退屈しのぎ


12時24分。

ドトールで人を待っている。この前名刺をくれたタクシーの運転手とごはんを食べにいくからだ。これはたぶんデートだと思う。その人はわたしより3つ歳上でちゃんと顔を見たことはまだ、ない。マスク越しの彼は爽やかそうな印象。車で向かっているそうだけど道が混んでいて、すこし遅れると電話があった。今日のごはんの場所はわたしが決めた。なんだか味のある定食屋さんで、前から行ってみたいと思っていたお店。ちょうどいい具合にお腹もすいてきている。出会いっていうのはいろんなところに散らばっているものなんだなぁとしみじみ思う。元彼と別れてから怒涛のモテ期。そんな気がする。といってもわたしはろくでもない女なので、わたしを好きになる人はたいへんだなぁなんて他人事のようにおもう。し、現にふたりの男から「惚れたほうが負けだから、仕方ないね…」「君のこと好きになったの、ほんと大変なんだから!」などと言われてしまった。可哀想に。でも勝手に好きになったのはそっちなんだから知らないよ。

20時51分。

出勤。お店は暇だ。今日からママは中国に帰っている。ママのいないお店はちょっと心許ない。そういえば、はじめて見た彼の顔はまぁ可もなく不可もなく。わたしの好みではないけれど鼻筋が通っていて笑うとちょっと可愛い感じだった。定食屋でごはんをたべてカフェでひとやすみをして、お台場までドライブをした。今度は夜のドライブに行こうねと言われた。夜のドライブ。夜、ドライブをして行く宛てがなくなったらどうするつもりなんだろう。どこまでいくんだろう。

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