女の子に殴られて刺された、堀口英利くん
堀口英利くんは小学校2年生の時に、女の子に殴られ鉛筆で刺されたとnote記事やツイッターで証言している。この事案について整理し検証してみた。
堀口英利の証言
堀口くんが主張するこの事案について、note記事とX (ツイッター)、そしてツイッターでのスペースで確認できる。
【エッセイ】いくつもの世界の片隅で「ふつう」に翻弄されていたら、ロンドンに辿り着いていました。
2023年1月9日 X (ツイッター)投稿
2024年3月22日 スペースでの証言
刺された状況(証言から)
堀口くんの証言から状況を整理する。
小学校2年生のとき、同級生の女の子から太ももに鉛筆をつきあてられた。
その女の子は、堀口くんを殴ったり鉛筆で刺したりした。
その女の子は、堀口くんより筋力があり、体格もよかった。
その女の子は、堀口くんからみると嫌われ者で、外見も心根も劣悪だった。
堀口くんの当時の体格は、同級生よりも貧弱だった。
周囲から「男のくせに情けない!」と罵られた。
女の子は殴ったことに関して叱責されていない。
堀口くんは、全面的に手を出した女の子が悪いと思っている。
証言から推定できる事項
以下は証言から導き出した推測であり、断定するものではないことに注意されたい。
・怪我はしていない。消毒やバンドエイドを貼るような治療もなかった。
痛かったという証言もなく、出血や擦り傷などの怪我はなかったと思われる。もし、診察や治療を受けたのならば、全治○日の怪我を負った等書き立てているだろう。
証言に「その女児は「体格や筋力で劣る相手に暴力を振るうな」と怒られていませんでした。」とあるように、殴ったことや刺したことに関して女の子は叱責されていない。治療が必要な怪我を負わせて叱責されないとは考えにくい。
記述も「殴られたり鉛筆で刺されたり」と殴られたことが主体となっている。
このことから、殴ったや刺したは誇張した表現ではないだろうか。振り上げた手が当たった、もしくは手で突き離したという状態を「殴った」と表現や、鉛筆で刺したというのも「刺した」というよりは当てたや当たったという状態を誇張した表現と思われる。
・学校側は問題にしなかった。
『【エッセイ】いくつもの世界の片隅で「ふつう」に翻弄されていたら、ロンドンに辿り着いていました。』によると、学校に対して同じクラスにしないようにと長期間かつ複数回にわたりクレームを入れたことが伺える。にもかかわらず、学校側はそのクレームに応えることはなかった。
このことから、学校側はこの事案において堀口くんを被害者とはみなしていない、もしくは配慮にあたるほど重大視していないことがわかる。
・女の子が殴ったことに関して問題視されていない。
堀口くんは「女性が男性に暴力を振るっても非難されないのは問題」という文脈で、この話題を持ち出した。堀口くんの中ではこの事案は女の子が非難されてしかるべきものと認識している。にもかかわらず、殴って刺した女の子が非難されなかった。
もし、生徒間でケンカがあった場合は、学校はケンカの当事者両方に対して指導を行う。素手でなく物で殴った場合はなおさらであろう。殴って刺したという女の子に対して、「その女児は「体格や筋力で劣る相手に暴力を振るうな」と怒られていませんでした。」との証言にあるように叱責されなかった。
堀口くん以外の関係者の間では、女の子が堀口くんを殴ったり刺したりしたという認識はないのかもしれない。少なくとも、注意するほどまでは無いとの認識なのだろう。
・クラスメイトは男女とも、女の子の味方をした。
小学校の教室内での男女間のもめ事では女子たちは女子に、男子たちは男子の味方をするのが一般的といえる。この事案では男女ともに女の子の味方をして、堀口くんの味方をする者はいなかったようだ。味方されないばかりか「なぜか周りから「男のくせに情けない!」と罵られました。」、「その女児は「体格や筋力で劣る相手に暴力を振るうな」と怒られていませんでした」、「女性から男性への暴力は「男のくせに情けない」と被害者が叩かれる理不尽」と堀口くんは証言している。
