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曼荼羅を描くことがある

最近は環境が変わって忙しい。僕自身はなにも変わってないつもりだけど仕事の職種(というか分野?)が変わったのもあり、呼吸をするように手を動かさなきゃならないと思って絵を描いたりいろいろしている。そのうちのひとつで曼荼羅も描いている。プログラミングでfor文を使って曼荼羅を描くのにハマってた時期があったんだけど、着想の段階で手描き曼荼羅をふわっと見てたのもあり、ずっと描いてみたかった。
曼荼羅アートはゼンタングルとか大人の塗り絵的な、大人の趣味とかおしゃれカルチャーみたいな側面が強く、本屋にいけば塗り絵コーナーとか文化・芸術コーナーにたくさん書籍があった。ネットでもちょっとググったら曼荼羅アーティストやらインディペンデントなワークショップがたくさんやっているようだ。それはそれで良いんだけど、こんなもん俺でも描けるだろと思ってみようみまねでやってみたらこれがけっこう難しくてうまくできなかった。 けっきょくHOW TOをみて練習した。

↑youtube はやしあすか さんの曼荼羅チャンネル。how to 含めて動画が沢山。

ちゃんとやってみて感じたコツは、コンパスとか定規とか分度器とかをちゃんと使ってガイドを描いて、しっかりそれに合わせて描くようにすることが大事。ガイドの刻む角度が細かいと失敗しにくい。そもそも曼荼羅は繰り返すことによって失敗すらパターンにしてしまう方法なので失敗を失敗でなくするものだが、刻む角度が細かいと狂いが起きにくく、狂っててもよりわかりにくくなると思う。そして有機的な線が多いと思うんだけど、有機的な線がだといろいろごまかしやすい。そもそもかっちり直線だったらプログラミングで描いたほうが綺麗で効率も良いので、手描きという行為自体が不毛になってしまうし。手描きで色々描いてて思うのは、思い描いたように美しい曲線を引けることが、絵を描くことや造形スキルの重要なひとつの要素かもしれない。

↑ノープランで進めて生まれた失敗たち。どっちも途中で嫌になってやめた。

この手の曼荼羅アートは「絵を描く」というよりは「作業」の感覚が強い。だからこそ敷居が低くて苦手意識を持っている人も取り組める。まるで「テストのマル付け」してるようなルーティンなんだけど、マル付けの「マル」の部分のかたちを自分で決めて、その加減も自分で決めて、という感じなのでで作家性が全くないわけではない。だが、没個性気味なのは否めないと思う。僕も見よう見まねで練習して、それなりになってきたかなと思ったら、ネットでよく見る曼荼羅アートみたいになってしまいすっかり没個性。いつかぼくの個性がだせるようになったらいいなとは思うけど。

「そろえる」「ならべる」「くりかえし」は本能的に人間を引きつけるものがあると思う。人間はそもそもシンメトリで左右そろった体だし、花とか電車の窓とか座席とか規則的にならべられているものを毎日見てるし、生活は太陽と季節に合わせたくりかえし、人間も生まれて病気と健康を繰り返して死ぬパターンのくりかえし。曼荼羅を描くことそれ自体が僕の作品になるとか、よく言われるスピリチュアルな側面とかヒーリング要素とかはそれほど興味はないけど、万華鏡とかあわせ鏡をいつまでも見続けてしまうような、この手のものがもつ見え方見せ方そのものが持つ、人を惹きつける要素はいろいろなことに通じるものだと思うので、今後も気が向いたらダラダラと曼荼羅を描いていこうと思う。


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