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看護学生がCAMPHOR-を訪れてUnityの勉強を始めるまで

この記事は CAMPHOR- Advent Calendar 2019 14日目の記事です。13日目の記事は、どら さんの Gmail に届いた新幹線や映画の予定を自動登録するようにした話 でした。

こんにちは。satomiです。京都大学医学研究科(人健)看護科学コースのM1で、CAMPHOR-の運営メンバーです。

今回は、看護学生がUnityの勉強を始めるに至るまでの少し珍しい(?)経緯について紹介しながら、初心者から見たCAMPHOR-について書きたいと思います。CAMPHOR-に興味があるけど、情報系の学生じゃない・初心者だからといった理由で行く勇気が出ないという人がHOUSEに来てくれるきっかけになれば嬉しいです。
(タイトルにはUnityという単語が含まれていますが、Unityについての技術的な話は出てきません。私自身のこれまでの経験とCAMPHOR-の良いところについて書いているだけなので、気楽に読んでいただければと思います。)

学部生の頃の話

私は中学生の頃から看護師になりたいという思いがあったので、京都大学医学部人間健康科学科の看護学専攻に入学しました。入学してから3年生の時までは課題や試験に追われる日々で、看護学や医療についての勉強ばかりしていました。厳しいことで有名(?)な看護の実習もなんとか乗り越え、このまま普通に4年で卒業して看護師になるだろうと思っていたのですが、4年生の研究室配属の時にビッグデータ医科学分野の研究室があることを知りました。看護とはあまり関係のない研究をしている研究室だったのですが、せっかくだし看護以外のことを勉強してみるのも良いかもと思ってその研究室に入りました。それまで大学でプログラミングを扱う授業を受けたことは一度もなく、私はその時に初めてプログラミングに触れました。4年生の4月からPythonや機械学習についての勉強を始め、電子カルテデータから抗がん剤の副作用発現を予測するモデルを作成して、そのテーマで卒論を仕上げました。その過程で、データに対して行いたい処理を頭で整理してコードを書く、ということを何回も行っているうちに、試行錯誤した結果正しく実行できた瞬間がすごく嬉しくて、プログラミングが楽しいと思うようになりました。その後院進して今もその研究室に所属しています。

CAMPHOR- HOUSEに行ってみた

看護の卒論提出は12月上旬と早いので(翌年2月に国家試験があるからです)、卒論提出後は時間に余裕が出来ました。その時にCAMPHOR-のwebサイトを見つけ、興味を持ったのでHOUSEを訪問してみました。情報系の学生でもないしプログラミングを始めて半年くらいしか経ってなかったので不安な気持ちでHOUSEに行きましたが、当時の運営メンバーの方たちが優しく対応して下さって、ほっとしたのを覚えています。研究室のPC以外でもPythonが使えるように、自分のPCにPythonをインストールするのを手伝っていただきました。そこから家でもコードを書くようになりました。

CAMPHOR-の環境について

CAMPHOR-は私が大学で今まで過ごしてきた環境とは全く異なっていました。まず初めに感じたことは、HOUSEでの普段の会話の中に聞いたことのない言葉がたくさん出てくるということです。それまでPythonしか書いたことがなく、機械学習を少し勉強した程度の私にとっては、それ以外の言語のことや技術については未知の世界でした。でも、会話の中によく出てくる言葉や気になった言葉を調べているうちに、なんとなくですが理解できることも少しずつ増えてきました。もし普通に看護師として就職していたら耳にもしなかったようなことばかりなので、CAMPHOR-に行ったことで世界が広がったように思います。これは、私が情報系の学生ではない人にも是非遊びに来て欲しいと思っている理由でもあります。
また、みなさんのイメージ通りCAMPHOR-にはすごい人がたくさんいます。各々興味のある分野は違いますが、みんな技術の勉強に対するモチベーションが高く、CAMPHOR-に行くと私もがんばろうという気になれます。普段から技術の話も頻繁に行われていて、その場にいるだけで勉強になることも多いです。
(ここまでの話からするとお堅いイメージをもたれるかもしれませんが、普段のHOUSEでは他愛のない話もよくしていますし、大学生らしい何気ない会話で盛り上がっていることもたくさんあるので、気軽に遊びに来て下さい!)

初めて自分でアプリを作ってみた

大学院に進学した後、研究室の歓迎会が5月に行われることになりました。私たちの代は幹事を任され、企画として名前ビンゴをやろうという話になりました。名前ビンゴというのは数字の代わりに人の名前でビンゴをするというもので、歓迎会で初対面の人の名前を覚えるきっかけになると思って企画しました。そこで、その時に使うビンゴアプリを作ってみることにしました。それまで私はデータ解析のためにしかプログラミングを使ったことがありませんでしたが、CAMPHOR-で過ごしているうちに、自分もプログラミングを使って何か目に見えるものを作ってみたいと考えるようになっていたのだと思います。PythonのKivyというライブラリを使ってデスクトップアプリを作ることにしました。決して複雑なものではありませんが、データ解析とアプリ開発では必要な知識が結構異なっていて、本を借りてきてがんばって勉強しました。今振り返ると改善点はたくさんありますが、作っている時はとても楽しかったです。歓迎会は50名くらい集まり、名前ビンゴは思っていた以上に盛り上がりました。研究室の先生など色々な人に褒めていただいて、作って良かったなと思いました。

Unityの勉強を始める

上記のことがきっかけで、研究でもデータ解析だけではなく開発もしてみたいと思うようになりました。研究室の教授に相談してみると、テーマを一緒に考えて下さり、その中でVRの話が出ました。少し前に、OBの方がHOUSEに寄贈して下さったOculus Quest(下の写真のものです)で遊んだこともあって、VRを医療に応用するのも面白いなと思い、医療系のVRの開発をしてみることになりました。そのために今はUnityとC#の勉強をしています。これがタイトルにもあるUnityの勉強を始めた理由です。

進路選択について

看護師になりたくて大学に入学したのに、結局看護師にはならずに大学院に進学するとは私自身思ってもみませんでした。4年間実習や試験をがんばって看護師免許を取ったのに、それが役に立ったのは自動車教習所での応急救護の授業が免除になったことくらいです。(医療系の免許を持っていると応急救護の3コマ分を受けなくても良くなります。)でも、看護学専攻という特殊な環境で学べたことは良い経験でしたし、看護学の勉強をしてきたことが無駄だったとは思っていません。CAMPHOR-に来ている人は大学ではそれぞれが異なる分野の勉強をしていて、自分とは違う専門分野の人たちの話を聞くのは面白いし、私自身も今まで看護で勉強してきたことを大切にしたいと思っています。入学当初に思い描いていた進路からは大きく外れましたが、プログラミングを始めたことで視野が広がったので良かったです。

まとめ

こうやって振り返ってみると、私自身がCAMPHOR-で受けた影響は思った以上に大きく、あの時勇気を出してCAMPHOR-を訪ねてみて良かったなと思います。CAMPHOR-には技術的に優れている人がたくさんいるのは事実ですが、それと同時に私みたいなITに関する知識があまりない人でも暖かく受け入れてくれる場所だと思います。これを読んで興味を持って下さった方がもしいらっしゃったら、HOUSEに遊びに来てくれるととても嬉しいです!

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