その女の子は、堀口くんの証言によれば「みんなから嫌われている女の子で顔も心もデブス」だそうだ。そのようなクラスの嫌われ者でありながらも、堀口くんの味方をする者はいなかったことが本人の証言から伺える。
このことからみて、堀口くんの認識では彼が被害者であるが、彼以外の周囲は女の子が被害者で堀口くんが加害者と認識していた状況だったとおもわれる。
ここまでが、堀口くんの証言から簡単に推測できる状況である。以下、上記の推測を基に当時の状況を推測する。
なぜ女の子が殴ったのか
女の子が堀口くんを殴り、鉛筆を刺したのはなぜか? これは彼のエッセイや投稿記事を読んで誰もが思う疑問点であろう。
押しただけ、振り上げた手がたまたま当たっただけというのも蓋然性が高い。鉛筆を刺したというのも、状況からつんつんとつっついた程度や、なにかのはずみであたった程度を誇張しているということもありえる。
ここでは堀口くんの証言通りに女の子が堀口くんを殴って鉛筆を刺したと想定して、どのような状況で事態が発生したのかを推測する。
小学校2年生の普通の女の子が、たとえ自分より力も弱くクラスの中でも最も貧弱な男子相手であっても、殴るような事態はなかなか考えられない。その女の子が日常的に人を殴っていたというバーバリアンならば別だが、それならばこの事案が教師の目についた時点で学校の指導がはいっているだろう。そして、そのような普段から乱暴をしている者に対してクラスメイト全員が味方につくということも考えにくい。
女の子が殴りかかるというのはどのような理由があるだろうか。しつこくからかった、その女の子が大事にしているものを取ろうとした、ひどい侮辱をした、よほどの挑発をおこなった、など原因はともかく女の子が殴り刺すだけの強い理由はあったはずだ。
事件後に「周りから「男のくせに情けない!」と罵られ」たというのも、周囲のクラスメイトがその過程を見ていたからこそではないだろうか。堀口くん曰く「みんなから嫌われている女の子で顔も心もデブス」をクラスメイト全員が味方してしまう程のなにかがあったのではないだろうか。
尚、この想定だと堀口くんがこの事件を誇らしげに語っていることから、堀口くん本人は侮辱や挑発をしたとは全く認識していないことになる。
なぜか周りから「男のくせに情けない!」と罵られました
堀口くんは「なぜか周りから「男のくせに情けない!」と罵られました」と証言している。これは堀口くんの認識解釈では「筋力や体格で私を上回る女児に殴られたり」したのに、情けないと罵られるのは理不尽も甚だしい。早生まれで筋力や体格が劣っているのは生来的なものなので、それをもってとやかく意見するのは重大な人権侵害である、との主張であろう。
しかし、まわりから言われたという「男のくせに情けない」は力強さや硬派な実質剛健さの意味での「男のくせに」だろうか。そうではなく、人間的な意味での「男のくせに」だったのではないかと思われる。
もし前述のように、侮辱挑発をした結果女の子に殴られたとしたら、「男のくせに弱い者いじめをする、男のくせに自分勝手をする、男のくせに他人を思いやることができない、人間として最低だ! 」といった意味を込めて「男のくせに情けない!」だったのだろう。
そして、怪我をしない程度に殴られた相手を周囲が罵ることがあっても、刺されて大けがしている相手に向かって罵ることはないだろう。「罵られた」という本人の証言が、刺されて怪我をしたことを否定しているように思える。
時代や地域によって異なるだろうが、この事件のあったという20年前の当時、男が女に負けて情けないといった男尊女卑的な風潮はどの程度だったろうか。小学校2年生の語彙力を考慮すると、「男のくせに情けない」とはクラスメイトから言われたのではなく、教師から言われたのかもしれない。事件の状況や事の発端を把握した教師が、加害者に対して諭した内容が「男ならこうすべき」といったものだったのではないだろうか。
そして、その「男ならこうすべき」に対して、堀口くんが「それは私の人権や尊厳を無視したものだ」と反発したのではないだろうか。
当然のことながら、学校においては暴力全般が否定される。そこであえて「男性は殴ってもいいが女性を殴ってはいけない」という主張するとき、その主な理由は筋力や体格ではない。「女性」だからというそれだけの理由だろう。女性は保護すべき性であり護られるものという理由があり、そこに筋力体格はそれほど関係がない。
