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馬場と格からロジカルラップアプローチでAJCCを考える

今週は全国的に雨模様の1週間。
特に西日本は週の半ばから雨が降りそうで、今週の馬場は一気に様相が変わる可能性大。

中山競馬場のある千葉県も週末は雨または雪の予報。
予報通り土曜日から降り出せば、日曜日はかなりの重馬場が想定される。

雪の中山開催は珍しくないがAJCCに限っては過去10年、レース時間に雨も雪も降ったことはない。
それでも雨、雪の影響を大きく受けたのが2021年のAJCC
勝ちタイムの平均が良馬場であれば、2分12〜13秒あたりが平均だが、この年は2.17.9と例年より5秒近く時計がかかった。
映像で見ても芝の跳ね返りが凄まじく、とにかくタフな馬場であることが分かる。
後半5Fのレースラップが、12.1-12.0-12.4-12.2-13.3と、古馬G2レベルの馬が集まり、ラスト1Fが 13.3は相当な持久力比べだったことを物語っている。
ラップバランスからは失速型ラップで結果を出している馬に注目したい。

また、馬場問わずAJCCでは格が問われる。

この2週間で、日経新春杯・AJCCと古馬中距離重賞が組まれているなかで、AJCCにを選ぶ陣営心理としては関西圏でのレースということもあるだろうが、それ以上に斤量の問題があると推察します。

日経新春杯はハンデ戦だけに4歳馬で重賞勝ちのない馬や、菊花賞(G1)で負けた馬などは、ハンデに恵まれるケースがある。
例えば、今年の4歳馬を例に取ってみると。

(例)
サトノグランツ(京都新聞杯 1着・神戸新聞杯 1着・菊花賞 10着)57.5キロ
サヴォーナ(神戸新聞杯 2着・菊花賞 5着)56キロ
ハーツコンチェルト(青葉賞 2着・日本ダービー 3着・菊花賞 6着)55キロ

日本ダービー3着馬が、菊花賞10着馬に対して重賞勝ちがない1勝馬というだけで2.5キロも斤量がもらえるこの状況。

重賞勝ちという勲章がハンデ戦ではかなりの足枷になる。
それだけに、重賞実績のある馬たちは厳しい斤量を背負わされるハンデ戦ではなく、別定戦のAJCCに集まる傾向が強いと考えます。

事実、AJCCの過去5年で馬券になった馬は、重賞勝ち馬やG1連対馬がほとんど。
レベルの高い古馬が集まるだけに、ここでは3勝クラスからの上がり馬などは通用しづらいことはしっかりと頭に入れて予想を組み立てたい。

AJCCで重視するポイントは二つ

①重賞勝ち馬・G1連対馬
②失速型ラップ戦で好走歴のある馬

この二つの項目に当てはまる馬を、週中の注目馬として取り上げます。

☆カラテ

重賞勝ち(東京新聞杯・新潟記念・新潟大賞典)
某大手競馬サイトで現在11番人気、恐らく当日は4番人気もあると思います。
23年の不良馬場で行われた、瞬発型失速ラップ戦の新潟大賞典で59キロを背負い、セイウンハーデスとのマッチレースを制した(3着馬は1.5秒離す大差)
持続力を問われる新潟外回りコースの重賞を2勝しているように、持続力勝負に強く週末の馬場悪化も大歓迎。
人気を落とすであろう要因は、2200mの距離とコーナー4つのコース不安か。
宝塚記念のレース後コメントで、鞍上が『最後踏ん張れなかったのは距離の分かなと思います』とコメントしたことが気にされて、距離不安で人気を落としてくれるならむしろ美味しい。
宝塚記念は差し追い込み決着の外差し馬場を、好位からイン差しに回っての敗戦で、手応えが無くなったのは馬場と先行負荷があってのもの。(3コーナー4番手以内の馬は軒並み10着以下に敗退)
2走前は直線で前が壁になり全く追えずじまいでノーカウント。
本格化の兆しが出てきた5歳以降の中山芝成績は(2-1-0-1)と全て持続型失速ラップ戦を好走多数。
休み明けから走れる馬で、仕上がりさえ十分ならチャンス十分。



☆ボッケリーニ

重賞勝ち(鳴尾記念・目黒記念・中日新聞杯)
若駒の頃から堅実派の代名詞のような馬だが、昨年の鳴尾記念勝ちをきっかけに能力のピークを7歳にして向かえてきた印象。
23年の宝塚記念は、伸びないインをついてしっかりと脚を伸ばし、イクイノックスの0.5秒差は内外の馬場差を考えると超優秀の内容。
近2走も僅差の2着と重賞でも好走を続けており、中山実績も十分の今回は1番人気が濃厚。
特に下げ材料がなく1番人気も納得ではあるが、前走は展開もハマった中での2着で、前走からの上積みはそれほど感じないが、重馬場実績もあり、距離延長ローテも問題なくここでも好走確率は高い。


☆モリアーナ

重賞勝ち(紫苑S)
秋華賞以来のレースだが、牡馬牝馬混合戦に加え、初の同世代以外の馬たちとの重賞とハードルは低くないが、先週の愛知杯(牝馬限定戦)をスキップしてここへ使ってくるのは、長距離輸送とハンデを嫌ってのものか?
紫苑Sは持続型失速ラップ戦で勝利と一定の評価はできるが展開は恵まれた勝利。
秋華賞は差し追い込み決着になり、最内をつく競馬だが、かなり狭いところを抜けてきており、接触もありかなり窮屈な競馬を強いられての0.6秒差で5着は評価できる内容だった。
0.1秒差のハーパーがエリザベス女王杯3着、有馬記念も9着とはいえ、G1秋3戦目の過酷ローテで0.7秒差は相当優秀だったハーパー比較から、有馬記念メンバーから1枚格落ちメンバー+間隔をあけて調整できるローテで臨めるここは魅力。



☆ラーグルフ

重賞勝ち(中山金杯)
中山金杯・中山記念ともに失速ラップ戦を1着・2着と好走。
近2走は11着・8着と大きく着を落としているが、2走前の大阪杯(G1)は、ジャックドール&武豊騎手が刻んだ、絶妙なレースラップで後続もなし崩しに脚を使わされ、結果的に上位で差してきたのはスターズオンアースのみの前残りレース。
スターズオンアース以外は、上がり幅が小さいレースで後方14番手にいたラーグルフにはノーチャンスの競馬で見直せる内容。
前走は超特殊馬場の札幌記念だったが、テンションが高かったにせよ、追ってから全く伸びなかったあたりは馬場が影響した可能性は高い。
近2走は言い訳ができる内容なだけに、良馬場であれば評価は上げたいが、馬場悪化になると過去走からはややマイナスか。


※上記4頭以外の重賞未勝利馬たちのなかにも、ラップバランスが合いそうな面白い馬がいますので、週末の天気と土曜日のレースを見て、上記の馬以外も含め、日曜日に印を決めていきたいと思います。


ご覧下さりありがとうございました。
いつもありがとうございます😌

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