興味がない（作：坂口喜咲）

私はなぜだか星に興味がない。プラネタリウムも小学校の社会科見学くらいでしか行ったことがないし、特に関心がない。なぜだかはわからない。

星座もひとつも知らないし星の配置もわからない。体調が月に左右された記憶もないし、いかにも繊細に影響受けそうなタイプに我ながら思えるのに、意外だなあと思う。

星占いは嫌いじゃない。星座の相性はなんとなく感じるし、海が月と関係してるのもおもしろいと思う、海が好きだから。でもなぜだろう、特にロマンは感じていない。

なんていうか、どうでもいい。太陽は、圧倒的に強いなまぶしいなかっこいいなと感じる。単に明るい光が好きなだけかもしれない。

誰かに星を見に行こうと言われたこともない。綺麗な星空を見たことはあるが、夕陽や海ほどには感動できたことがない。

他に興味のないことといえば、おそらく普段目も向けていないことなのだろうと思うから、思い浮かばない。

どうでもいいこと、自分から遠いこと、興味関心のないこと、うーん、やっぱり浮かばない。たくさんあり過ぎるんだと思う。

嫌いなもの。それはたくさんある。明らかに自分と合わないものからはなるべく離れるようにしている。すごく暗いとか、すごく攻撃的だとか、そういうの。

自分の部屋を見回してみても、好きなものしかないので興味のないものがない。基本家事や家のことが好きなので、部屋の中の何を見ても今はあんまり嫌な気持ちにはならない。

最近、久しぶりに嫌な場所に行った。音楽を好きじゃない人たちがお金や自分の欲望のために音楽を利用している場所だった。行く前からわかっていた。

やはりとてもエネルギーを吸い取られたので、直感でおかしいと思うところにはもう行かないよう気を付けようと改めて思った。初対面で明らかにおかしいと感じる人も同じだ。大抵うしろめ たいことを隠していて、なにかから逃げてごまかしている。

こういうのは、理由はないんだろうなと思う。直感でよい。

好きな人は、一瞬で好きになってしまう。最近私が生きている小さな世界では、大体の人と仲良くなれる。大好きになれる。光が好きな人とは仲良くなれる。

もし好きになった人に、星を見に行こうよと言われたら私は大喜びで超楽しみにして行くと思う。興味のないことに、興味を持てるようになる瞬間が好きだ。好きな人と一緒に行うことで、ひとりとは違うなにか新しい違った感情を抱けるかもしれないと思うとうれしい。

でもきっと、海より好きじゃないんだろうな。私は海が大好きなんだ。それだけは、星を見に行かなくてもわかる。

作：坂口喜咲　
歌手 / シンガーソングライター
東京都出身。
2011年バンドHAPPY BIRTHDAYのVo.Gt.としてSony Music Associated Recordsよりアルバムリリース。2015年バンド解散後より、ソロで音楽活動を行う。ギター弾き語りやバンドでのライブ活動の他、楽曲提供やチェコアニメのナレーションなど、自由に活動中。
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