見出し画像

有馬記念 無料考察コラム



~今年の有馬記念を考える4つのポイント~

① 3歳牡馬の取捨(評価)

② ロジカルラップアプローチで考える有馬記念のラップポイント

③ 超ハイレベルなJC上位組をどう考える

④ 競馬王の有馬記念企画で◎に指名したあの馬の最終ジャッジ


上記4つのポイントについて、考察を書いていきます。


① 3歳牡馬の取捨(評価)

有馬記念的中の鍵は、まず3歳馬をどう扱うかでしょう。

<有馬記念は3歳馬が有利>

今や競馬予想界隈で1.2を争う影響力を持つあのお方が、昨年データを用いてnetkeibaの番組や、ご自身の著書のなかでお話されたこともあり、コアな競馬ファンや一部ライト層にまで知れ渡った事実。(詳しい内容はここでは書きませんのでご了承ください。)

実際に過去の有馬記念の結果を見ても3歳馬有利はその通りであり、昨年もイクイノックス、ポルトグフーシュのワンツー決着、トラックバイアスの影響を強く受けたジャスティンパレスも、コース取り次第では好走した可能性は高いと考えれば、やはり斤量+成長力を考えたときに有馬記念において3歳勢の優位は大きいと考えるのが妥当。

ですが、今年に限ってはそうならないと自分は考えます。

まず、今年のタスティエーラ・ソールオリエンスの能力が今年の出走してくる古馬に対して足りているかが大いに疑問。

まず全体のレベル感を図るのに今年の6月以降に出走した3歳馬の成績を確認しました。

芝1600m以上の3歳以上古馬重賞に34頭出走。
その成績は以下。

<5-2-1-26> 勝率14.7% 連対率20.6% 複勝率23.5%

このうち、2勝は牝馬限定戦で、エリザベス女王杯を勝った、ブレイディヴェーグとクイーンSを勝ったドゥーラ
G1の連対は、ブレイディヴェーグ(エリ女)とリバティアイランド(JC)の牝馬のみ。

牡馬に関しては、ノッキングポイント(新潟大賞典)・エルトンバローズ(毎日王冠)・ベラジオオペラ(チャレンジC)と3頭勝利はしているが、G1レベルの古馬一戦級と勝負できたのは、走りの内容と負かした相手関係を考えてもエルトンバローズのみと考えるのが妥当な結果。

現時点で古馬G1の一線級相手では足りないと判定した、ベラジオオペラとノッキングポイントは、有馬記念出走のタスティエーラとソールオリエンスに対して、日本ダービーでタイム差なしと0.2秒差で走った馬。
ベラジオオペラがG3程度のメンバー相手に、着差だけでなくレースぶりも辛勝の内容の比較から、タスティエーラとソールオリエンスが、イクイノックス不在とはいえ古馬の超一線級相手のここで通用するだろうか?

マイルCS(G1)で好走したエルトンバローズと菊花賞で勝ったドゥレッツァは、共にダービーに出走していない別路線組。
今年の3歳牡馬クラシック組が、古馬一線級相手に対して通用するだけの裏付けを示しているとは自分は思えない。

近年、有馬記念で勝利したり、馬券になった3歳牡馬クラシック組の多くは、同年古馬相手のレースでも内容のある競馬で能力の裏付けを見せている。

22年 イクイノックス(天皇賞秋 1着)
21年 エフフォーリア(天皇賞秋 1着)
20年 春のクラシック組出走なし
19年 サートゥルナーリア(天皇賞秋 6着だが、次走JC1着馬・香港C1着馬に先着)

今年はそもそも天皇賞秋は3歳馬未出走、JCも3歳牡馬はショウナンバシットただ1頭という顔ぶれ。
イクイノックスという絶対的な王者がいることで、出走を控えたという側面もあるだろうが、それにしても新馬戦でベラジオオペラの0.2差、すみれSでシャザーンに少差、皐月賞で5着のショウナンバシットが、イクイノックス以外のJC上位組に対しても差が大きかったことを考えると、春のクラシック組が古馬一線級相手に通用すると考えるのは、斤量差や成長力を考えても疑問が残る。

また、近年有馬記念で馬券になった3歳馬のなかには、19年のワールドプレミア、22年のポルトグフーシュなど、秋になり力をつけしっかりと結果を出した春のクラシック未出走の馬が有馬記念で馬券に。
この傾向からも今年に関しては、菊花賞でクラシック組を圧倒した別路線組のドゥレッツァが体調万全で出走してくるようなことがあれば、文句なしに本命級の扱いだったでしょうが、今年はこのタイプの3歳牡馬の出走もなし。

今年の日本ダービー馬であるタスティエーラは中山適性が高いと随所に言われており、中山2500mの舞台でパフォーマンスを上げてくるであろうことを期待され、適性面でも評価され上位人気に推されそうな週中。
コース適性が高いこと自体は全く否定するものでもなく、むしろその通りだと思います。
ただ、距離短縮+中山適性でパフォーマンスが上がったとて、他の古馬勢が中山でパフォーマンスを下げる馬ばかりでもなく、前述の相対的な能力評価からも今年のクラシックでワンツーしたタスティエーラとソールオリエンスの2頭は、ここで人気をするようならリスクの方が大きいと自分は考えます。




② ロジカルラップアプローチで考える有馬記念のラップポイント

近年の有馬記念のラップから注目するポイントは二つ

(1)L2F目が最速区間の加速型ラップ戦になりやすいこと。

(2)3コーナーの出口〜直線入口にあたる、L3F~L2F区間の平均ラップタイムが(23.9)と、ハロン平均12秒台を切るレースラップ区間で、ポジションを上げられる機動力&馬群を割れる能力。

現時点で今年の有馬記念は良馬場開催が濃厚、雨の影響がない馬場、メンバー構成を考えた際に自分は、持続型加速ラップ戦になった2021年のラップバランスに近くなると予想しています。

2021年の決着において上記二つのポイントはとても重要で、加速型ラップ戦で3角〜4角でポジションを下げずに、上がり上位の脚で近走勝ち負けできている馬は自然と評価が上がる。

ラップバランスだけでみたポイント該当馬は、

・シャフリヤール
・ジャスティンパレス
・スルーセブンシーズ
・ソールオリエンス
・タスティエーラ
・ドウデュース
・ブローザホーン
・ライラック

今年は多頭数、能力拮抗で2021年のように上がり幅が小さいレースになると推察。
ステラヴェローチェのように、大外回しで差しに回ると馬券になるにはかなりハードルが高いと判断し、上記の中から(2)で挙げた加速型ラップ戦で馬群を割った経験や馬群内から抜け出す競馬での勝ち負け実績がない馬は評価が下がります。


(2)の経験が無い馬は、

・ソールオリエンス

・タスティエーラ(菊花賞では3コーナーで初めて外に馬を置かれてもまれかけたが、直線向く際に前ががばっと開き、結果としてプレッシャーをほぼ受けずに競馬ができてしまった)

ここでも3歳馬の2頭はラップバランスは合うものの、厳しいプレッシャーのかかる競馬の経験がないことが、このトップホースが集まったレースにおいてはマイナスに作用すると考えます。

この時点で、3歳牡馬勢の2頭に関して、自分は買い材料が消えました。

無料コラムはここまでとさせていただきます。

※③と④の考察に関しては、印に直結する話になってくるので、日曜日のnoteで公開させていただきます。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?