読むのをやめた。それでも、わたしの心の中にはその人専用の椅子がある。14年経っても、埃を被っていても、その椅子は彼のものだ。

その椅子の埃を取り去り、背凭れを撫でながら、たまにこうやって彼のことを思い出すようにしよう。

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