個人的主観に基づくモダンの禁止カード総覧2020-7/9現在

モダンの禁止改定があるやも、と世間様が騒がれているこの頃、皆さまどうお過ごしでしょうか。

今までたくさんのカードが禁止指定され、解禁され、また禁止されてきました。ここで今一度、環境を染め上げたり、染め上げる懸念からあらかじめ禁止指定されている「やべー奴ら」を振り返ってみました。今後解禁されるカードはあるのでしょうか?

(この記事は非常に主観的です。あるカードやデッキへの個人的偏見・期待・侮蔑が含まれます。)


・アーティファクトランド
モダン制定時から禁止。ミラディン期の親和の速さの主犯。
現在ではオパモを失った親和は下火でメタカードも増え、かつてのような爆発力はないのではないだろうか。もしかしたら……。解禁されると地味にカーンが色マナを引っ張ってこれるようになる。

・猛火の群れ
モダン初期に禁止。感染等のワンキルパーツ。軽くて致命的な1枚なので解禁は無理そう。

・雲上の座
モダン初期に禁止。ウルザランドの実質上位互換みたいな存在で許されるわけはなかった。解禁どころかウルザランドが禁止される方が早そう。

・暗黒の深部
モダン制定時から禁止。「演劇の舞台」や「吸血鬼の呪詛術士」から高速でマリットレイジが召喚される。若干ワンキルの確実性が薄いとはいえ、レガシーと違い土地や誘発能力を止める現実的な手段が乏しいモダンでの解禁は絶望的か。

・緑の太陽の頂点
モダン初期に禁止。緑限定ではあるが、序盤はマナ加速、中盤はシルバーバレット、終盤はフィニッシャーを持ってこれる汎用性のかまたり。X=0で0マナ生物のドライアドの東屋を持ってこれるため実質1マナのランパンでもある。さすがにモダンでは許されなさそう。

・ゴルガリの墓トロール
モダン制定時に禁止となり、一時期解禁されてシャバで良い空気吸っていたが「イニストラードを覆う影」でドレッジに色々と追加されたため再度禁止。ドレッジ6の数値がメインだが、実は生物としても割とよい性能をしている。M21でもドレッジが強化されているので、二度目の釈放は遠いか。

・梅沢の十手
モダン制定時に禁止。レガシーでは通称をジャパニーズファッキンウエポン。増強と除去と回復を1枚でこなす万能壊れカード。一度攻撃を通すと増強と除去で攻撃が通しやすくなり、回復でライフレースも優位に出来る。なぜか各種剣よりも軽い2マナで、生物で殴るデッキなら雑に入れて殴っていれば超強いし、生物で殴るデッキに対しても超強い。環境がそこまでアグロ一色ではないとはいえ、カードパワー的に解禁は辛そう。

・師範の占い独楽
モダン制定時に禁止。奇跡や相殺との相性が有名だが、1マナ設置でマナを使わずにドローがそもそも普通に強い。疑似ブレストがついてくるので、コンボを狙わずともフェッチを切るだけでデッキの安定性を助けてくれる。レガシー禁止の理由が「長考おおすぎ」というカードパワー以外の理由なので解禁はなさそう。

・頭蓋骨締め
モダン制定時に禁止。1マナで+1/-1修正、だいたい小剣くらいの強さ。あと装備している生物が死ぬと2ドローする。つまりタフネス1のトークンとかが2ドローに変わったり、装備生物をサクるついでに2ドローできる。アドを失うのが難しいレベルでアドを稼ぐぶっ壊れ。こいつが解禁されるほどにインフレしたモダンは見たくないな。

・金属モックス
モダン制定時に禁止。手札1枚を失って色も限定される0マナのマナソース。アドバンテージロスは激しいが、高速デッキにとって最大のアドバンテージは速度なので気にならないため、ストンピィ系のデッキで多く採用される。相手より早く殴る他、先手でX=1のチャリスを置けるのでデッキ次第ではそれだけで詰む。他に比べると地味だが特定デッキの速度が一気にあがるため解禁は慎重に行われそう。


・戦慄の復活
モダン初期に禁止。0マナで唱えられるリアニメイトで、墓地肥やしの時にナルコメーバやリアニ先と一緒に落ちてくる。ライオンの瞳のダイアモンドがないモダンではレガシーほどの速さで打たれることはないが、theSPY等とにかくアホみたいに悪用されるカードなので解禁はなさそう。

・精神的つまづき
モダン初期に禁止。ファイレクシアマナなので実質0マナカウンター。1マナしか打ち消せない呪文嵌めの亜種だが、下環境では2マナより1マナのカードをめぐる攻防の方が多いし、何よりコイツを打ち消すために相手もコイツを積んで1マナに人権がなくなるため、解禁は難しそう。

・罰する火
モダン初期に禁止。主に燃え柳の梢とのコンボで使われ、タフネス2以下の生物の人権を奪ったりマナを出しつつ手札を増やしたりと小粋にアドバンテージを稼ぐ。単体で最低限の仕事をこなせる上に結構なアドバンテージを稼ぐため現状は禁止。解禁されたときの影響は良くわからないがそこそこ強そう。解禁ワンチャンあるか?


