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トカゲのしっぽ切り

わたしは自分の屁の匂いを嗅ぐのが好きだ。
(わたしにとってはいいものだからあえて「匂い」)
自覚できない体臭と違って、自分から出た匂いを感じられるからだ、多分。
いや、かっこつけたけど別に好きに理由とかないわ。

屁はレーシングカーのイメージ。
一瞬強烈なスピード感を以て、激臭が鼻を突き抜ける。
そして何事もなかったかのように後には静けさだけが残る。


最近負の感情が心を支配する感覚になることが増えた。
心の中で悪態をついているときの快感と罪悪感。
その罪悪感をなんとか正当化しようとする惨めな言い訳の数々。
アドレナリンが出るだけでなんの生産性もない無駄な時間。
わかっちゃあ、いる。
それでも気づけば「ったく、あいつは…」と始める自分もいる。

感情はややこしい。
心をいったん支配したら、追い出すのが大変だ。
これホントにわたしが考えたことなわけ?
と思わずつっこみたくなるほどに、
自由気ままに、身勝手に、心に居座り暴れる。
さらに厄介なのは、ポジティブな感情ほど、すぐに行方知れずになること。
もう少しゆっくりしていってもいいじゃないの。
居座っていつまでもくっちゃべってるのはいつも負の感情。
他人の悪口、文句、不平不満。
くだらない、と一蹴するわたしのその横に、ちょこんと居続ける。
きっとイラストで擬人化したら相当しっぽ長いんだろうななんて。
引けるくらいの尾があるわけよね。

それに比べて屁はいいよ。
最後には嗅いだことすら忘れさせてくれるんだから。
明日も嗅ぐぞー

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