synみた。


そんなにポジティブな感想ではない。
そこまでネガティブでもない。
ネタバレ?はまあ、ある。
まだのひとは読まないでね。





syn tokyo node
Rhizomatiks × ELEVENPLAY
2023/11/07 20:00〜

Instagramの広告で見かけて、ノリで行ってみた。

虎ノ門の駅から10分弱?入り口がわからずウロウロ…。エレベーターで7階に行き、エスカレーターで8階へ上がり、そこからさらにエレベーターで45階へ。8階にはロッカーがある。あとから硬貨が返ってくるタイプのもの。預けて正解だった。

70分間。誘導され、部屋を移動し、(不)自由に動き回る。音と光と映像と、大きな壁、幾何学的な物体、それから人間。

人間が出てくるとわくわくして、人間がいなくて映像だけの時間は、無意識のうちに"つなぎのじかん"だと認識してしまっていた。

集団のまま一斉に後退させられる時間があったが、後ろを一切確認せずグイグイ下がってくる人たちが多くて驚く。人と環境を信用しすぎじゃ、気をつけなはれ。

新しいけれど、あまり新しさを感じないというか。「おおっ」という瞬間もあるのだが、没入はしきれなかった。ザ・デジタルテクノロジー!!!って感じで、すごいはすごいんだけど、ぐっと掴まれるなにかはなかった。わたしは人間が好きだ。

人間と装置を同列に扱っている感じかな、と思った。ヒトに重きを置いていない。

序盤のロボットダンスな感じはかっこよかった。目が合わない感じが無機質で良き。

動く壁は迫力があって好きだった。照明とも合わさっていい景色だった。

この人数と設備…そして会場の立地を考えると、まあ、8,000円だなと。

3Dメガネをかける時間がある…というか体感半分以上はかけっぱなしかな。わたしの知ってるそれはミクロアドベンチャーとかフィルハーマジックみたいな画面を見るやつなんだけど、この公演は目の前の立体的な景色に照明効果を加えて、もっと面白いことになっていた。
わたしはメガネをつけたり外したりするのが好きで、今日も同じようにやっていた。メガネをかけていること前提の景色なので、めちゃくちゃ眩しくてチカチカしたし、現実〜って感じだった。メガネをかけると、夢の中を歩いているような感覚に引き込まれる。肉眼では二重に見えている影が、メガネをかけると立体的になって、それが生身の人間と組み合わさることでとても不思議な感覚になるのが好きだった。

ダンサーさんたち、すごく素敵だった。何人も何人も出てくるのだけど、どうしても目を奪っていくひとがいる。身体を動かすのが上手な人ってかっこいいなー。いいなぁ。

誘導も自然で邪魔にならず、わかりやすくて、よかった。困ることがなかった。

録画されていて、それがそのまま流される衝撃…笑 でも、「目立つ色の服を着て行った方がいいだろうな」という予想は当たった。

最後の部屋、ピアノの前に水が張られている。ときどき、波紋が生まれる。眼鏡を通してみると、水面を揺らしていたのは実は人間だった、というのがわかる。友人が「激しく動いた割に波紋が静かだったりするのでその違和感はノイズだった」と話していたが、それはそう。ただ、連動する仕組みは面白かった。きっともっと進化するんだろう。

肉眼では影しか見えないのに、眼鏡をかけている人たちにはその影の主が見える。lemonのMVを連想した。これ、もし好きなアーティストやパフォーマーが亡くなったあとに、彼らの姿をこの形で見せられたら、わたしはこの眼鏡にしがみついて離れられないだろうなと想像した。そういう未来がくるかもしれないな。

大昔に観た「フエルサブルータ」を思い出した。あれも自由観覧で、空間没入な感じで、音と光とパフォーマンスで…だったと記憶しているけど、そのときの方が高揚感があった気がする。

わたしが10年若かったら、めちゃくちゃ感動していただろうか。すごいのと好きなのとは別だなあ。
いろいろ言ってるけど、興味のある人は観て損はないと思います。

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