・思案、定業
モダン初期に禁止。1マナキャントリップコンビ。血清の幻視のだいたい上位互換。コンボデッキの抑制のため禁止されている。最近モダン解禁された往年の名カード「選択」と比べてもやはり強いので解禁はまだ少し遠いか。

・第二の日の出
ラヴニカの回帰ブロックの頃に禁止。サニーサイドアップでしか使われない、サニーサイドアップのキーカード。サニーサイドアップは某プロが1日回せるというほどにパズルじみた面白さのあるソリティアデッキ。それに付き合わされている方はガラスの仮面読んでいることしかできないので大会運営に支障をきたすとして禁止。解禁は無理そう。

・死儀礼のシャーマン
ラヴニカの回帰ブロックの頃に禁止。通称を1マナPW。混成1マナ、エルフ、1/2、好きなマナが出て墓地対策になりライフを削ったり回復したりできる。いつ引いても何枚引いても嬉しいカード。枚数に比例して相手はゲロの海に深く沈む。実はフェッチランド解禁まではそこまでではなかったが、フェッチを得てからはあんまりにも丸すぎる性能から禁止された。解禁はかなり難しそう。

・宝船の巡航、時を超えた探索
タルキールブロックの頃に禁止。探査で打てる3ドローと7枚めくって2枚手札。最大で探査すればマナ効率がパワーナイン級というぶっ壊れ。手札を全部ぶっ放す赤青系のアグロバーンデッキでは連打されることも珍しくなかった。3連打もすれば手札より先に相手のライフがなくなる。最近では舞台照らしが近いことをしているが、それでも打ちやすさはこちらの方が上のため、解禁は難しそう。

・出産の殻
 タルキールブロックの頃に禁止。緑頂点と同じく、状況に応じた生物をリクルート出来ることが問題視された。こいつの場合はパーマネントなので詐欺師の総督などから1ターンに何度も使ってキキジキコンボにつなげたりもできる。そうでなくとも頑強持ちの台所の嫌がらせやあたりをサクるだけで場を優位に導けるためアグロデッキに無駄がなく組み込める。これの生物版であるヴァニファールがいるが、やはり生物と置物では除去体制や軌道の速さが違うため解禁は慎重におこなわれそう。

・欠片の双子
ゲートウォッチの誓いの頃に禁止。キキジキと同じ能力を分け与える。相手のエンドに詐欺師の総督でマナを寝かせ、返しにコイツを総督に貼って無限コピーでゲームエンド。2枚コンボで色拘束も薄いため「イゼットカラーならサイドプランとして無理なく積める」として禁止。正直、コンボの速度や安定性、スロット量を考えればそこまで禁止にするほどのものかとは思う。だがウィザーズは解禁するつもりはないらしい。

・花盛りの夏
ゲートウォッチの誓いの頃に禁止。1ターンだけ3枚も土地が置ける。それだけで目立たないカードだったが、アミュレットコンボがモダンの鉄則である「3ターン以内の安定した勝利」から逸脱し始めたため速度を落とすために禁止になった。1ターン目アミュレット、2ターン目これから緑タイタンまでつないで処刑者の要塞で速攻つけて殴ってくる→さらに土地が増える、というバグじみたムーブをかましていたので残当。現在もアミュレットタイタンは普通に強いので解禁は遠そう。

・ウギンの目
イニストラードを覆う影の頃に禁止。エルドラージの冬の主犯。1ターン目にこれからエルドラージのミミック2体、2ターン目にエルドラージの寺院から難題の予見者で2ターン目に8点、さらに次のターンにもっと大きなエルドラージが出てきてGG、なんてことが普通にあった。寺院とどちらが禁止になるかと言われていた。いまだにエルドラージは強いので解禁は遠そう。