これに対して堀口くんは、女性は筋力的体格的に弱いものだから守らなければならない。そして自分は早生まれで筋力も体格も同級生から劣るから、女性以上に守られなければいけない存在であると主張している。
侮辱挑発の内容
女の子が殴って鉛筆で刺す原因をひどい侮辱や挑発があったと想定して検討する。もちろん、実際には他愛ないからかいだったり、双方ともに原因のあるケンカのような可能性もある。
もし、学校の教室で軽い侮辱などからケンカが発生しても、それは生徒児童間でのコミュニケーションの一環であり、社会性を育む教育の一部と言える。よって、ことさらその行為を否定するものではない。
ひどい侮辱や挑発があったと仮定して、それはどのようなものだったのだろうか。
前述の通り、もし堀口くんが女の子を侮辱していたとしても、本人には侮辱の意図や意思はなかったと思われる。堀口くんはnote記事『【エッセイ】いくつもの世界の片隅で「ふつう」に翻弄されていたら、ロンドンに辿り着いていました。』にて下記のように記している。(太字は原文ママ)
彼は周りの生徒を、知性も品性も程度の低い落ちこぼれで、家庭環境も劣悪で、社会階層も民度も低いとみていることわかる。そうなると、普段の彼の言動にもそれが顕れていても不思議ではない。無意識のうちに、女の子の両親や兄弟姉妹をひどく侮辱したのではないだろうか。当然のことながら、その侮辱内容はその女の子だけではなく、クラスメイト全員にはて嵌る内容となる。
これならば、この事件でクラスメイトの誰もが堀口くんに味方しなかった事にも整合性がとれる。
もちろん、これは証言や状況からの推察したものにすぎない。
正当防衛な状況
侮辱や挑発で殴りかかったという可能性の他に正当防衛、もしくはそれに準ずる状況も考えられる。後ろからいきなり抱きすくめられ陰部をこすりつけてきたのを振りほどいた、という状況である。
これは性的な悪意によるものだけではなく、単なる戯れであったという状況も考えられる。
とっさの場合に反射的に手に持った器物で殴ることは充分に考えられる。普段はおとなしく、殴ったりしない人でも、刺されば怪我をするかもしれない尖った鉛筆を突き立ててしまう事はあるだろう。その場合、力の加減が出来ないので怪我をする程の勢いで突き立ててしまうことはあり得るだろう。
後ろから抱き付かれた場合、逆手に持った鉛筆を振り下ろすとちょうど相手の太ももに刺さることになり、負傷した箇所と一致する。
さらに、この場合は正当防衛的な対処となる為、女の子が「「体格や筋力で劣る相手に暴力を振るうな」と怒られ」ることはないだろう。また抱き付いた者が周りから罵られ、刺されて怪我をした「被害者が叩かれる理不尽」と証言された状況となるだろう。
事件後の処置
問題を起こした生徒は何らかのペナルティや制裁を受けるのは、堀口くんが書いたnote記事通りである。
この事件で被害者である自分だけがペナルティを受けた、と堀口くんは認識している。「その女児は「体格や筋力で劣る相手に暴力を振るうな」と怒られていませんでした。」と、騒ぎを起こしたことについては怒られても、殴ったり刺したことについては咎められていないことを証言している。
これは学校やクラスメイトは、殴られたり刺された原因は堀口くんにあり女の子にはないと認識し対応したことを意味している。暴力を振るった事を叱責されなかったということは、正当防衛や状況から仕方なかった行為と認識されたのだろう。
堀口くんは小学校において、勉強よりも児童間の人間関係が重視されていると述べている。
彼自身が小学校において勉強はできるのに、児童間の人間関係に劣るために褒められることはなかった、むしろマイナス評価を受けていたのだろう。彼の小学校での人間関係は、この事象のように、殴られて刺されたにもかかわらず周囲は彼を被害者と認識せず、むしろ加害者として非難される状況に象徴されているように思える。
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