ミッドタウンのやつ みた


2023/03/25、ミッドタウンでのパフォーマンスについて。
ポジティブな感想ではありません。












それぞれの身体能力は言うまでもなくすばらしいのに。衣装も好き、途中でプリーツの形が変わるのかわいい。

白くて、ひらひら、くるくる、ふわふわ、きらきら自然光のもと、しなやかな身体、柔らかい空間。

都会の真ん中、綺麗な建物と、写真映えのする、いい感じの照明の、なんとなく良い雰囲気の、誰のためにあるのかわからないサーカス。

公演後涙が止まらなくて、お友達の前で嗚咽して、でも感動の涙じゃなくて、悲しい気持ちになってしまった。



瀬戸内サーカスファクトリーが!関東で!待ってました!
と。情報が公開された時点で、観にいくことは確定してた。前情報をあまりちゃんと見ていなかったので、ソガさんが登場してびっくり。テンションがぎゅんっと上がったけど、仕立て屋のサーカスのときの方が好きだった。あのときはカリスマ性があって、ぐっと心を掴まれて、圧倒的な教祖だった。わたしにとって特別な夜だった。今日はただ、人間だった。そして、個人的には、「仕立て屋のサーカスの音だな」と思ってしまった。叫ぶような声も、エフェクトをギャンギャンに効かせたウクレレだかギターだかの音も、良くない意味でザワザワとした。音だけではなく、LUMINE0では"味"だと感じられたソガさんのやや荒い物の扱い方やちょっと雑な所作も、この場では浮いていると感じてしまった。彫刻や空間やサーカスチームと喧嘩しているように見えた。仕立て屋のときはかっこよくて好きだったので(2回観に行ったしCDも買った)、彼の音楽が嫌いなわけではない。でも、今日は違うと思った。環境やパフォーマンスと調和してないと感じた。

また、どうしても不愉快だったのが、腕章をつけたカメラマンたち。観客の視界を遮りまくって、映える写真は撮れましたか。バタバタと走り回った甲斐あって、さぞキレイな映像が撮れたことでしょう。商業施設だから、いろんな、いろんな大人の事情があるんだろうなとは思うけど、パフォーマンスに対しても、それを見つめる観客に対しても、敬意もクソもなかった。ミッドタウン宛に苦情のメール出した。たとえ視界を遮っていなくても、パフォーマー越しにウロウロしてたり走り回ったりされたら興醒めしますよ。ご存知ないかもしれませんが。

やるひとがいて、みるひとがいて、全部を包み込むみたいな、その空間が丸ごと愛おしくなるような、そんなものを期待してた。勝手な想像だけど、海外とかだったら、現代サーカスが現代サーカスとして市民…観客のもとに届けてもらえるんじゃないのかな。今日のは、なんか施設優先の、主催者優先の…なんかPRとかに使われるのかな。会場を移動する試みも、大移動と混乱に勝る意味を見出せなかった。パフォーマンスを追いかける慌ただしい群衆の流れは、ポジティブなものではなく、振り回されただけの、かつ危険なものだったと思う。妙夢との絡みも無理があったというか、必要だったかな。作品として必要だったのではなく、施設側から「どうにかしてあれを使ってくれ」と言われたんじゃないの?と想像してしまった。そういう、なんかもう大人の都合が見え隠れして悲しかった。わたしはパフォーマーさんたちが好き、サーカスも好き、だからこそこの扱いには憤る。そういうふうにつかわないでほしい。もっと愛を持ってほしい。終演後、悲しくて悔しくて涙が止まらなかった。パフォーマーさんたちに罪はないのに。拍手をする気が起きなかった。観客を邪魔しまくっていたカメラマンが、拍手をする観客をなめるように撮影していた。我々は単なる映像の素材でしかない。腹立たしかった。でも、場の空気に流されて、心の籠っていない拍手を送った。拍手をしなかった友人から、それを遠目から見抜かれて指摘された。恥ずかしくなった。

あとこれは、なんとなく感じていた違和感が、友人の感想を見て少し具体的にわかった部分なんだけど、当パンに「ストーリー」の項目があって、なので、パフォーマンスを見ての想像の余地がなかった。説明されているから一見分かりやすいようでいて、逆になんも響かなくなるのかもしれない。現代サーカスをうたってやる意味あったのかな。何を伝えたかったのか分かんなかった。妖精の羽スプレーみたいなのもよくわからなかった。素晴らしいパフォーマーが集まって何かしらやれば素晴らしい作品になる…のかというと違うと思う。要素と、要素と、要素をひとつの作品にするために、演出家が必要なんじゃないのかな。個々が素敵だから、個々だけを見つめていればそりゃあ綺麗よ。夜、光がついてたら映えるよ。ひらひらしてるのがくるくるしてたら綺麗だよ。でもそれって、それじゃあ、なんのために。




わたしは、大道芸においても一貫して、「あなたの姿が観られればそれでいい」というスタンスは取りません。大道芸もパフォーマンスも大好きだから、だからこそ、思考停止して全肯定するのではなく…これはわたし個人の信念だけど、ちゃんと自分の頭で考えて観るのが、愛であり敬意だと考えます。芸を、パフォーマンスを生業に選んだ人たちだから。
こういう感想を書いて公開するの怖い(からツイートはしてなかった)けど、でも、これを大成功として扱うとしたら、その先の未来に希望を持てないから、書いて、自分の主張として公開します。ごめんなさい。傷つく人いると思います、ごめんなさい。でも、誰も何も言わないとしたら、それで傷つく人がいるとも思います。わたしは友人の投稿に救われました。感動していた人に水を差すことになるともわかってはいます。ごめんなさい。本当にごめんなさい。

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