・ギタクシア派の調査
カラデシュの頃に禁止。0マナ、手札覗いて1ドローというむしろ何でここまで許されていたのか今となっては分からない壊れカード。0マナキャントリップのミシュラのガラクタや通りの悪霊と比べてもオマケの効果が強すぎる。この2枚と比べてストームや果敢を稼ぎやすい。一見地味なカードながら普通に壊れているので解禁は遠そう。

・クラーク族の鉄工所
ラヴニカのギルドの頃に禁止。モダンに古くからあるコンボデッキ、アイアンワークスのキーパーツ。サニーサイドアップと同じような動きで延々と墓地から置物を回し続けてドローし続ける。それだけで時間を喰うのに、ルール的に珍しい挙動をするためにその説明に時間がかかるという地獄を引き起こし、大会運営に支障をきたすために禁止。時間関係の禁止カードの解禁は絶望的か。

・黄泉からの橋
ラヴニカのギルドの頃に禁止。if節ルールを初心者に実戦で教えてきたカードだが、大量のゾンビから後述のホガークを蘇らせる動きが強すぎて禁止。こいつじゃなくてホガークを直接禁止しろと言われ続け、結局ホガークは止まらずに後に禁止になる。巻き添え被害みたいなもんだし解禁して欲しいが、そうするとモダンエアプのウィザーズが見当違いの禁止をしたことを認めることになるのでしばらくは解禁されなさそう。

・信仰無き物漁り
エルドレインの前あたりに禁止。古きものの活性・オパールのモックスと共にずっと「禁止リスト一歩手前」で踏みとどまっていたが、ホガーク無双によりついに御用となった。1マナルーターにフラッシュバックを付けてしまったためドレッジとの相性が蜜月レベルに良かった。コイツで臭い草のインプを捨てて、フラッシュバックで発掘、さらにインプを捨てるとマッハで墓地が肥える。ルーターとして抜きんでた性能を誇るため解禁は絶望的か。

・蘇る死滅都市、ホガーク
エルドレインの前あたりに禁止。黄泉からの橋を殺しておいて自分はのうのうと環境に居座り続けた。橋を禁止したところで止まらないのはウィザーズ以外の全員が知っていたが。頭のおかしい高速展開によって一般的な墓地対策は0マナのトーモッドの墓所ですら間に合わないというイカれた環境を作り出し、外科的摘出や黒力戦の価格バブルを引き起こした。モダンホライゾンから現れたモダンを終わらせるもの。環境をホガーク一色に染め上げ、巻き添え被害で墓地利用デッキを全滅させ、健全の真逆にいるような世界を作り上げたその姿はまさにエムラクールが作り出した悪夢。解禁は夢のまた夢。


・オパールのモックス
今年の1月に禁止。禁止一歩手前トリオの中で物漁りに次いで2番目の犠牲者となった。親和の速度を支え続けたカードであり、ミシュラのガラクタとともにアーティファクトをばら撒くデッキの中核として様々なレシピを作り上げた名カード。早く死ねと言われ続けたホガークやウギンの目とは違い、その禁止に多くのプレイヤーが悲しんだ。とはいえぶっちゃけ金属モックスと同じく初手からぶん回せる加速カードであり、禁止は当然でもあった。今のところ解禁は厳しそう。

・マイコシンスの格子
今年の1月に禁止。元々はEDHでつかわれるくらいで構築では地味カードだったが、灯争大戦でカーンが刷られたことにより実質1枚コンボを形成。出たらほぼ終わりという分かりやすいカードであり、カーンが批判される原因の一つだった。半年ほど環境の中心近くでサイドボードから現れてデッキを61枚にし続けた。もともとウィザーズも「マイコカーンには問題があるとの声は聞いている」と言っていたため残念だが当然の禁止で、解禁は遠そう。

・王冠泥棒、オーコ
今年の1月に禁止。みんな知ってるぶっ壊れ。置物の一切を否定し、アグロを叩き潰し、世界を鹿に染め上げた、エルドレイン産ガバガバ調整カードの筆頭。ウルザフードとかいう壊れしか入っていないようなデッキで環境に鹿と植物と不快感をまき散らした挙句にモダンから追い出された。解禁よりテストチームの解散が先になりそう。

・むかしむかし
今年の3月に禁止。エルドレイン産ガバガバ調整カード。古きものの活性ですら禁止一歩手前なのに、ある意味ではそれよりもデッキを安定させるカードを作った開発は何を考えているんだろう。奇態にして希代のワンキルデッキ「ステューピッド・グリショール」のマスターピースだったり、普通に使っても普通に強いので様々なデッキで採用され、採用率の高さから禁止指定された。解禁は厳しそう。


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